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チョッパーベースにすっかりノックアウトされたアタシは親父に罵倒(そんなでもないか)されながらも根気強く説得をした。なんせ3万円とゆう高校生の買い物としては高価なベースのためなのだ。その当時アタシの家は薬局をやっていて、けして貧乏ではなかった。親父はゴルフが趣味で確かハンディキャップが13とゆう結構な腕をしてた。おふくろは大した趣味は無かったが親父に付き合って一緒にゴルフに行くこともあった。まあ生活にある程度の余裕のある家だったのだ。ところが音楽に関しては全く感心がなかったのだ。応接間にはコロムビアのステレオがあったがなぜか森進一と北島三郎のシングル盤が二枚と、これまた不思議なのだがサムテイラーのLP レコードがあった。全部で三枚しかないのだ。それにこの解らない組み合わせ。多分おふくろはステレオの電源スイッチも分からなかったと思う。そんな家に一筋の望みが『弟』であった。彼は小学校のときにブラスバンドに入りトランペットのパートリーダーも務めた。あたしがでれでれとダラシナイ6年間を過ごしたのに3年間も音楽に打ち込み実績を挙げていたのだ。無能な兄は早速この優れた弟に相談した。そのころ弟はトランペットを吹くのをやめてエレキギターをいじり始めていた。当日売れていたオフコースやALFEEをやりたいと考えていたのだ。無能な兄はこの音楽の大先輩に「なんとかならないかなあ?」と相談するとびっくりして嬉しがった。兄貴がベースを弾くなんて嬉しかったのだ。そしてめでたくココに音楽連合が成立した。弟が一緒に説得をしてくれそうだ!(つづく)
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