その人は社会人となり初めての就職先にいた。
私と同じ年の子供がいるとの事で気にかけてくれたのか、よく声をかけてくれた。
今思えば根掘り葉掘り聞いていたのは親身になっていたのではなく、マウントを取る為の準備だったのだ。
新社会人がそういった罠にすぐに気付ける訳もない。
妬みやっかみに着色された陰口のネタを自ら提供していたのだ。
その人は中卒で水商売の経歴があるとの噂だった。
なので社内で会っても、その日の初見であれば時間を問わず挨拶は「おはよう」だった。
後々気付くのだが凄まじい学歴、出身地コンプレックスの持ち主だった。
そして会話の主導権を握れないと明らかに不機嫌になり話題を変える。
業務上のミスは全て部下のせい。
低レベルの言い訳と明らかに自分のミスなのに部下を突き出す、部下が謝るまで他人の前で叱責する。
その後は自らを正当化する為に各所を走り回り、最後に仕上げの叱責。
意味が分からないし、理不尽過ぎた。
最初の数回は我慢したが、納得いかず説明を求めてみた。
到底、こちらが納得できる返答ではなかった。
別の機会に第三者がいる所でも説明を求めてみた。
後からわざわざ呼び出され、人前で恥をかかせるなと叱責された。
「大学って言い訳習うところなの?うちの子も大学出たけどあなたとは全然違う。」
まではよかったが
「あなたの両親もお金かけて大学出したのに(私が)こんな感じで残念がってるんじゃない?」
ついに家族に言及したので
・私の両親に会った事があるのでしょうね?
・私の両親の考えが分かる程、親密な関係なのでしょうね?
・推測でものを言うならあなたのお子さんもあなたのような親を持ってさぞ残念でしょうね。
・自分の親が職場でどう思われているか、どれだけ嫌われてるか知ったら悲しいでしょうね。
・あなたと同じで推測ですので検証しますか?
と話すと上司はその場を立ち去りました。
翌日、更なる上司に呼び出された為、今までの嫌がらせや暴言を全て報告し他社員からの聞き取りも行って欲しいと伝えた。
もう会社を辞めてもよいと思っていた。
冷静になれば、あんなヤツのせい私が辞めるなんてもったいないという気持ちも湧いてきたが、事情がどうであれ異動しても残っても上司に楯突いたという噂は必ず着いて回るとも思った。