昨年(2022年)亡くなったアルゼンチンの音楽家フアン・カルロス・カラバハル Juan Carlos Carabajalの追悼企画がアルゼンチンのフェスティバルで1月29日(日本時間1/30月 11:30~)におこなわれ、現地のTVとネットで生中継&生配信されました。
アルゼンチンのコルドバ州コスキンで毎年1月下旬に開かれているフォルクローレの一大フェスティバル「Cosquín」 60年以上の歴史があり、メインステージの”アタウアルパ・ユパンキ”をはじめ、市内に数多くのペーニャ(ライブハウス・期間営業含む)ができて連日熱いパフォーマンスが繰り広げられています。コロナ前のような通常開催だった場合ですが…アルゼンチンの友人の投稿を見る限りでは今年はかなり盛り上がっていたようです。
TV中継のあるメインステージにはアルゼンチンを代表するフォルクローレの人気アーティストやレジェンドたちが多数出演、その模様はネットでも9日間にわたって開演~終演までフルで公開、平均5時間超え×9日間、動画のアーカイブも膨大です。
私は幸運なことに2004年と2011年の2回、現地を訪れることができました。2011年にはメインステージではありませんが 周辺のペーニャやストリートで演奏する機会に恵まれました。
その2回のコスキンの旅へ連れていってくれたのが、フアン・カルロス・カラバハルでした。彼の暮らすサンティアゴ・デル・エステロにホームステイさせてもらい、ギターや歌をたくさん教えてもらいました。
2023年のコスキンのプログラムの中ではフアンカが作詞した曲を例年以上に多くの出演者が歌いながら追悼しているシーンが何度もみられました。(フェスティバルの配信をずっとフォローしていた知人からも教えていただきました)
さて、コスキンのメインステージではアーティストの演目に加え、アルゼンチン各地の州政府からの派遣団や海外(日本を含む)からの代表によるプログラムがあり、今年のサンティアゴ・デル・エステロ州のステージは最終日に組まれていました。
フアン・カルロス・カラバハルへの追悼企画となったステージ、そのタイトルは「Juan de los caminos(フアン・デ・ロス・カミーノス」 フアンカがたどった足跡を全てフアンカ作詞の曲で構成、ミュージシャンとダンサーがものすごい数です。
告知のSNS投稿を見てうれしかったのが、その舞台の音楽監督を任されたのが次男のルーカス・カラバハルだったことです。フアンカのグループにも一緒に在籍していた相棒マルティン・ロペス(ともに2001年の来日公演メンバー)らと音楽隊を編成、コーラスとアレンジ、そしてダンスとの一体感が本当に素晴らしいです。
なんといってもメドレーの多さにびっくり、後ろのスクリーンでは生前のフアンカの語りの映像や音声が流れて生演奏やダンスとコラボ、すごいことになっていました。この大所帯で約22分間のステージを構成するのは大変な労力だったことがうかがえます。
共演者もきっとフアンカと関わりのあったメンバーばかり、フアンカ作詞の曲を作曲しているシンガーソングライターのGerman Kalber (ヘルマン・カルベル)や、数日前にステージで歌ったデュオ、Orellana y Lucca(オレジャーナ・イ・ルッカ)らも友情出演していました。
途中少し音声トラブルがあったようですが、さすが野外フェス百戦錬磨の人たちです。すぐに解消して、後半はルーカスたちも笑顔になってひと安心しました。しかも代表曲の1つ「La Mesa(テーブル)」の時だったので、個人的にはフアンカと日本にフアンカを招聘した親友の瀬賀倫夫さんが一緒に来て歌ったんじゃないかと勝手に思っています。(とルーカスにお祝いメッセージを送ったら「そのコメントどこかで使わせて」と秒で返信が来ました…)
ちなみにもう1つの代表曲である「Entra a mi hogar」ではなんと後ろのスクリーンに私の写っている写真も登場!確か2011年にサンティアゴ州内のイベントに出演したときのものです。恥ずかしながらもうれしかったです。
(自分の写っている画なのでスクリーンショットお許しください)
そしてもしかしたらと思ったのですが、動画制作はフアンカの孫で壁画アートなども手掛けるイニャキ・オルテガ、グラフィックはルーカスの娘のグアダルーペが担当したそうです。チーム孫おそるべしです。
動画開始1時間17分ごろから、ライブ配信のアーカイブのため広告など含め見づらくなっていますがご覧いただけたらうれしいです。単独公開されたらそちらもアップします。
※配信動画は予告なく公開終了する場合があります
※追記
ルーカス・カラバハルのバンドのYouTubeチャンネルにプログラムの1部がアップされました。出演者等の詳細も掲載されています。
YouTubeチャンネル Lucas Carabajal & Delirios de Grandeza