【概要】
慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)の手術について書かれています。
(2023年現在)蓄膿症の手術は、医学の進歩により、日帰り又は1泊で済ますことができます。ただし、日帰り手術の場合は、麻酔が抜けきらないまま帰宅することになります(個人差があります)。
なお岸田総理は、日帰り手術を受けました(2023年2月11日)。
手術費用は「高額療養費制度」を活用することで、経済的負担を小さくすることができます。その場合、実質的な負担(自己負担限度額)は、約9万円となります(平均的な収入(区分ウ)の人の場合)。
なお、これ以外(保険適用外)の治療費等の出費が、さらに+1〜2万円あると思っておいた方がいいです。
「高額療養費制度」を利用することがあらかじめ分かっている場合、「限度額適用認定証」を取り寄せておくと、病院窓口での立て替え払いが不要になります(取り寄せておかない場合は、病院窓口で3割負担となります)。
いずれにせよ「高額療養費制度」を利用する場合は、申請が必要になります。申請先は、あなたが所属する健康保険組合です(どこにも所属していない場合は、市区町村です)。
平日の休みを、飛び石で多く必要とします。私が通った病院の場合、通常なら計5日ですが、私は2回に分けて手術したため、計8日必要でした。
ただまぁ、手術後もなんだかんだでフォローアップの通院が続きますから、平日の休みが取りにくい人は、手術を受けるのはなかなか難しいでしょう。
【以下、本文】
■手術に至るまで(7年前)
蓄膿症が見つかったのは7年前。
適応障害で休職となり、時間に余裕ができたタイミングだった。
以前から、喉の痰がどうやっても無くならない症状があり、
当時住んでいた田舎街の耳鼻咽喉科を受診したときに、
副鼻腔炎と診断された。
その後は、病院でのネブライザーや内服薬としてカルボシステイン、
クラリスロマイシンで治療。
だが、一向に良くならないため、
(また復職して仕事が忙しかったこともあり)
1年ほど経った時点で自主的に通院をやめた。
■手術に至るまで(8ヶ月前)
痰の症状は無くならないまま、6年以上が経過。
親族の勧めも有り、再度、耳鼻咽喉科を受診(6年前とは別病院)。
カルボシステインやクラリスロマイシン、
エリザス、サクコルチンで2ヶ月ほど治療を続けたが、微塵も寛解せず。
そんな折、医師から手術で治せることを提案され、了承。
しかし手術は半年待ちとのこと。
■手術1ヶ月前
血液検査と、手術同意書への署名。
ナサステント(保険適応外)とか言うガーゼを使うと、
術後の回復が早くなるというので、了承。
あと、今回の手術のついでに、
鼻中隔湾曲症も手術で治した方が良い※と勧められ、それも了承。
※鼻中隔湾曲症も、副鼻腔炎と同様に鼻詰まりに影響しているし、また、同じ月に高額な手術を受けることで、患者の経済的負担が軽くなるため(高額療養費制度の関係)
■手術2日前
診察とPCR検査。
もし陽性だったら、翌日に連絡が来て手術が中止になるらしい。
(陰性だった)
■手術1回目
その日は朝食抜き。水も手術前1時間前まで。
朝9時頃に来院。
持ち物は、飲み物、ティッシュ1箱、診察券、限度額適用認定証。
来院すると患者は自分のみ。10分ほど待ち、手術室へ。
上はTシャツの上から不織布製の検査着に着替え、
下はズボンを履いたまま。
電気による止血を行うため、金属製バックルが付いているベルトも外す。
足にモニターを付けるため、靴下を片方脱ぐ。
心電図モニターを胸に付け、点滴をし、鼻にガーゼを詰め、
鼻の左右それぞれに麻酔を打ったら、
マジックテープで完全にベッドに拘束された状態で、手術開始。
(全身麻酔のため、手術は眠っている間に行われる。)
手術が終わり、麻酔から目が覚めても、しばらくは身動きが取れない。
来院から7時間後の午後4時、タクシーを呼んでもらい、帰宅。
麻酔は完全に抜けきらず、なんとか自宅に戻れた感じ。
この日に行ったのは、鼻中隔湾曲症と、慢性副鼻腔炎(右)の手術。
ガーゼがこれでもかと鼻の中に詰まっており、非常に息苦しい。
鼻からの出血がある&鼻腔内を乾燥させないために、
綿の球を鼻に詰め、適宜交換する必要がある。
すぐに血や鼻水で重くなり、交換が必要になり、とても面倒。
またこの日(手術当日)は、入浴・洗顔・洗髪はNG。
料理する気力もないので、適当なカップラーメンをすする。
まだまだ意識レベルが低いので、
あらかじめもらっておいた薬を飲み、早々と就寝。
■手術1回目の翌日
午後から診察。
昨日の手術の模様の動画を見ながら、説明を受ける。
手術は成功、しかし
鼻の中のガーゼは火曜日まで取ってはいけないとのこと。
この鼻詰まりに火曜日まで耐えないといけないのか…
相変わらず、綿球の交換が面倒だ…
病院からの帰りに食料の買い出し。雨が降ってきて不快。
■手術1回目の翌々日
祝日のため、病院は今日から3連休。
鼻詰まりには少し慣れてきたが、
吐き気が伴うようになってきたので、それ用の頓服薬を飲む。
外出は禁止されていないが、そんな気力もない。
洗濯と掃除をしながら療養。
この日は天気がよく、昼間は快適。
鼻呼吸ができず口呼吸になってしまうので、口が猛烈に乾く。
起きてるときはまだいいが、寝ているときは3時間ごとに、
口の乾きで目が覚める。
■手術1回目の3日後
鼻からの液体も少なくなり、天気もよかったので、買い出しに。
■手術1回目の5日後
診察。
ガーゼを撤去。
久々の鼻呼吸で、鼻腔が痛い。
その日の夜は快眠。
■手術2回目(1回目の7日後)
基本的に1回目と同様に手術を受ける。
今回行った手術は、慢性副鼻腔炎(左側のみ)。
ガーゼは、左側にある程度詰まっているのは感じるが、
今回は鼻呼吸はできる。
ただ、鼻からの出血がある&鼻腔内を乾燥させないために、
綿球を詰める必要があるのは変わりなし。
麻酔が抜けきらないので、この日も早々と就寝。
あと思うのだが、手術中に失禁をしてしまうのだが、
病院から案内も対策も何も無いのは、なんとかならないのだろうか?
■手術2回目の翌日
就寝時に綿球を付け忘れていたことに
起きてから気付いた(約6時間)。
診察は午後から。
今回手術した左側については、
綿球を付けなくてもよい(ガーゼが入っているから)、
右側だけ付けておいて、とのこと。
左の綿球がないおかげで、鼻が通る。助かる。
■手術2回目の3日後
体調もだいぶ落ち着いてきたので、久々の遠出。
鼻の形がまだ固まってないせいか、鼻を触ると痛い。
もしかして、その為の綿球か…?
■手術2回目の8日後
診察。
カーゼは全て抜去。と思いきや、もう一度ガーゼを挿入。
来週も来なければいけないらしい。残念。
あと、鼻中隔のあたりに補強材を入れた。
■手術2回目の15日後
診察。
鼻腔内が乾燥しすぎてるらしく、綿球を詰められた。
あと、もし再発した場合、難病指定を受けると、
よく効く薬を安く使えるようになる、
という話をされた。
■手術2回目の29日後
診察。
クラリスロマイシンとカルボシステインを4週ほど飲み続ければ、
その後はメンテナンスフリー(通院も投薬も不要)になるとのこと。
めでたい。
■手術2回目の57日後
診察。
鼻腔で開ききっていない箇所があるとのことで、急きょ切除手術。
ガーゼを詰められ、鼻炎も長時間続き、不快。
■手術2回目の64日後
診察。
ガーゼを抜去。今後も診察は続く…
■手術2回目の92日後
フォローアップの診察。
鼻腔の狭くなっている箇所にガーゼを詰めて
また3週間後…
■手術2回目の113日後
診察。
前回詰めたガーゼは
溶けて無くなっているとのこと。
モメタゾンとか言う点鼻薬を2ヶ月分出される。
とりあえず次回で終了するとのこと。
■手術2回目の169日後
終了。
軽い上咽頭炎が認められるため
EAT療法(塩化亜鉛を喉の奥に塗布する)を実施し
漢方薬(桔梗石膏)を飲みながら2週間の様子見。