日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

雪煙舞い散る中,石尊山から笹目倉山へ辿り歩き   石尊/南尾根から笹目倉/南尾根へ

2013-02-19 02:25:38 | 山行

入山日 2013年2月16日 (晴) 単独                       (鶏鳴山/笹目倉間の稜線合流手前から見た今辿ってきた稜線(東方面))
16日は、鹿沼石尊山から前週まで2週連続でその雄姿を近くで見ている笹目倉山まで通しで歩いてみました。今日の主な目的は、石尊山初歩き、道中の三角点無名峰625P初踏み、石尊/笹目倉間の通し歩きのルーファンができるか、それとロング歩きでの体脂肪減らしなどです。栃木北部の山沿いの天気は強風など大荒れのようで、その余波が鹿沼/今市のこの山域にも。昨日木の上に積もった新雪が頭上に終始舞い落ち、時に吹雪状になる始末。笹目倉手前の1時間は強風もあり、前週の1700m級の社山より寒かったです。(以上、予告編より)

コース:唐沢BS付近駐車地 8:00  石尊山 9:05-17  513P 10:33  三角点625P 11:10-17  鶏鳴山/笹目倉間の稜線合流 12:33  笹目倉山 13:35-45  天善教 14:35-47  スタート地点 15:35 

昨年秋には、いつも通勤時すぐ脇を通る塩谷町/石尊山に登った。今年になって田沼町/石尊山にハイトスさん、たそがれさんと歩いた。今回は鹿沼の石尊山、かねてから気にはなっていたが東西南北いろいろ選択する尾根が多く、車でのアプローチもよくわからないので後回しになっていた。今回は気象予報上、あまり高度のある山や、積雪の潤沢にある山は敬遠したく思い切って挑戦することにした。今回は笹目倉山までの(自分としては)多少ロングウォークの為、歩く希望はある石尊山/南東尾根は選択せず。歩き終えて、また新たに歩きたいコースもでてきたし、次回この山に登る時はこの南東尾根を使いたい。前日ネット情報でこの山域の予習をしていて、烏ケ森さんの昨年の笹目倉/石尊山の記事を見た。その順路だと雪の下りに難渋するやもしれぬと推察。烏ケ森さんの御助言通り、氏とは逆周りの石尊山からの縦走とした。

唐沢BS付近で駐車地がうまく選定できず、低速でうろうろ。ひとりおじさんがいらして、目が合ったので駐車できそうな場所を尋ねると、すぐ前にあった公民館らしきを紹介してくれた。このかたは公民館のおとなりのかたのようだ。話のついでに、石尊山に登れるコースが有るか聞いてみるとあるようで、このおじさんも登ったことがあるようだ。墓地の脇の林道を進み鳥居やしめ縄があって、沢状を登るとのこと。今回自分の計画は南尾根を直登する予定なので、参考までにお聞きした形になった。
(スタート時 8:00 唐沢BS周辺から見た羽賀場/天気山方面。前日の降雪で山の木々は白い。先ほど、おじさんに聞いた話では羽賀場山山塊で昭和20年代までタングステンがとられていたとそうだ。タングステン? 聞いたことはあるがよくは解らない鉱物だ。)


歩き出してすぐ墓地の奥に通じる細い車道を入るとすぐこんな行き止まりのガードが、それとイノシシ防御の柵もあり、乗り越えていく。これがないと里にイノシシが出るらしい。(写真下) この写真の右の斜面に取りつくとすぐ尾根に乗っかれた。


尾根取りつき後、最初は普通のヤブなし尾根だったが、25分経過あたりで猛烈な急斜面になる。(写真下)ピッケルで支えたり、幹を掴んだりしながらよじ登ること20分ほど苦闘を強いられる。ここまで、ほとんど踏跡はない。今にして思えば、駐車地が予定より少し西だった為、尾根の末端からは登らず、西側の枝尾根から登っていた為の急斜面だったのだろう。


尾根の主尾根に合流後はやや傾斜も緩やかになり、時おりマークも散見できるようになる。(写真下)


歩き出して約1時間ちょっとで石尊山山頂到着、神社と石像、石祠などが並ぶ。山頂手前辺りの尾根道から積雪が出だす。前日降った雪が木々の上にも降り積もっていて、風で少しづつ舞い落ちてくる、まるで雪がふっているような感じ。空は明るい。


石尊山から北西方向の尾根を目指す。最初の下り始めで、多少の急降下。そこでアイゼンを付けていなかったななころびは、かなりの恐怖感、滑りだしたら、進路左側の急斜面に滑って行きそうで、腰砕けになる。なかなか次の一歩が出ないで、尻をつくような形でほんの数mの斜面を降りた。その後安全な場所でアイゼンをすぐ装着。早め早めに付けていかないとダメ・・・
石尊山から北西への尾根はおおむね2から5cmの積雪状態。アップダウンのある、渋ルートが続く。(写真下)


石尊山からは北西方向に尾根伝いに513Pや三角点625Pをまずはめざす。625Pまで途中真剣に悩む尾根分岐は2回。前方の展望をみて確認したいのだが、樹林により視界が悪く、よくわからない。最初は正解尾根を進めたが、二度目は失敗、少し西寄りに行き過ぎたようだ。進路すぐ右に立派な尾根が見えだし、(写真下)間違いに気づく。10分ロス。


513P手前の尾根。小さなアップダウンをこなして進んでいく地点。(写真下) 513Pには石尊山から1時間15分で到着。地味なピーク513Pからは西や南西に尾根伝いに進むこと約40分。途中雪の急な登りをこなしたり、登り傾向であるけれどもアップダウンを繰り返しの尾根歩きが続く。



(三角点峰625P手前の登り地点。かなり急登)


三角点625Pに到達。(写真下) 広葉樹林の中の、明るいピーク。今は枝木のみで葉が無く、ずいぶん開けた印象を受けるが、葉のある時期は眺望は無いのでは。今の時期、細い幹の枝の間から、来た尾根方面や南の天気山方面、そしてこれから向かう笹目倉山が白っぽく結構遠くに見えている。まだまだ遠いナー、ここでハイトスさんの低山の法則 ”低山ではかなり遠くにみえる山容も、地道に歩いていると案外見た目より早く着いたりする”を思い出し気を取り直す。最初の石尊山からここまで約2時間かかっている。時間も11時過ぎ、バテ防止の為、コンビニ/パンをひとつ食べ、先を急ぐ。ここからは、しまって行こう。


625Pからの尾根(写真下)。しばらくは平坦に近い感じのよい尾根歩き、いくつもの小ピークを超えていく。


目の前に今日の最終目的ピーク/笹目倉の姿がでっかくなってきた。(写真下) この山、どこから見ても格好いい。


こんなピーク(写真下)をいくつも超えていく。・・・


625Pから歩くこと30分で進路右前方がこんな感じで開けている場所に飛び出す。かなり広く斜面が伐採されその上に815Pだろうか。薄っすら白いピークが聳え立つ。(写真下)あの815Pの直下まで登っていかなければならない。


南(進路左)には、羽賀場/天気山方面が見え手前に雪のアクセントが。(写真下)この辺は風の通り道なのか、開けている為か、雪が少し深い。時にシューズが埋まる。


(815Pに向かう尾根道,これからかなり登りそう。気を引き締めて行こう。)


伐採地の向こうにはすばらしい眺望が・・・南東方面に遠く篠井富屋連峰、その手前はあの城山ではないか!可愛らしい・・・。手前一番近くはさっきの625Pの北尾根だろうか。(写真下)


同じ場所から、今辿ってきた尾根方面。真ん中辺りが625Pだろう、とすると石尊はもっと遠く。見えているのかもしれないが、どれだか判らない。その先には古賀志山が見える。清清しい眺望に大満足。(写真下)


展望地を過ぎると、雪深い急な斜面を枝を掴んでのよじ登りを少々、そこは明るい尾根。その後ちょっと鞍部を歩き、815P直下まで続く植林の中の超急登が始まる、ほんの10分程度で済むだろうと思っていたが、どうしてなかなか終わらせてくれない。積雪もあるため足を引っ掛けづらいし,20分は一貫した登りにしぼられた。(写真下) この登り、逆方から歩いた烏ケ森さんは”ここを雪の時期は下らないほうがよい” と言ってくれていたのだろう。確かに・・・。ようやく815P直下、鶏鳴/笹目倉間の稜線に合流できた。625Pから1時間20分かかった。この合流点、鶏鳴/笹目倉間の稜線のなんでもない下り斜面から突然分けていくので、逆方向に歩く場合はわかりづらいだろうと思った。気づかず815Pに行ってしまいそうだ。合流点には、ちょっとした目印が2個ほど目についた。


815P直下/合流点からの笹目倉への尾根道。最初は下りから入る。(写真下)


合流点までは風は少し強いなと思う程度だったが、合流点からは風がもろに当たる地形になったのか、猛烈に風が吹きつける。それでもまだ樹林の中なので、風は抑えられているのだろう。ただ、樹林上に前日積もった雪が強風に飛ばされ、時に吹雪状態。いや一度に落ちてくるので吹雪よりひどいかも。(写真下) 体感温度もかなり寒い、腕にしているプロトレックが珍しく0度を表示している、ということはマイナス5くらいカナ? この風は笹目倉を少し下り始めるまで続いた。


笹目倉への稜線、白いものが風に飛ばされている様。(写真下) 合流点から笹目倉までは一度往復している(昨年秋)ので、ほぼ心配無く歩ける。前回少し引き込まれた間違い尾根ポイントも今回は難なくクリアー。学習できてるじゃん・・・
昨年の鶏鳴/笹目倉レポ: http://blog.goo.ne.jp/blgmnt49/e/97667e5b8475f09322621ece81d429eb


笹目倉山直下はかなりの急登を15分ほど頑張らなければならない。(写真下)


笹目倉山頂に到着、合流点から約1時間、本日の歩き始めからは5時間30分かかった。雪の中、結構な充実感を味わえた、歩きとおせて嬉しい。山頂も最近のトレースはなし、ここまで当日の人の足跡はひとつも無かった。(この日、終始山中で会う人は無し) 達成感に浸り、パンでエネルギー補給。でも風が寒くて長居はできなかった。


下山はおとなしく、南尾根を天善教に向け下る。途中簡易な案内板や目印があった、安心。このコース、かなりというか猛烈に急斜面、下りはこんな感じ(写真下)。それもかなり長いこと続く、これ登りに使用するとかなりきついのでは、・・・気分がむしゃくしゃした時など体力発散にいいかもしれない。


下ること約50分で天善教に到着、狛犬右はこんな感じ。かなり怖そうな面構え、完璧ヒール役だ。喉の下のふくらみがすごいことになっている。


天善教からは歩いて駐車地まで戻らなければならない。天善教から15分くらいの地点で振り返る図(写真下)。あれ!ここまで、日光市だったの? この道路、車はめったに来ない。10分に1台程度。


振り返ると、笹目倉山が格好いい姿を見せてくれた。その右に今日辿った稜線が見えて爽快感100%


車道歩き約50分で唐沢BS付近に到着、すぐ駐車地の公民館もわかった。ちょうど朝のおじさんが軽トラで帰って来た。無事歩けたことを告げお礼を言う、笹目倉まで周回した事を告げると、驚いたような(内心呆れていらしたのかも)リアクション。朝聞いたタングステンはこの石尊山山塊でも昭和20年台まで採掘されていたことを教えてくれる。この地点のすぐ西のようで、年に4,5人その筋のマニアのようなかたに聞かれるそうだ。今度別コース歩きプラス鉱山探索も面白いかも・・・
周辺で石尊山方面の撮影していると、おじさん、奥様とお散歩にでかけるよう。手にロッテガーナチョコと缶ジュース(緑茶)を持っている。なんとななころびに下さるという、「お疲れさまでした。」と笑顔で言われる。こちらは遊びで歩いているのに・・・。 せっかくのお気持ちなので、ありがたくいただきました。鹿沼や今市の農家のかたは本当に優しいのだ。今日はこれまた念願であった石尊/笹目倉間を歩き通せ、最後まで爽快な気分で歩きを終了できた。強風と多少のロング歩きで疲労感も少しあるが、大満足山行だった。 ■■

(写真下)石尊山方面と散歩に向かわれるお世話になったご夫婦。



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10 コメント

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Unknown (ノラ)
2013-02-16 21:14:57
ななころびさん こんばんは。いやー驚異的ですね。この風強く寒いのに石尊山から笹目倉山までとは。朝,寝床で聞いた風の鳴き声で山はお休み。こたつむりしてましたよ。
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ノラさん (ななころび)
2013-02-17 02:12:57
こんにちは。鶏鳴/笹目倉間の稜線に合流するまでは、風もあまり無く穏やか歩きでしたが、合流から笹目倉山頂までが風がひどかったです。雪が舞って周囲が真っ白でした、でも通しで歩いて、このコースも面白かったです。
出かける前日、ノラさんの昨年の記事で石尊山の行程を一部再確認しました。ありがとうございました。
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あそこに (しぼれ)
2013-02-19 19:46:49
ななころびさん こんばんは
コメントはご無沙汰ですが、ときどき訪問させてもらっています。
笹目倉は2回登っているのですが、天善教社殿ルートは歩いていませんでした。今市日光はほとんど歩いているはずですが見落としです。狛さん画像感謝、合間見て落ち穂拾いします。
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しぼれさん (ななころび)
2013-02-19 21:35:22
こんばんは。
しぼれさんの相変わらず精力的なお歩き、いつも感心させられています。
天善教に行かれていなかったのは意外です。山歩きを終えてゆっくりするのにいい場所でした。そこから登ると、中盤以降、物凄い登りになります。
しぼれさんの影響を受け、最近狛犬や石像に興味を持ってしまいました。山の新しい楽しみかたを教えていただきました、こちらこそ感謝です。
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笹目倉山 (ハイトス)
2013-02-19 21:49:33
こんばんは。
今回も面白そうなルートを歩かれましたね。
前にたそがれさんが逆ルートで歩かれた時から気になっておりましたが。
凄く満足しておられる様子が感じられます。
これは自分のペンディングリストに入ってしまいますね。
秘技幹抱きつきは植林地の急斜面を下る時の技として習得必要なものですよね。(笑)
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また見つけましたね (みー猫)
2013-02-19 22:17:40
こんばんわ。
石尊山から笹目倉までお疲れ様でした。急斜面の縁にたつと、この一歩で滑り落ちていく妄想をいつも感じているのですが、下山時に通過するときは慣れているということに気が付いたり・・・またも、個性的なのを見つけましたね。すっかり狛犬ハンターになっちゃってたりして。お茶とお菓子をいただくなんてななさん凄いなあ。恐れ入りました。
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ハイトス さん (ななころび)
2013-02-20 01:02:49
こんにちは。
今回のルート、ボリュームあり、ルーファンありの渋尾根コースです。人によっては何の価値もないコースでしょうが、ハイトスさんなら楽しめる尾根の連なりだと思います。自分はとても楽しめました。ヤブもほとんど無いので、火戸尻/鳴虫山間のような感覚で歩けますので、おK3連れでもだいじょうぶです。あそこよりは多少起伏がありますが。
ハイトスさんの秘技幹抱きつきや、ハイトスさんの遠くに見える低山の法則は、主に低山を歩く時の、自分の心の拠りどころになっています。
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みー猫さん (ななころび)
2013-02-20 01:15:09
こんにちわ。
たいしたことのないと思っていた下り斜面が、下まで滑りそうで危険だなと急に気づいた時は、結構恐怖です。今回は1回だけ、危険を感じた下りをあのピッケルを指しまくりで降りました。
あの狛犬、見つけたといっても車道のすぐ脇にあるわけで・・・、皆さん、いづれ歩いて発見していたものだと思います。
唐沢集落のかたのおすそ分けには恐縮しました。本当に感謝です。下山時にモノをいただくのは、昨年8月の錫ケ岳下山後、菅沼駐車場の管理人さんにトマトをもらって以来です。下山後、自分はよっぽど疲れた顔してるんですかね(笑)。
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Unknown (たそがれオヤジ)
2013-02-21 08:38:07
おはようございます。
625m三角点から先、西側はそういう感じになっているのですか。
伐採地がところどころにあるようで、それまでの植林帯の薄暗い歩きとはまた違った気分で歩けそうですね。
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たそがれオヤジさん (ななころび)
2013-02-21 12:50:21
こんにちは。最近、お仕事の関係でお忙しそうなのをお察しします。そんな中でのコメント/フォローありがとうございます。
625Pまでも結構歩きごたえありでしたが、625Pから先/西側は、結構植林帯以外の尾根もあり、眺望もいい場所もあり、歩き終えた感触はとてもいいルートでした。雪の時期以外は笹目倉から回ったほうが、下り主体になり楽かもしれません。
自分は今度、たそがれさんの歩いた625P南尾根や、石尊山南東尾根を歩いてみようと思っています。
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