
2016年5月29日(日) 晴 (鳴虫山/志戸淵川右俣、遡上 途中の小滝)
前日昭和村まで行って、今日は午後家庭の都合があるので、近所の山をぶらつくつもりでした。天気予報を見ると、29日も暑そうな予報なので、簡単な沢に入って水浴びしながら遡上して山頂まで行ってみましょう。と、地元の鳴虫山に出かけました。志戸淵川右俣を遡上して、以前取り付いた、岩屋観音の尾根に合流する尾根末端の右俣に入って、源流まで行けたら、その辺から未知尾根に取りつく計画です。沢は一人入りは基本xですが、難度的にはまったくやさしい沢であると、途中までの状況は知っていたので、単独の入り込みです。
元日光FIRE跡地の駐車場に車を置いて歩き始めます。志戸淵川脇の舗道を歩いていると、今日入り込む沢の
周辺が見えてきました。
(あの尾根の向こう側に回りこむと、沢入り口です。)
コース: 旧日光消防P 8:50 --- (志戸淵川右俣沢経由)--- 尾根取りつき 11:13 ---神主山ルート合流 11:48 --- 鳴虫山山頂 12:03 --- (神主山経由) --- スタート地へ 13:26
右俣の沢に入り込んで、すぐに大きな堰堤があっていつものごとく、左岸から巻きます。堰堤から降りるのが怖くて、最初に来た時は左岸の急登尾根をもうれつに登ったことがありました。今回は前回来たとき、堰堤の端から、倒木を使ってなんとか川原に降下できることを知ったので、今回もその方法で川原に降下しました。
(堰堤を越えた地点で下流を見ながら、沢靴に履き替えです。)
この沢は基本足をぬらさないで、大部分は遡上していけますが、今回は水の中を極力進むようにします。地形的には、入渓してすぐに周囲の斜面が左右に近づいてくる形になり、ミニゴルジュ的な感じになっていきます。
大岩が転がっていたり、倒木が転がっていたりしますが、本日靴の濡れを気にする必要がないので、自由に水のなかを進みます。沢のよどみには藤のムラサキか青の花びらが浮いていて、美しいです。
遡上初めて35分か40分くらいで、沢の分岐。ここの真ん中の尾根を登るのが、前回やったこと。岩屋観音の尾根に合流する尾根です。今回は、ここを右でも左でもよかったのですが、右に行ってみます。右のほうが鳴虫山の最深部に行けると思ったからです。水量は左右とも同じくらいでした。
(真ん中の尾根末端と右俣の沢)
左サイドを見上げます。この沢、周囲はだいたいこんな感じで岩の斜面が迫ってきています。
途中、小滝をいくつか越えていきます。釜は時になな”のまたくらいの水深まできて、その深さまでは巻かずにトライ。2箇所?、ほどへそ以上まで水が来そうだったので、カメラ保護の為NG、巻きました。
これって、藤のハナの残骸? これはこの日この沢に絶えず浮いていました。鳴虫山で藤の花って、通常ルート歩いているだけだと、ちょっと印象にないです。
右俣沢を遡上して、途中の二股をまた右に入って、1時間40分くらい遡上して水量が少ない地点にきました。伏流になっているのか、ほとんど流れが消えかかりです。
入渓1時間50分くらいの地点、左サイドに大きな1枚岩のミニスラブのような岩壁が見えています。横40Mくらいあったでしょうか。鳴虫山にもこんな場所があるんだって、自分としては新発見です。
(大きな1枚岩壁を上部から見下ろします。)
水流も無くなるかと思えば、また増えてきたり。だいぶ上部に来て、岩に流れる小滝の斜面を登って、一機に高度を上げます。
入渓2時間ちょっと遡上して、遂に水流がなくなりました。だいぶ斜面も上に来た雰囲気が出てきています。周囲はどこを登ってもいいような傾斜が広がっています。左と正面に顕著な尾根末端が見えていたので、近い正面の尾根末端に取り付くことにします。
(取りついた、尾根末端 )
尾根末端に乗ります。密なヤブもなくいつもの鳴虫山のヤブ尾根って雰囲気が続きそうです。一安心して靴と靴下を履き替えて、少しパンを食べてゆっくりします。念のため、スズを一発鳴らしました。
(登る尾根は普通のヤブ尾根でした。あることを除いては。)
案外、いつも鳴虫山で見ているヤブ尾根と同じような雰囲気の尾根に乗れたので、安心して登って行きます。この尾根は岩屋観音の尾根かそのひとつ山頂よりの未知尾根の最上部に合流するのだろうと、予測しながら登っています。ふと、今居る尾根の上部25Mくらい先に動物の音を感じます。見上げると、黒いのでなんと熊さん。巨大ではないけど、コグマじゃない。ナマ熊とお会いするのは、西沢金山(金田峠歩き)以来か、日光白檜岳のほうが後か・・・。たぶん4度目。
この熊、下にいるなな”を見てもすぐに逃げない。一発写真をとって、それ以上は写真は撮れませんでした。熊はキョロと一回振り返って、その後こちらと目があって、一歩こちらにくるそぶりをしたように感じました。これはいかん、と威嚇しない程度の声を2声くらい発して、スズを鳴らしました。たぶんスズの高音が効いたのか、脱兎のごとく左サイドの斜面に駆け下りて行きましたが、ものすごい素早さでした。
鳴虫山に、熊がいるって、たまには入るだろうけど、ほとんど存在を意識していなかったです。今日、自分が歩いた尾根を人が入るのは、ほとんどないでしょうから、熊の領域に入ってしまったということか。それにしても人気の山の山頂のすぐ近くの地点なので、かなり意外な遭遇でした。
(かおが写ってないよー、って甥っ子に見せたら、左下が鼻のトンガリだよ。って言ってくれました、。よく見るとそんな感じです。結構毛並みのいい熊ちゃんでした。)
熊とお別れをして15分くらい急な登りをして、ヤマツツジの花がこぼれ落ちているピークに立つと、踏み跡があって、一般ルートでした。一般ルートのすぐ下に先ほどの黒いヤツはいたのですね。
(一般ルート)
上りたった地点から熊のいた尾根は、想定していた通り岩屋観音尾根のひとつ山頂よりの未知尾根でした。またひとつ、未知尾根をつぶしたことにもなりますが、かなりの自己満足系です。
山頂には、グループ2組、5人ほど先に食事休憩されていました。あまり時間も早いほうではないので、晴れていても眺望はぼんやりしたもの。それでも日光連山はなんとか見えてこの日初めての眺望です。下からグループが登ってきて、山頂は15人くらいの人で埋まりましたので、下山します。下りは神主山方面から、途中登ってくる人に何人か出会います。自分はヘルメット姿で、少々恥ずかしい。花もほぼ終わっている鳴虫山も、普通のハイキング目当てに来られる人はたくさんいるようです。
登りで沢と未知尾根をひとつ歩けたので、下りは何も考えずに一般ルートで下山。早く帰宅して、ラーメンでも食べて家の用事をしよう、って感じです。今日は、地形図は用意せずザックに入っていたのはエアリアマップの日光版だけ。結局、今日はそれも一度も見ずに、コンパスも一度くらいしか見なかったと思います。ただ、それはこの山がホーム的で、ほとんど地形を知り尽くしているから。今日歩いた沢は難度的には危険地帯なし。でも周囲の崖からの落石はありうる。上りの沢と未知尾根は登山道ではありませんし、熊もいることが判明です。
自分としては、沢を歩いて水浴びできて山頂まで達せられて満足ですが、今日の沢の途中で分岐の左俣や、入口で分岐の志戸淵川左俣沢もまだ歩いていないので、もっと暑くなったら行ってみようと思っています。 ■■
(登山口近くの神社 )
私は熊を見てもいつも写真は撮れずじまいで、写真撮れたのは今回初です。ノラさんは3回ですか? もっと多いのでは? 枯木山行った時も、唸られましたよね。(笑)
熊が少し向かってくる雰囲気があって、25mくらいの距離だったので、嫌な感じでした。不思議と恐怖心は沸かないです。大声出していいか判らなかったので、聞こえる程度の声と、スズで自分の存在を知らせたのです。
この時代にも、鳴虫山に熊が生息しているんですね。
写真を撮って声まで出すなんて、ななころびさんはすごいです。そして写真も良く撮れています。かなり近くに見えるんですけど・・・。
場所は山頂の南側かと想像していましたが、北東側なのですね。あのあたりを徘徊しているんでしょうね。鳴虫山に行く時には気をつけます。
写真は多少望遠して撮りましたので、それだけ落ちついていたんだと思います。
声を出さないと、近づいてきそうだったので、こちらの存在を強調しました。25mくらいは離れていたと思いますが、肉眼では目もしっかり見ました。
場所は、おっしゃるとおり山頂の北東側です。野球親爺さんもあの辺のバリルートを歩かれる際は、お気を付けください。
ななころびさんも,いよいよ沢歩きを本格化ですネ。
沢を歩けるようになると,今までと違ったルート取りも出来るから,バリの幅も広がるでしょう。
鳴虫山で熊ですか。それも中々,逃げてくれないとは。
まぁ,自分は奥山より里山の方が,熊の生息数は多いとは思っているし,最近は現代っ子熊が出没しているから厄介ですネ。
ちなみに,週末は足尾でも熊の巣窟と言われる場所に行ったのですが,案の定,熊に会えない体質故,気配さえ感じませんでしたヨ(笑)。
塩原の弥太郎山で遭ったときと状況似ているかもです。鈴を鳴らして歩いておりましたが、気づいたのかなんなのか、動きが鈍かったですね。自分もしっかり写真を撮れたのはその時だけでした。そのような状況で至近で居ると不思議な感覚ですよね。それでも↑瀑泉さんが行けば、熊さんもおちおち寝てられないのかな?(笑)
沢本格化って言っても、あの沢は沢足袋さえ履いていれば誰でも遡上できる沢なので・・・。
沢を遡上できれば、取り付けるバリの尾根の幅は確かに広がりました。そのおかげで熊と遭遇でしたが。
熊にも現代っ子みたいのが、いるのですか? セオリーに反して、スズの音で逃げないようなチャレンジ熊公がいたら、厄介ですね。
熊に会えない体質のほうが、いいですよ。熊の巣窟ですか、後でブログに寄らせてもらいます。
自分の観た熊は、何か下をみて餌を探していたような雰囲気でした。起こしてしまったのかな。人を見てもすぐには、ピンと来ない感じでした。
近くにいても、襲っても逃げもしないのって、ある意味お互い自然に同化していたってことでしょうか?
瀑泉さんは、熊を追い払ってしまうエネルギーを持っているんでしょうかね。
ちょっと遅コメになってしまいました~💦
沢ですか~(´艸`*)涼し気でいいですね~✨お水もキレイで、お水に浮かんだ藤?の花がかわいいです♪麓の沢のルーツをたどる、なんか沢ってロマンがありますね~(≧▽≦)✨
そして、まさかの熊遭遇!!!!(ー_ー)!!ご無事で何より!!!!✨きゃ~、自分、絶対冷静じゃいられない!!!💦
ななさんは、たくさん鳴虫山を歩かれていると思いますが、それでもまだまだたくさんの発見があって、山ってやっぱり大きくて、人間ってちっぽけなんですね~♪
鳴虫山で藤ってあまり印象にないのですが、沢沿いの急斜面を好むのですかね。たくさん花が浮いていて、時期が時期なら綺麗だったのかなって思いました。
いつもは沢から、適当な未知尾根に取り付くのですが、今回は源流まで行ってみました。
数年前の秋にAさんと登った尾根と、下った尾根の、ちょうど真ん中のあたりの沢です。
鳴虫山で熊見るとはね、一生ないと思ってました(笑)。あちらも、未知生物の人間は怖いので、冷静にこちらの存在をそっと知らせてやれば、熊遭遇も大丈夫ですよ。
今回もスラブ岩のような大岩を新発見ですが、これだけあちこち歩いていても、まだ未知の部分は多いです。確かに山は大きく個人は極小ですね。