日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

白根隠への南西尾根は予想外に達成感一発の急登尾根だった 白根隠山/前白根/五色山

2013-08-06 22:12:10 | 山行

入山日 2013年8月4日 (日) (曇(晴))   
4日は白根隠山に南西尾根から登ってきました。つい1週間前、群馬のハイトス先輩が歩かれたばかりの尾根ですが、昨年からぶなじろうさん、ついでノラさんのレポを見て、密かに歩いてみたかった尾根です。つい1年ちょっと前までは一般ルート歩きのみのハイカーだったなな”としては、白根山周辺の高度のある山にヤブ尾根などをつめて登ってもいいものかと思った尾根でもありました。そんなわけで、小田代ケ原から白根隠山に直登するこの尾根を歩きとおすのは、自分にとっては貴重な意味合いを持つ歩きになります。ちょっと久しぶりに、大好きな白根山を至近距離から見ることができたでしょうか。
(歩き始めは小田代ケ原のバスを降りたこの場所から・・・。5時発のバスの乗客は自分を入れて3人のみだった。 5:15)




弓張峠ヘアピンの先から入る遊歩道を数分歩いて、白根隠/南西尾根末端に取り付く。取り付き直後は通常そうであるように、急登での始まり。数分の登攀でやっとやや傾斜がゆるくなる。(P ↓)


TIME : 小田代ケ原BS 5:15  ヤブ入り 5:32  2268.3P三角点 8:37  白根隠山 9:24-9:36  前白根山 10:26  五色山 10:57-11:10  湯元BS 13:10

今日は、朝5時、赤沼初の低公害バスに乗ったのだが、赤沼駐車場での出来事からして、いかしていた。4:35ころ赤沼駐車場の中ほどに車を停め、靴など履き替えて出発準備。スバルのキーを閉めて歩き出すと、1台分空きの隣の車から、なな”さん! との呼びかけのお声。思わず振り返ると見覚えのない車。ドアが開いて中から呼ばれているようだ。私をなな”と呼ぶのは・・・ その筋のかたしかありえない???。車の中にはなんと、ヤブ歩きの師匠たそがれさんのお姿。いつものように、ニコニコされている。
実はこの週末は柳沢林道方面の沢歩きを、たそがれファミリーとして誘われていた。なな”は3日は会社、皆さんは3日に歩きたそうだったので、自分は今回は辞退させてもらった形。あれれ、4日に延期になったんだー。すぐ隣に停めるなんてやっぱり何かの縁があるのだろう。みー猫さんも、この駐車場のどこかで仮眠中らしい。
「どこ、行くの?」と聞かれ、白根隠への南西尾根と答えると、「それでも、いいんだよなー。」などと、言われている。たそがれさんお一人であれば、計画変更をその場でしそうな雰囲気だった。たそがれさんはバス乗り場まで来てくれた。昨夜からこの場所で車中で寝ていたらしい、夜間寒くてまいったと言われていたが8月の夜で寒いとは・・・変な天候。バス出発間際にはみー猫さんまで呼んできてくれて、みー猫さんとも4月以来の再会で、二言三言のみのドア越しの会話を・・・。豪華なお二人に見送られての出発となった。

(1567m付近、急登がいったん終わり、平坦地をしばらく歩く地点。このあたりで大きく方向を北よりに変換した地点。)


1567m付近で大きく方向を西方向から北方向に進路転換。尾根も広く落ち着いて考えないと、居場所がわからなくなりそう。少し不明瞭な歩きになり、少し不安感が出てくる。この尾根、時々テープの類の目印はある。藪っぽい箇所も少々あるが、(P ↓)都度巻きはできるし、少々のヤブは突破するもなんてことはない、優良ヤブ。腕に傷ができることはこの日終始無かった。


やっと、不明瞭な進行が終わったと思ったら、今度は明瞭な尾根型を進むもかなり急な斜面。6:22 (P ↓)



尾根取り付きから1時間もすると、曇り空主体ながら日差しも照りつけてきて進路右にはあの湖上山の尾根が樹林の間に見えてきた。




小枝の樹木が林立する林を進む局面を数分。体ひとつすり抜けられるくらいのスペースをジグザグに縫うように進む。於呂具羅山/北東尾根みたい。




1702m手前から2193Pまでのかなりの行程は、大部分がかなりの急登、(P ↓) そして一部猛烈な急登もあった。 木の枝、張り出した根、岩などにつかまりながらよじ登る。参考にさせてもらった記事レポなどでは、ここの尾根の急登については、皆さんあまり触れられていなかったので、歩いてみて少々意外な気がした。よくよく地形図を見ると、通常歩く地形などよりかなり密度のつまった等高線が表示されていて、なるほどと思ったものだ。 急登ですでにシャツはぐっしょり、昨日わけあって晩飯はカップめん1個。今日はスタミナに不安を持っての歩きだ。



通常急登歩きに寛容ななな”もこれには、かなり難渋する。急な箇所はわずかではなく、1時間2時間単位で続いているように感じた。(急登箇所の上部 (P ↓)、木々に大木がめだつようになってきた。)


2193m付近の平坦地状を進む局面。この辺でやっと一息つける。



この辺りで進路左の尾根から、右の尾根に移る。二重山稜の始まりのような地点。 8:34



三角点2268.3mは、平坦地状のなだらかなピーク。 8:37



三角点付近からは前白根山方面の稜線が見えてきた。やっとビッグゲームをやっているような気持ちが湧きあがってくる。三角点から先の尾根センターはシャクナゲヤブが濃い地点がある。少し考えて左に巻くと、都合よく獣道がいいように導いてくれた。



しばらく混沌としたヤブを巻いたり、薄っすら踏跡ありを追って突破したりしながらなだらかな尾根道をすすむと前方に開けた笹斜面の急斜面。その上部に岩稜帯がそびえていた。(P ↓)



岩稜帯を登って行くと、あとちょっとで最上部に達する場所でその先がシャクナゲヤブが密そうな雰囲気を察する。(P ↓) なんとなくセンターは行きずらそう、かといって右も左も巻くのに適した状態ではなかった。せっかく登った笹と岩の急斜面を20mくらい後戻りし、安全平坦地点まで下り、右側から巻いて行く方法に作戦変更。右に巻いた斜面は笹意外のヤブはおとなしく数分、すんなりとゆるやかに登っていくことができた。



岩の急斜面を巻いている地点から尾根上を見上げる。(P ↓)




なんとなく稜線の最上部がかなり近くなってきていることがわかる景色になる。振り返ると、今歩いてきた尾根と東隣に並行して走る湖上山/外山の尾根が見え、その向こう下方には見えるのは戦場ヶ原か小田代ケ原か。




稜線直下で咲いていたお花。


9:24 白根隠山山頂到達。 2420mを超える標高にまさか、ルート無し尾根で登るようになるとは、初めてこの隠山にyさんと来た約2年前には考えもしなかったな。 
今日登った尾根、中盤過ぎまでは急登の連続、その後、緩やかな稜線歩きの尾根コース。眺望や変化には乏しいような気がしたが、なにより歩き通せたと実感できるなかなか手ごわくもある尾根で、今は爽快な気分。



懐かしの白桧、錫への稜線。(P ↓) 昨年夏休み最終日、深夜2時台に菅沼を出発して歩いたことを思い出す。
あの時は白桧岳にくぼ地から直登したのだった。あの日は朝、ガスが濃く目指す錫ケ岳がはっきり見えなかった。今日は多少雲がかかっているが、山容はよく見えている。この稜線にはやはり特別の思いがある。


山頂は白根山方面からの風が強く、風の来ない斜面に少し降りて簡単な食事。ここからは、前白根、五色山を踏んで湯元に降りる当初の計画通り、進むことにした。
(前白根山、五色山に続く稜線は、おおらかで爽快というような言葉が似合う。)




稜線にはいろいろなお花が咲き誇るが、中でもハクサンフウロはあちこち咲いていた。
自分のカメラ、至近距離でお花を撮ると、色が出ないことがある。この花はかなり鮮やかな紫ピンクだった。雰囲気だけ感じ取ってください。なんであのカメラこうなっちゃうんでしょうね?みー猫さん、今度会った時教えてください。



この日初めて見えた五色沼。その上が五色山。



なな”はわけ有って、9月にこの白根山を含む白根周辺山を周遊するグループ登山の予定がほぼ決定している。その時に一緒に歩くまだ白根山未踏の友だちに、この写真をプレゼント・・・



前白根直下にこの花の群落があった。


避難小屋への分岐から前白根への稜線に入ると、何人かのハイカーさんとすれ違う。やはり人気山だな。前白根直下からは登ってきた白根隠山の南西尾根がよく見えた。(P ↓) 途中から急にストンと落ちている。あの先があの長い長い急登地点だったのだろう。何で、今日は急登が強く印象に残ったのかな、体調のせいか。気持ちが多少萎えていたのか・・・


前白根は去年7月以来の再訪、前回は外山に直登したついでに来た。今日は誰もいない静けさだった。



私の大好きなコマクサ、この山域はこの濃い色の花が目立つ。この色の花を見るのは2年ぶり以上・・・。 前白根山直下、北側斜面で咲いていた。


(隠山(左)から続く前白根山までの稜線、 右のビッグは白根山の裾野)



(五色山まであと少し、景色のいいところでところどころ登山者が食事中。 )


五色山直下から見た白根山、五色沼。




五色山直下から見た温泉ケ岳、根名草山周辺、その右は高薙山周辺??)


五色山からの中曽根尾根は国境平以降がかなり荒れている。笹薮が濃いのは別にいいが、登山道がえぐれていて、1Mを超えるような段差が頻発する。枝やら笹やら根をつかんで、ジャンプして降りる有様。降り立ったえぐれルートもぬかるんでいて、怖いことこの上ない。一般ルートはもう少し整備が入ってもいいんじゃないの? ヤブルートの隠山南西尾根のほうが歩きやすかったよ。



湯元の温泉地のはずれの林道に降り立って、(P ↓) 途中の小川でタオルをぬらし、顔、体を拭う。湯元バス停まで数分歩いて、この日の歩きは終了。
朝お会いしたたそがれさんの車は赤沼にまだ残っていた。今日はたそがれさん、みー猫さんと激戦かな。 すぐ近くを歩いたお仲間や、北の大地を遠征中の先輩のことなどを考えながらの帰りのドライブとなった。 ■■





最新の画像もっと見る

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ホワイトバランス (みー猫)
2013-08-07 02:13:26
こんばんわ。
快適そうな尾根ですが、きつそうですね。ハイトスさんのレポではカットされていた??貴重な情報ありがとうございました。帰り道に通過しようかなともくろんでいたのですが、個別訪問にしておいたほうが良さそうです。ところで、白く写るのは自分のも同じと思います。たぶん、ホワイトバランスの補正が頭とカメラで違うのが原因のようです。今度色々試してみようかなと思いました。良いヒントありがとうございます。流石早いご帰還だったようですね。お疲れ様でした。
返信する
ニアミスでした (烏ケ森の住人)
2013-08-07 05:08:07
おはようございます。
白根隠山は30分遅れで、窪地から登りました。白根山頂でガス切れを待っていなければ白根隠山でお目にかかれたかも、残念です。休日に山に行くのは稀ですから、なかなかチャンスはないかもしれません。でもいつかはきっとお会いできると信じています。
白根隠山南東尾根には03年9月に登りました。この頃は、ネットで調べてもヒットしませんでしたが、今では一般ルートに近づきましたね。この尾根筋は藪がないので、白錫尾根を縦走後に悪路の外山ルートや中曽根ルートで下りるよりも楽かもしれません(低公害バスに間に合えば絶対ですね)。
返信する
いいお歩きを (たそがれオヤジ)
2013-08-07 08:36:27
おはようございます。
いいお歩きをされたようですね。身体が2つあれば、一つはななさん同行に分けたのに。
適度なヤブもあって、いい感じがします。みー猫さんではないですが、他の方々の記事を拝見すると、さほどのキツサを感じなかったのですが、やはりそうでしょう。等高線を見る限り、そんなわけがないと思っていましたよ。
白根隠の南東側、まったくの未踏です。他人様の記事だけで楽しみ、ななさん記事でもさらに関心が高まりました。
いよいよ行かないとなと思ったら、一気に暑くなってしまいましたね。紅葉までお預けかなぁ。
返信する
花の撮り方は難しい (雪田爺)
2013-08-07 16:08:24
こんにちは、相変わらずきばった歩き方をしてますね~
駐車場でのバッタリ.又、僅かな時間差で烏ケ森さんとのニアミス.その筋の皆さん達、どこか惹かれあっているのかも知れません.
白根隠山は錫へ行った時通りましたが、良い所でした.
ただ、道中の途中だったのでゆっくり出来なかったのを心残りにしています.

花の撮影ですが、曇りの時は良く色が出ると思います.晴れで光が強い時は白く(白に近く)なって撮影されます.
今のカメラはコンデジでも昔のカメラとは比較にならない位、測光性能が上ですね.
その測光方法云々は理屈に弱い私では説明出来ませんが、私のデジタルカメラはいわゆるコンパクトデジタルでして、記録方法は JPEG のみ.
そこで、いつもグレーの用紙を持ち歩いています.花を撮影する時、花の側に紙を置きそちらで距離と測光をしてから花を撮影します.(面倒臭いのでたまにしかやりませんが)
グレーの紙が無い時は、近くの石、岩、葉っぱなどをまず距離と測光を合わせ半押しのまま花に向け直し撮ります.(概ねはこっちの方法)
測光の為向けた被写体(岩とか葉っぱとか)が花より黒ければ花はより明るく(白っぽく)、花より白ければより濃く撮れる事になります.ま、カメラで露出補正を”-”にして撮れば良いんですけど、元に戻すのを忘れてその後も撮り続けて悲惨~て事に(笑) プレビューでも簡単に確認できるから、デジカメは便利です.
デジ一だともっと色々出来るんでしょうが、私の安物コンデジでやろうとするとこれ位ですかね.
済みません、としょりの戯言と読み流して下さい.
返信する
南西尾根は急登ですね (ノラ)
2013-08-07 21:41:25
ななころびさん こんばんは。ななころびさんが歩かれた日は私が歩いた日より天気が良く緑も濃いのでずっと歩きがいがあったのではと推測します。あの長い暗かった急登は今度行くときは考え物と書いてますのでやはり相当堪えた登りだったはずと思います。相棒がもしいれば相当に印象は違うと思いますが。ななころびさんの写真で見ると五色沼の遠望がいいですね。私のだと半分ガスがかかってくすんでますので。それに白根隠しから稜線歩きもオタカラコウ,キオン,マルバタケブキ,ハクサンフウロと花が多くいいですね。今度のお盆休みはツメタ沢を考えてますので又見れるかな。
返信する
みー猫さん (ななころび)
2013-08-07 21:50:59
こんばんは。お仕事忙しそうですね。早めに休んでください。
この尾根の急登の連続はちょっとこの辺の山ではないものだと感じました。単に自分の調子が悪かったので、特にそう思ったのかもしれませんが。
でも距離が長く、5時間もかかる尾根より、歩く上では、気は楽のような気もします。
カメラの件は、自分はまだまだ、勉強が必要のようです。みー猫さんのブログは花の接写も綺麗ですよね。私のカメラ、どうも接写が苦手なのです。雪田爺”さんが花撮影についてのコメをくれましたので、いろいろ試してみようと思います。
返信する
烏ケ森の住人”さん (ななころび)
2013-08-07 22:33:26
おはようございます。コメントありがとうございます。
30分のニアミスですが、自分としては非常に残念な思いです。山頂で写真を撮りながら、窪地方面を見おろしてみたりしましたが、その時は人影は見えずでした。いつか、お会いできることを楽しみにしております。
白根隠山南東尾根はエスケープにも使えますね、1本尾根ですし。下部の1587M付近の方向転換だけ要注意でしょうか。
窪地の不動明王像は今回の烏ケ森さんの記事を見るまで知りませんでした。次回は見に行ってみようと思います。
返信する
たそがれオヤジさん (ななころび)
2013-08-07 23:10:56
おはようございます。
あの尾根は結構、急でしたねー。久しぶりに三大急登などという、言葉が脳裏によぎりました。
今のところ、この尾根は、自分にとって栃木三大急登です。
ノラさんは近々、ツメタ沢ですって。沢に最近はまっているたそがれさんも、どうですか? 美弥古滝あたりまで遡上して、滝あたりから右岸尾根歩きなんでしょうか。なんの前情報無しで勝手に推測してます。
あと、お互い、湖上山,外山もやらなくてはいけませんね。こちらのほうは、ヤブとの戦いみたいですが・・・
返信する
雪田爺"さん (ななころび)
2013-08-07 23:21:24
こんにちは。
この手のかたがた、考えていることが似通っているのか、ニアミス、気づかずすれ違い、ばったりと非常に多いです。たそがれさんに至っては、気づかず隣に駐車が2回めです。(笑)

花の撮影については、非常に詳細に渡っての説明、本当に感謝いたします。
特にグレーの用紙をしようすること、他の測光の方法。測光の対象物による写りかたの違いなど、非常に参考になりました。
撮影を実際やってみて、勉強してみたくなりました。次回の山はまたひとつ、異なるテーマができた感じです。
返信する
ノラさん (ななころび)
2013-08-07 23:31:24
こんにちは。
確かに、結構こたえる尾根でした。あれが、もう少し長い尾根ですと確実に嫌になりますね、今回は嫌”になる前に山頂につけて幸いでした。
これで、山頂付近の眺望が、もっと青空いっぱいでしたら、最高の山行になったのですが。
さすが、高所の稜線。ほどほどにお花も咲いておりました。
ツメタ沢遡上ですか、烏ケ森さんの所で呼んだような気がします。あとで、ちょっと研究してみようと思います。
返信する

コメントを投稿