スウェディッシュラリーがスタートしてますがペターはいきなり左リアのドライブシャフトを破損して大きく出遅れてます。さて、個の記事では開幕戦のラリー・モンテカルロでデビューしたインプレッサWRC2006が2005とどこが変わったのか。ちょっと考えてみたいと思います。
例年ならば、第3戦目のラリー・メキシコで新車登場というのがインプレッサのトレンドだったのですが、今年は、レギュレーション対応の為、前倒しで投入となったようです。
2006年の新レギュレーション対応ですが、前後のデフの電子制御の実質禁止、筒内ウォーターインジェクションの禁止、ロールゲージの大径化など、電子制御の制限によるコストダウンと安全対策の強化が主な変更点です。
私の仕事は流体屋なので、空力について考えてみたいと思います。
まず、フロントセクションですが、デザインは現行の市販車(GDのF型)と同じスプレッドウィングになりました。見た目の印象はぐっと精悍な感じになり私的には好きですね。
このスプレッドウィングの3分割グリルですが向かって左しか開いてません。これはエンジンの吸気用で後の2つは完全に塞がれてます。2004,2005モデルではインタークーラーの横に小さいダクトがありそこから吸気ダクトが設置されていましたが、今回は真正面に入り口が向いたことで、高速域ではラム圧もかかり、より一層多
くの空気をエンジンに供給できるようになるかと思います。吸気ダクトに関しても、インタークーラーを若干オフセットして比較的ストレートに通していることから吸気をスムーズにしようという設計思想が見えます。いままで右側にあったオイルクーラーの冷却用ダクトは、廃止されました。水冷だけなったのでしょうか?向かって右のフォグランプカバー部にはギアボックス冷却用のダクトが設置されています、こちらも正面を向いていますので面積は小さくとも十分な吸気圧を得られると思います。
バンパー部のラジエターとインタークーラーですが2004と2005のVマウントは廃止ですね。今まではフロントグリルとバンパーの開口部を横断してラジエターとインタークーラーがワニの口のように設置されていたのですが、2006ではバンパーの開口部のみに改められ、さらに、スプリッターが設けられて完全に流路が分割されているとのことです。2004モデルではウォータースプラッシュでこのVマウントに大量の水が入り込み逃げ場を失った水がエンジンのインテークダクトを破損してしまったのですが、2006モデルでは、インテーク、インタークーラー、ラジエターがそれぞれ分割されてますので、ウォータースプラッシュも大丈夫でしょう。
ラジエターは従来同様に有効面積を増加させるため湾曲しておりさらに寝かせて設置されてます。こちらの排気はバンパーサイドのダクトから排され、バンパーサイドの流れが、タイヤハウス部分で乱れるのを抑えていると考えられます。2005年モデルでウォータースプラッシュ対策として鋸上の構造物がラジエター上に設置されていましたがモンテ仕様では見当たりません。ウォータースプラッシュのあるラリーでは設置されるかもしれません。
インタークーラーは完全に上方へ向きました。設置は前述したようにエアインテークをまっすぐに通すためにセンターから若干オフセットされています。裏側には冷却効率をアップさせるためのファンがボディーセンターに設置されました。今まではVマウントにより十分なエアーが入っていたのでファンがなかっただと思われますが、設置方法の変更でエアーの流入が少なくなるのを補うために設置されたと考えられます。排気に関しては従来どおりボンネット上部に設けられたスリット付きのダクトに排されます。ここから出た排気は大きな抵抗となるエアバルジを超えるような流れとなり、ボンネット上の流れをスムーズにしているはずです。
そして、リアセクションの目玉は、リアウィンドウ上に設置されたルーフベーンですね。従来のWRカーはWRXがベースだったのですが、今年からはWRX STIバージョンSpec.Cをベースに変更することで設置が可能になっています。これはルーフを通ってリアウィンドウに流れリアウィングにスムーズに運ぶパーツと考えられます。同様の効果を狙ったパーツにランエボなどで採用されているボルテックスジェネレーターがありますが、こちらはあえて乱流を発生させてルーフからの流れの剥離を抑えているタイプなのに対して、ルーフベーンは乱流を発生させず、ベーンによって強制的にウィンドウに沿った流れにするものです。どちらも一長一短だとは思いますが、乱流を制御すること自体が非常にシビアな領域なのでど確実に流れを導くにはルーフベーンの方が優れていると思います。重量的にはパーツの小さいボルテックスジェネレターの方が有利だとは思いますし、ルーフベーンはCd値とCl値を悪化させるので全体のバランスが重要だと思います。リアウィング自体は2005年モデルとほぼ同じようです。
市販モデルではリアバンパー下部にディフューザーがあるのですが、まだテストが終了していないようで設置がされてません。とくにダウンフォースが必要になるターマック戦までには装着されるのではないでしょうか。
空力以外のところでは、エンジンをピークパワーを追い求めるセッティングから、扱いやすさ重視に方針変更したようです。これは、耐久性アップにもつながるはず。それと、サスペンションに関しては昨年のラリー・ジャパン以降で採用されたナロートレッドが標準になるようですが、ターマックでもナロートレッドになったのでしょうか?2005年仕様でボディーの更なるワイド化が出来るようになりましたが、グリップレベルが低く頻繁に向きを変える必要のあるグラベルでは、ワイド仕様のトレッドは不利だったということなのでしょう。ターマックでは逆にグリップが必要ですのでワイドトレッドの方がメリットが多いはずですがどうなんでしょうね。
どちらにしても、インプレッサがハイパワーマシンからハンドリングマシンに変化したことを期待したいですね。
例年ならば、第3戦目のラリー・メキシコで新車登場というのがインプレッサのトレンドだったのですが、今年は、レギュレーション対応の為、前倒しで投入となったようです。
2006年の新レギュレーション対応ですが、前後のデフの電子制御の実質禁止、筒内ウォーターインジェクションの禁止、ロールゲージの大径化など、電子制御の制限によるコストダウンと安全対策の強化が主な変更点です。
私の仕事は流体屋なので、空力について考えてみたいと思います。
まず、フロントセクションですが、デザインは現行の市販車(GDのF型)と同じスプレッドウィングになりました。見た目の印象はぐっと精悍な感じになり私的には好きですね。
このスプレッドウィングの3分割グリルですが向かって左しか開いてません。これはエンジンの吸気用で後の2つは完全に塞がれてます。2004,2005モデルではインタークーラーの横に小さいダクトがありそこから吸気ダクトが設置されていましたが、今回は真正面に入り口が向いたことで、高速域ではラム圧もかかり、より一層多
くの空気をエンジンに供給できるようになるかと思います。吸気ダクトに関しても、インタークーラーを若干オフセットして比較的ストレートに通していることから吸気をスムーズにしようという設計思想が見えます。いままで右側にあったオイルクーラーの冷却用ダクトは、廃止されました。水冷だけなったのでしょうか?向かって右のフォグランプカバー部にはギアボックス冷却用のダクトが設置されています、こちらも正面を向いていますので面積は小さくとも十分な吸気圧を得られると思います。
バンパー部のラジエターとインタークーラーですが2004と2005のVマウントは廃止ですね。今まではフロントグリルとバンパーの開口部を横断してラジエターとインタークーラーがワニの口のように設置されていたのですが、2006ではバンパーの開口部のみに改められ、さらに、スプリッターが設けられて完全に流路が分割されているとのことです。2004モデルではウォータースプラッシュでこのVマウントに大量の水が入り込み逃げ場を失った水がエンジンのインテークダクトを破損してしまったのですが、2006モデルでは、インテーク、インタークーラー、ラジエターがそれぞれ分割されてますので、ウォータースプラッシュも大丈夫でしょう。
ラジエターは従来同様に有効面積を増加させるため湾曲しておりさらに寝かせて設置されてます。こちらの排気はバンパーサイドのダクトから排され、バンパーサイドの流れが、タイヤハウス部分で乱れるのを抑えていると考えられます。2005年モデルでウォータースプラッシュ対策として鋸上の構造物がラジエター上に設置されていましたがモンテ仕様では見当たりません。ウォータースプラッシュのあるラリーでは設置されるかもしれません。
インタークーラーは完全に上方へ向きました。設置は前述したようにエアインテークをまっすぐに通すためにセンターから若干オフセットされています。裏側には冷却効率をアップさせるためのファンがボディーセンターに設置されました。今まではVマウントにより十分なエアーが入っていたのでファンがなかっただと思われますが、設置方法の変更でエアーの流入が少なくなるのを補うために設置されたと考えられます。排気に関しては従来どおりボンネット上部に設けられたスリット付きのダクトに排されます。ここから出た排気は大きな抵抗となるエアバルジを超えるような流れとなり、ボンネット上の流れをスムーズにしているはずです。
そして、リアセクションの目玉は、リアウィンドウ上に設置されたルーフベーンですね。従来のWRカーはWRXがベースだったのですが、今年からはWRX STIバージョンSpec.Cをベースに変更することで設置が可能になっています。これはルーフを通ってリアウィンドウに流れリアウィングにスムーズに運ぶパーツと考えられます。同様の効果を狙ったパーツにランエボなどで採用されているボルテックスジェネレーターがありますが、こちらはあえて乱流を発生させてルーフからの流れの剥離を抑えているタイプなのに対して、ルーフベーンは乱流を発生させず、ベーンによって強制的にウィンドウに沿った流れにするものです。どちらも一長一短だとは思いますが、乱流を制御すること自体が非常にシビアな領域なのでど確実に流れを導くにはルーフベーンの方が優れていると思います。重量的にはパーツの小さいボルテックスジェネレターの方が有利だとは思いますし、ルーフベーンはCd値とCl値を悪化させるので全体のバランスが重要だと思います。リアウィング自体は2005年モデルとほぼ同じようです。
市販モデルではリアバンパー下部にディフューザーがあるのですが、まだテストが終了していないようで設置がされてません。とくにダウンフォースが必要になるターマック戦までには装着されるのではないでしょうか。
空力以外のところでは、エンジンをピークパワーを追い求めるセッティングから、扱いやすさ重視に方針変更したようです。これは、耐久性アップにもつながるはず。それと、サスペンションに関しては昨年のラリー・ジャパン以降で採用されたナロートレッドが標準になるようですが、ターマックでもナロートレッドになったのでしょうか?2005年仕様でボディーの更なるワイド化が出来るようになりましたが、グリップレベルが低く頻繁に向きを変える必要のあるグラベルでは、ワイド仕様のトレッドは不利だったということなのでしょう。ターマックでは逆にグリップが必要ですのでワイドトレッドの方がメリットが多いはずですがどうなんでしょうね。
どちらにしても、インプレッサがハイパワーマシンからハンドリングマシンに変化したことを期待したいですね。
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