【ライブレポート】日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022～アラジンと魔法の音楽会

7月30日(土)・31日(日) に日生劇場で開かれたファミリーフェスティヴァル2022『アラジンと魔法の音楽会』に出演しました。

私は本番1週間前からの参加で、最初はとても緊張しましたが…すぐに素晴らしいチームの中にいると分かり感動、キャストやスタッフの方からも温かく迎えていただきまた感動、そして稽古が始まると『アラジン』の世界観をもとに構成された脚本・音楽・演出、その中で躍動する出演者に圧倒されて、結局本番の最終公演まで感動しっぱなしでした。この瞬間に立ち会うことができて光栄です。

ー舞台はエテルネル王国。アラジン王子主催の建国記念パーティーに各国から音楽家たちが招かれました。そこでアラジンが「私がもっとも気に入った曲を歌った者の願いを、何でも1つかなえる」と言います。ノリのいい曲が続く中、祈りの国パストラーレから招かれたバリットン王子が歌ったところ、アラジン王子との間に何やら不穏な空気が流れはじめて…

さまざまな国の音楽を歌い、踊り、演奏しながら物語が進んでいきます。アラジンとバリットンの歌 (2人ともバリトン)、ランプの精とアマティーのセリフまわし、オハヤシとカトゥー宮廷楽長(作曲)の道化っぷりからの演奏、オーイ宮廷専属指揮者率いるオーケストラのサウンド、歌声の国ラボ―チェからやってきたミッキー、アミー、ヒッキーのコーラス…すごすぎます。

光や音のエフェクトもふんだんに取り入れつつ、オーケストラの生演奏と演劇、クラシックやオペラ、現代のスタンダードナンバーと『音楽会』オリジナル曲の組み合わせがまた絶妙です。

美術から本番開始のベルまでこだわり抜いたこの作品、ちなみに私はカンタオール石塚隆充さん、パーカッショニスト大儀見元さんと「踊りの国バイラール出身のイシヅカ　オオギミ　チエイ」として登場。自分はセリフもないので演奏だけに集中して…と思ったら、

舞台奥の階段から登場シーン→舞台上でリアクション芸→演奏→アラジン王子に絡む→演奏→リアクション芸→演奏(歌つき)

演出の粟国淳さん自ら稽古をつけてくださいました
（撮影:瀬戸雅美さん／アテネ)

初日第一幕より
（撮影:伊奈山明子さん／演出助手)

と、出演時間は短いながらも仕事させていただきました。そしてフィナーレへ。ちなみにラストの曲の3番は歌詞を覚えたので勝手にこっそり歌っていました。本当にいい歌です。朝・昼あわせて2日間4公演を客席と一体になった舞台で過ごすことができて幸せでした。

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さて、この舞台のオファーをいただいたのは3年前の2019年。タカさん、大儀見さんと私のトリオでワールドミュージック班として参加、2014年に出演したNISSAYオペラ『アイナダマール』と同じ粟国淳さんが演出を担当されるとあって、とても楽しみにしていました。

2020年夏の公演延期は残念でしたが、その時「2年後の2022年にキャスト&スタッフ、同じメンバーで開催します」と言っていただいたことがすごく励みになり、夏に配信された「おうちで日生劇場ファミリーフェスティヴァル」の作品を観て、このチームに2年後参加できるように気をしっかり持とうと思いました。

千穐楽の朝にはその動画を思い出してホテルであらためて視聴、キャストもスタッフもまさに同じメンバー！2年前とはまた別の意味で感激しました。

おうちで日生劇場ファミリーフェスティヴァル（2020）

ある曲の演奏内容についてこちらの提案を採用してくださったカトゥー宮廷楽長こと加藤昌則さん、オーイ宮廷専属指揮者ことマエストロ大井剛史さん、大編成ではむずかしいガットギターの音作りを丁寧に組み立ててくださった音響の水木さやかさん、舞台袖でいつも和やかな時間を共有させていただいた「ザ・スタッフ」のみなさん、素晴らしい脚本と作詞を担当されながら各種の業務連絡までしていただいた日生劇場の清水彩果さん、トリオ〜劇場間の調整を3年間続けてくださったアテネ・ミュージック&アーツの瀬戸雅美さん、1週間お世話になったキャスト&スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。

もしかしたら中にはチケットを買ったけど来られなかった、断念した、という家族連れの方もいらっしゃるかもしれません。終幕で手を振りながら、今日は届けられなかったけどまた音楽や舞台を普通に楽しめる、そんな日が戻ってくることを願っています。