
入山日 2013年3月3日 (晴,曇り/強風) 単独 (見出し写真: 備前楯山山頂から、袈裟丸山、庚申山方面)
3日は足尾/備前楯山を歩いてきました。2日に比べ風が弱まるはずでしたがこの日も北西方面からの風がかなり強かったです。意外にもこのブログを始めてから初の備前楯山でもあります。コースはなんと備前楯山では初のバリエーションルート。以前から歩いてみたかった南尾根から登り、山頂を経由後、1132P地点を通過する南西尾根を下る計画です。この日の主な目標は、南尾根の三角点852.8Pと1114.6Pを見ること。 長い南尾根を辿り山頂に至ること。(南尾根、初歩き) 備前楯山頂からの眺望を見ること。 南西尾根の初歩き。 LDL-Cコレステロール減らしなどです。(予/報告編より)
コース: R122から銀山平方面へ入ってすぐのカーブ脇 7:40 三角点852.8P 8:25 三角点1114.6P 9:38 備前楯山山頂 11:26-52 車道出会い 13:30 スタート地点へ 14:16
スタート地点は南尾根のまさに末端、(写真下)猛烈な樹林の中の急斜面をジグザグに登りつめる。4,5分で一息つける普通の尾根状に乗ることができた。
昨日の北日本の気象状況は大荒れ.北海道ではホワイトアウトによる生活圏の平地/市街地での遭難、死者もでているようだ。どうりで昨日の高平山も強風が吹き荒れていたはずだ。今日も風は強い予報、ちょっと気が重いが気をつけて進もう。
斜面取りつき後の猛烈な急登を4,5分こなすと、感じのよい尾根上に立つことができた。この尾根、障害のヤブは中盤まではほとんど無し、無茶な急登地点もほとんど無い。予想していたよりかなり開放的で明るい尾根で、新緑や紅葉時には素晴らしい景観になるのではないか。(写真下)
更に進むと、なおいい感じの尾根になってくる。(写真下) ひたすら北方向に向かって緩やかに登っていく。
歩き始めて約45分で最初のポイント、三角点852.8Pに到着する。(写真下)静かで開放的小ピーク、ここでフリースウエアを1枚脱ぐ、着ていると登りで消費するエネルギーで暑くなりたまらない。脱ぐと北からの強風で少し寒い感じ。歩き始めると寒くなくなる。ここからは、少し進路を西におれ、一時北西方面に進む。この辺りから雪が尾根上にあらわれ始めるが、大した積雪ではない。小枝のヤブの通過も出てくるけれど、これも苦になるほどではない。
三角点852.8Pを過ぎもう一段登りつめて、一旦下る。下り斜面で岩の露出した急斜面は歩行するのに結構怖い。アイゼンをまだ装着しなかったので、山頂までこのようなポイントでは数回慎重下りを強いられる。
852.8Pから約45分の地点からの向かう尾根方面、1030Pや1114.6Pに連なる尾根が見えているのだろう。(写真下)
このコース、時おりこのような古い産業遺構が出てくる。これは近くで見るとかなり大きい。大きなものを運ぶリフトに使用したのだろうか。(写真下)このあたり、進路右(東方向)にはかなり広い鞍部というか平場のような地形が広がっている。かつて鉱山で使用したナニモノかではないだろうか。今の時期は積雪で真っ白、様子が推測しずらい状況だった。
852.8P三角点から約1時間15分で1114.6P三角点に到達。東西は共にやせたようなピークで、周囲に木々がすくないので積雪の量が多い。三角点らしき標石を雪から少しかき出すが二つあり字もよく判らなかったので、ここでは2つとも掲載。(写真下)相変わらず、風が強く寒い。雪上には鹿の足跡のみ、ここまで人のトレースは無い。歩き始めて約2時間は経つので、この辺で結構なボリュームを感じる。
1114.6Pの後緩やかに登りつつも小ヒピークをいくつか乗り降りして進んでいく。(写真下)
コース上、また大きな遺構が出現した。大きなコンクリの土台のようなもの。(写真下) 誰かが書いていたがこの山全体がかつての鉱山の遺物のテーマパークのようなものなのかも・・・この尾根の東斜面を下れば、もっといろいろなものが有るのだろう。
途中食事の小休止をはさんで1114.6Pから約40分、岩場の低潅木の茂るような尾根道になってきた。(写真下) 登りは多少急だが、岩や枝を掴み、難なく登っていける。小枝のヤブが少しうるさくなってきた。体やザックにバシバシあたりやもすると折れてしまったりする。都度すまんすまんとつぶやきながら歩を進める。
振り返るとさっきまで歩いていた尾根やピークが望め、気分がよい。(写真下)
小枝ヤブの多少うるさい急斜面を登る。 (写真下) 枝先にはつぼみが出てきていて、茶やオレンジが結構目立つ。風は強く冷たいが、春は着実に近づいている。風が和いだ瞬間は春の雰囲気を一瞬感じられる。
進路左、西方面はやその先に袈裟丸山連峰の姿が、雲がもう少し少なければなあと思う。(写真下) それらの山々は自分にとって宿題の山、まだまだ楽しみがたくさん残っている。このあたりで久しぶりに聞く発砲音、かなり遠くのようだが、舟石峠あたりだろうか。かなり連発して聞こえてくる。これは仕留めたな、そういえばここまでの道中、鹿の姿を見たのは一度。警戒する鳴声は数回聞こえていた。
備前楯山山頂が見えてきた。(写真下)
山頂目前の尾根道、手前は山頂か、そのひとつ手前のピーク。ここら辺でも前方かなり遠くで断続的に発砲音が聞こえてくる。(写真下) 雪は少ないながら、尾根道をほぼ覆っている。
歩き始めてから3時間45分、山頂到着。結構かかったな、備前楯山ではないみたい。舟石峠からなら、ばかみたいにすぐ着いてしまう山頂だ。山頂には赤いダウンを着た単独のおにいさんがお一人。(この日山中で出会った人はこのかたお一人だけ) 座ってくつろいでいらして、気分よく多少アルコールを飲まれていたらしい。フレンドリーなかたで一緒に山のお話などをする。先ほどまで富士山が見えていたそうで、わざわざ見える場所まで歩いていって教えてくれたが、その時点で富士山はもう見えなかった。
このかた、埼玉方面からのようで、先週もこの山に来たと言っていた。先週は今より雪が多く、見える景色も白主体だったそう。この山に2週連続とは、かなり熱が入っている。最近つりから転向?したらしくまだ山が面白くてたまらない状態なのだろう。ヤブ転向直後で夢中で歩いている自分と似ているのかも。どこから来たのか聞かれ、南尾根末端と伝えると、興味を持たれて話を聞いてくれていたりもした。このかた、結構マニアックも行っていて、和名倉山に秩父方面からとかそれも複数回行かれていたりでこれからもかなりいろいろ歩かれることを予感した。
(薬師岳方面、ここら辺も自分には未踏の地。結構立派な山容、帰りの車からも格好よく見えた。今度行かなければ・・・)
富士は見えずとも、周囲、北を中心に広がる景色は果てしない。多少雲が多めなのが残念だが、足尾、日光の山々が一望できた。あの社山(左)と半月山を従える男体山の図 (写真下)。社山に南から登っていくあの2つの長大な尾根が確認できる。
(備前楯山の三角点? なんでこんなに面がとれているのだろう。)
目をつぶってしまったので、こんな感じに利用。黄色のウェアはハンターさん対策、日常の趣味じゃありません。
埼玉単独さんとは山頂でお別れ、彼はもう2時間以上も山頂居たらしい。また、どこかでお会いしましょうと別れる。山頂から来た道を少し戻り、一般道へ、一般を数分下り、南西尾根に分岐するポイントを探さなければいけない。下り始めはその分岐を探しながらの慎重歩き。分岐はすぐわかった。いつも歩いていた道標のあるポイント、ここだったのかという感じ。。一般ルートは尾根をはずれ斜面を下り、めざす南西尾根は尾根をそのまま直進する形だった。南西尾根はたそがれオヤジさんも歩かれているので、下まで行けないことはないとは思ったが、気持ちの悪いのは車道降り立ちの直前あたり。尾根を少し間違って下れば、急峻な崖上にでたり、巨大な擁壁の上にでたりで車道直前で右往左往してわなわな状態になりかねないと予測した。南西尾根を最後まで忠実に下れば何とか変な擁壁や崖を避けて、車道に降りられると思った。
南西尾根もいたって感じのよい尾根道、ヤブはなく、急傾斜もほぼ無し。小ピークをいくつか超えていくルート。(写真下) 登りで使うのもいいかもね。下りの場合、たそがれさんも書いていたが、途中細かい分岐がいくつかあり都度コンパス、地形図で要検討。気をつければ、そんなに難しくはないと思った。
南西尾根途中に眺望のいいポイントがあった、コーヒーで一服する。 (写真下)ななころびの大好きな庚申山方面、足尾の山といえばこの山しか登っていない時期があったな。
下りの南西尾根は最後の最後まで気持ちのよい尾根道が続く。(写真下)
車道ぎりぎりまで尾根型が続くが、尾根末端は急な崖状なのを悟った為、進路右にトラバース。少し林道残骸のような所を歩き、植樹している斜面を横切り車道に降りようと試みるも、どこも3m程度の垂直の石垣の壁状。飛び降りるのには少々厳しいしクライミングの要領で下るにも足場がなさ過ぎる垂直壁。少し尾根末端近くまで歩いてみると石垣壁が多少寝ていて足を置ける感じになっていたので、そこを利用して慎重に車道に降り立った。
(降りた車道から見た先ほど歩いていた尾根方面、あのピークは1114.6Pかな)
あとは、車道を4,50分歩けば、自分の車に戻れる、のんびりムードが漂う。ここに来て風も来なくなり、春の雰囲気。見事な色を表しながら流れている庚申川を見ながら車道を緩やかに下る。 この車道を歩くのは今回初めて、いつもは銀山平までの車移動でほんの数分で走り抜ける地点だ。歩いてみるとなんと見る場所が多いのかと思わせられる。なんでもないものばかりなのだが、歩いてみないとわからないものは確実にある。 備前楯/初のバリルート二つ(登り/下り)はボリューム感あり、ルーファン多少ありで大満足。このルート時期を変えても楽しめそうだし、今日のルート逆もありかもしれない。備前楯山はまだまだバリルート、複数有りなので今後も自分の主要テーマ山になりそう。昨日の高平山も予想を大きく上回る充実感だったが、この2日間よく歩いたな。今日のこの周回、昨日の高平山の周回と面白さで互角/引き分けといったところだろうか。 (* 訳あって、高平山レポと発表順が逆になります。) ■■
(春を待つ庚申川)
(銅山最盛期の遺構だろうか、今となっては何の意味もなさない石垣。西沢金山跡を思い出した。)
(庚申ダムは一部凍結していた。凍っていない部分の水はエメラルドグリーン)
(足尾のこの辺は廃墟も多い。往時はどんな人々の営みがあったのだろうか)
記事アップを楽しみにしております。さて、1132m経由ですと、南東ではなく南西尾根ですよね。
例の西尾根は歩かれなかったようですね。
私にとって備前楯山といえば、たそがれさん/ハイトスさんですが、今回はおふたかたの過去記事を大いに参考にさせていただきました。下山路はご指摘の通り南西尾根の間違いです、本編までに訂正します。
今週、私は事情により忙しく、レポ作成もがんばらねばなりません。
読後感ありのレポートでした。微に入り細に入りですね。
備前楯の手前ピークは備後楯ですね。以前は山名板もありましたけど、今はもうないはずです。その手前にも南備後楯というのがあるらしいですが、これはちょっとどのピークなのか、私にも不明です。
下りのルートは、歩く方はまずいませんが、ツツジのきれいなところのようです。
舟石峠から登ると、確かにあっさりと歩けますけど、こんなルート取りもおもしろいですよね。
しかし、雪がないですね。何年か前、通常ルートで歩いて、深雪に悩まされたことがあったのですが。
いい写真あのますね。「お元気そうで」といった感じですが。
たそがれさん・ハイトスさんのおかげでまた楽しい尾根を歩けました。この趣向を極めようとすると楽しさは際限ないです。
備後楯というのは聞いたことが有ります。備前楯山というのは、昔備前から来た二人組が何かを発見してその名がついたらしいので、備前楯の後ろで備後楯というのは、ちょっと変ですよね。ネーミングの仕方として、山名板は気づきませんでした。奥備前楯山とか、うしろ備前楯とかのがいいような気がします。
往路復路とも気に入ったので、つつじの頃も行ってみたい気がしてます。でも備前楯ならもっと別コースを歩かなければいけませんね。
確かに雪は少なかったです、今週末はもっと減るんじゃないでしょうか。
お疲れ様でした。往路で一旦がくんと下るポイント、秋に自分が訪れたときよりも、きっと厳しかったんでしょうね。備前楯は船石峠から行ったことが無いのですが、復路の尾根は良さそうです。眺望のいいポイントの写真、左側が象山なんでしょうか?索道が通っていた穴が見えなくもないような・・・もっと雪があるのでは・・・に同感ですが、のほうはいかがでしたでしょうか?やはりツツジの頃が良さそうですかね。
あそこを4,5分で登り切ったとは驚きです。
さぞかし初っ端から息があがったことでしょう。
いよいよ備前楯に入り込みましたね。(笑)
ごゆるりとお楽しみくださいな。
ななさんの言われるとおり備後楯のネーミングは??ですね。
自分は全く違和感なくうけいれておりましたが。(笑)
1114.6P以降に往路で一旦がくんと下るポイントより1114.6P前の小ピークからのちょっとした下りが2回くらいいやらしく、超慎重歩きを強いられました。
あれが象山なのですか、確かに急峻で目立つ姿です。車道に向けて降りられそうな尾根も確認できますね。
当日、をリアルで初めて意識してみました。備前楯方面から見るへの尾根はなだらかでどこまでも歩いていけそうに感じました。しかし、実際に入れば、結構雪も多く、傾斜もそれなりにきつかったりするのでしょうけど。6,7日の暖かさで雪もかなり減るんじゃないでしょうか。
皆さんの記事を見て、おおよその見当はついていましたが、備前楯は山中にいろいろな産業遺構もあり、山自体も面白く、眺望も良いし、これからコースを変えつついろいろ歩いてみたいと思っています。
自分はも二子も袈裟丸もまだなので、(なぜか庚申から皇海は行っている)足尾方面はこれから開拓といったところです。