梅にうぐいす

”うぐいすのさえずり”

二極化するサ高住

2013年03月05日 | さえずり

サ高住の補助金目当ての建設が増えています
そこに介護精神はあるのだろうか?
利回り、配当、税金対策...資産運用だけの言葉が飛び交うセミナーも少なくありません

介護施設運営者でこうした民間セミナーに参加した方はいらっしゃるでしょうか
介護施設の運営の甘さを知る良い機会になると思います

セミナー自体も医療法人向け、土地オーナー向けで
内容が変化するのも何ともなぁという感じ
ところ変われば何とやら


さて表題の二極化
ポイントは”医療の担保”の有無のひとこと

サ高住を利用するに当たり
利用料の低額競争が始まっていますが、金額以上に確認するべきは
運営主体がどういう業種かと言うこと
介護度が重くなったり、医療サービスが必要となった際の
想定問題を利用する前に確認しておくこと

「PPK」
ぴんぴんころり、以前私が従事した在宅(往診)医療の先生が良く使っていた言葉
”元気に暮らして、ある日畳の上でコロリと死ぬ” 当時の理想の「終活」でしたが
今も同じだと思います
当時と変わったのは”家族愛” 畳の上で死ねなくなっているのです
それをカバーする為に訪問サービスが拡充されていったのですが
日本人の国民気質か、他人を家に上げたがらない
そこで在宅に代わる在宅であるサ高住が出てきたと私は考えています


サ高住が二極化するというのはPPKと行かないから
医療担保無いサ高住と医療のバックアップのあるサ高住
この二極化が急速に進むと思われます

デベロッパー系のサ高住は安い建設コストで建て入居しやすい定額料金設定として
外部の外付けサービスと提携して対応するというパターンでしょうが
本当にそうした外付けサービスでケアプランは立てられるのでしょうか

これが医療系がバックなら
いざとなれば入院なども可能かもしれません

またサ高住に入居しようという方は
ダブルペイの可能性が常にあることを頭に入れておかないといけません
サ高住で看取りされる覚悟なら良いのですが、骨折などOPEが必要な場合
サ高住の入居賃料+入院費となります
これがダブルペイです


(ケース1)
サ高住に入居して、何かのきっかけで転倒骨折したとしましょう
入居時はヘルパーなどを利用して自立していましたが
骨折によりADL、IADLが落ちます
サ高住内を杖で歩いていたのが車いすとなり稼働エリアも限られます
以前のように歩きたいということでデイケアを希望するが
デイサービスのみ手配出来ない状況

また集団生活ではなくプライバシーを考慮した独居の部屋のため
社会との交流も分断されがちとなり認知なども増えていく
集団生活の良さも改めて考え直す時期かもしれません
介護施設のように個の時間と集団の時間を上手く制御できればサ高住も良いのですが
入居者同士の交流などもどこまで期待されたものとなるかは今の時点では見えてきません

車いすでサ高住居室内で介護サービスの無い日は一日中テレビを見て
誰とも話さないなんてことも有り得ます
配食を届けに来たスタッフとの会話、常駐スタッフの安否確認くらいしか無い



二極化するサ高住
囲い込みされたい高齢者と囲い込みはNGとする行政
ただサービス選択権は利用者側にあるのだから囲い込み化は進むと思います
それはブランド化となって行くのも想定されます
そう考えると医療機関が後ろ盾にあるサ高住が選ばれ、デベロッパー系のサ高住は淘汰されると
考えるのが一般的でしょう
デベロッパー系の中には学生マンションが少子高齢化で空室が目立つので
高齢者向けマンション的発想でサ高住化しているところもあります
最近はこうした二極化の動きを知って一括借り上げ、サブリース、医療機関との提携を密にと言う
動きはあります
土地オーナー+デベロッパー(コンサル)+医療機関 の組み合わせになります


サ高住自体が今から確立されていく新しい形態の在宅です
契約を締結する際に、いろいろな想定を先方にぶつけて、どういう対応となるかを
元気な時に見極めて置かないとなりません

・大腿部警部骨折
・肺炎疑い
・インフルエンザ

高齢者における疾病に自分がなった時、そのサ高住は何をしてくれるか?何が提供できるかです?

判りやすく言えば
サ高住はお茶屋と同じで基本ハコモノだけ
芸者や三味は外部サービス
コーデイネーター力量で大きく左右します
これが医療機関か?単なる民間か?ということ


『サ高住は今だけプチバブル』と元デベロッパーな世界に居た私からの私見
答えは、そう遠くない2・3年後に出るかと思います

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