ここ10年ほど、毎年最後の投稿に「Gracias 20○○!(ありがとう20○○年!)」というタイトルで、年末の演奏や1年のことを振り返っていました。でも今年は「ありがとう」という言葉にまったく違った響きがある…とあらためて感じています。
つい1年前までは、全国をまわって出会いと再会を繰り返せることがすっかり「当たり前」になってたこと、それがいかにありがたいものだったかを、かみしめる瞬間が今年はたくさんありました。
秋に久しぶりに人前で演奏できたことは本当にうれしかったですが、やはり音楽を「生業」としている以上、すぐに次の日常が待っていますし、不安な日々はまだまだ続いています。
そんな時、自分の気持ちを落ち着かせてくれる曲が、今年の7月にオンラインレッスン商店街からリリースされた「風の声が聴こえたら」。ピアニスト朝木奏多(Asagi Kanata)さんの作曲で、10名の笛奏者と奏多さん、私がリモート共演しました。とても美しいメロディーで、この曲は自分の2度のソロライブ配信でも演奏しました。今回はその2つのライブバージョンを公開します。
7月のライブ映像は「オンラインレッスン商店街」主催の「夏FES」のイベントからのもので、ほぼ原曲に沿った出だしから、スパニッシュの雰囲気にアレンジしています。
智詠Chiei 風の声が聴こえたら(ギターソロ)
オンラインレッスン商店街 夏FES-なつまつり
"Chiei Spanish Guitar Summer live" 2020.7.23
11月のライブ映像は、私のギタリストとしての始点であるアルゼンチン音楽をテーマにしていたので、思い切ってアルゼンチン北部のスタイルにしました。チャカレーラ、ビダーラ、ワイノというリズムをモチーフに構成しました。
智詠Chiei 風の声が聴こえたら(アルゼンチンバージョン)
ライブ配信『アルゼンチンの想い出』
"Recuerdos de Argentina" 2020.11.27
どちらも最後は我慢しきれずにスキャットで歌ってしまいました。それぞれライブの終盤で、だいぶ揺れ揺れの音程になっています…
2021年はライブ配信の形も少しずつ変化させながら、なんとか活動を続ける道を探っていきたいと思います。大変な時期はまだまだ続きますが、どうかお元気で、またお会いできるのを楽しみにしています。
- - -
追伸:
突然ですが、新しい「ボディワーク」のプログラムの立ち上げに関わっています。その名は「シャイン ソマティクス」。脳を使って身体の本来の機能をひとつひとつ取り戻していく手法で、トレーニングのようにがんばることはありません。私にとっても目からウロコで、長年座ってギターを弾いてきて体のあちこちに故障がありますが、今年は治療に通わずに過ごすことができました。
ライブ配信の時も、収録の合間にソマティクスを短時間おこなったら、指先まで力が抜けて、リラックスしつつ思い切って演奏することができて、とても助けられました。
現在ホームページを準備中でプレサイトを公開しています。モニターの方による体験談も載っていますのでぜひご覧ください。オンラインでのセッションもおこなっています。
- - -
Chiei live & lesson オンラインショップ
(『風の声が聴こえたら』のギター譜も販売しています)
- - -