意外な感じもするが、大森南朋(47)が民放の連続ドラマで単独初主演することが27日、明らかになった。7月期の「サイン−法医学者 柚木貴志の事件−」(テレビ朝日系=木曜夜9時)がそれで、2011年に韓国で放送された「サイン」のリメークだ。
 韓国では最高視聴率25.5%の人気を誇り、そのうえ大森初主演という話題まであれば、前評判も高まりそうだが、ネット上では〈韓国のリメークばかり〉〈日本のオリジナルが見たい〉〈正直もういいよ〉なんてコメントも。
 それもそのはずで、7月期は「サイン」の他に、唐沢寿明(55)主演の「ボイス 110緊急指令室」(日本テレビ系=土曜夜10時)、三浦春馬(29)主演の「TWO WEEKS」(フジテレビ系=火曜夜9時)と、すでに3本の韓国ドラマのリメークが放送される予定なのだ。
「さすがに三つ巴は聞いたことがありませんね。偶然でしょうが、視聴者がうんざりする気持ちも分かる。最近では、2017年放送の『ごめん、愛してる』(TBS系)や、18年の『グッド・ドクター』(フジテレビ系)、『シグナル』(フジテレビ系)が韓国ドラマのリメークです。いずれも韓国では人気作でしたが、日本の『シグナル』は平均視聴率6%台。必ずしも日本の視聴者に受け入れられるとは限りません」(テレビ誌ライター)
 他にも、06年の「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」(日本テレビ系)、11年の「美男ですね」(TBS系)、15年の「銭の戦争」(フジテレビ系)などもそうだ。
 面白ければそれでいいのかもしれないが、やはりリメーク頼みでは寂しい気もする。日韓芸能ジャーナリストの吉岡斗志氏がこう言う。
「韓国人は世界で一番ドラマを見る、と言われます。日本の連ドラは週1回の放送が基本ですが、韓国では一般的に週2回で、脚本が悪かったり、演技がヘタだと日本以上に叩かれる。視聴者の見る目もシビアで、その韓国で一度ヒットしたドラマは安心して使えるのでしょう」
 それだけ韓国ドラマは質が高いということか。
「韓国ではドラマ制作費の約半分を、テレビ局の下請けの制作会社が出資します。視聴率が高ければリターンも大きくなりますが、ハイリスクなので作る側の本気度が違う。ドラマがコケて自殺したり、海外に逃げる制作会社社長も多いと言われるほどです。また、韓国には徒弟制度が根付いている。脚本家になるにしても弟子入りして、イロハを学ばなければいけません」(吉岡斗志氏)
 そりゃ韓国ドラマが面白いわけだ。
 ちなみに、7月期に韓国ドラマのリメークを放送するテレ朝、日テレ、フジは新社長就任が決定したばかりだ。
「社長交代で視聴率競争が激化することが予想されます。特にテレ朝と日テレの首位争いは熾烈。視聴率競争の主役といえば、やはりドラマです。クオリティーと数字を重視した結果、各局とも韓国ヒットドラマのリメークに行き着いたのでは。音楽を中心に第3次韓流ブームが起きているので、それに便乗して高視聴率を期待しているのではないでしょうか」(吉岡斗志氏)
 テレビ局の思惑とは裏腹に、ネット上では放送前からうんざりムードが。大森初主演にミソがつかなければいいが……。