瑞原唯子のひとりごと

進撃の巨人 (34)


進撃の巨人 (34) (2021/06/09)。完結です。

ごまかすことなく最後まできちんと書ききってくれてよかった。ただ、いろいろ理解が難しい。過去と未来が同時に存在するというのはどう解釈すればいいのか。結局、すべて決まっていたことなのかと思うとちょっと微妙な気持ちになる。みんなの選択も行動も苦悩も何もかも始祖ユミルの手のひらの上みたいで。でもエレンがいて、ミカサがいて、アルミンがいて、みんながいたからこその結末だったはずで。

エレンを討ち取ってハッピーエンドでなく、その後も戦いがつづいていくあたりがリアルでよかった。この作品らしいなと。そしてミカサがずっとマフラーを大切にしていたのにグッとくる。しかしエレンが埋葬された木にめっちゃ既視感があるんだけど…また同じことが繰り返されたりは…。

始祖ユミルは自由を求めながらも愛ゆえにフリッツ王に従順でありつづけたと。DV男から逃れられない女性みたいなものですかね。まあ心はままならないからなぁ。支配を愛と誤認してしまったのか、それともフリッツ王にもどこか愛すべきところがあったのか。しかしその愛の苦しみから解放するのがミカサというのにはビックリした。なぜミカサ? ミカサが盲目的にエレンを愛していたのがユミル自身と重なったんですかね。そのミカサがエレンを愛したまま自らの手で討ち取ることで、ユミルも呪縛を解いて自由になれると?

アルミンとの会話でエレンの本当の気持ちを知れたのがよかった。ちゃんとミカサのことを好きだったんだ。まさかそこまでとは思わなかったので驚いたけど、すごくうれしかったし、すごく救われた気がした。ミカサには言わないくれという話だけど聞かせてあげたいな…でもミカサの未来を思うと言わないほうがいいのかな…アルミンは結局どうしたんだろう。

アルミンたちにエレンを討ち取らせて英雄に仕立て上げるというあたりの話は、ちょっとコードギアスを思い出した。そのエレンの思いを受け止めて、アルミンがエレン・イェーガーを殺したものだと名乗ったところが好き。覚悟を決めた迷いのない表情がいい。

ジークとアルミンの道での会話はマクロとミクロの違いですかね。生命全体として見ると増えるのが目的になるけど、個々の人間にはそれぞれ生きていたい理由や生きてほしい理由があって。それもアルミンの言ったようなささいなことでいいんじゃないかな。そういうのを大切にして生きていきたい。

ラカゴ村と同じやり方でみんなが巨人になったところは、ここにきてこれ?! ここまでやる?! と絶望感がすごかった。最終的に戻ったけど。ところで巨人の力を持つものが例外というのはわかるけど、アッカーマンも例外なんだっけ。その話がどこで出てきたのか思い出せなかった。


ランキングに参加しています

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「アニメ・マンガ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事