これは約10年ほど前のアタシのフィールド・ワークです。
当時は(今もだけど)特殊漫画家の根本敬先生のご本、因果鉄道の旅
に触発され自分も何かしなくては!と身勝手に思いこみ、前々から気になっていた
「城北カラオケ同好会」に目を付けました。
この時は今では考えられないぐらいにアタシは意気込んで
ビデオカメラまで用意して取材?に望んだんだよな。笑い!
「カラオケ同好会」って言っても歌に合わせて踊り狂う人達が主役なんだけどね、カラオケは脇役。
踊り狂う人達は年輩者が多いんだけどたまに中年がまじり、
皆思い思いの衣裳を身にまとってその時々の歌に合わせてエスプリの効いた創作の振り付けで踊り狂うのだ。
アタシはローテク故、ビデオ画面をデジカメで撮った画像で見にくいかも知れないけど我慢してね。
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デュエットするお二人の前で当時最年長と思われた男性(白い着物にたすき掛け)が踊る。
どんな歌でも同じ振り付けで踊る、一本筋の入ったダンサー。満面の笑みが印象的でした。
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小道具にも皆さんは気を使います。紫のセンスが艶やかな女性ダンサー。
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粋な豆絞りは江戸っ子の証。「山椒は小粒でもピリリと辛い。」最年少のダンサー。
このダンサーはシンガーとしても八面六臂の大活躍!
十八番は「祝い船」その歌声は塩辛い、アメ横仕込みか?
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上野公園に咲いた、大輪の花二輪。
立てば芍薬、座れば牡丹、踊る姿は除虫菊!!
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「ああ、イイ顔だなあ‥。」 心からそう思える。
アタシが贔屓にしていた赤い着物がよく似合う女形のダンサー。
このダンサーは小物の使い方がうまい。
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ベルバラ風かつらにほっかむり。あの手この手でオーディエンスを飽きさせません。
これぞエンターティナーの鑑。
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いつの間に会場のアリーナ席に正座をして物憂げな顔で歌と踊りを鑑賞する訳ありな女性‥。
ファインダー越しに目が合ってしまいドッキリ。
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こちらが「城北カラオケ同好会」の会長さん。
会場の設置やローディの調整、はたまた司会進行までを取り仕切る敏腕プロモーター。
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会場に戦慄が走る!
すわ、女性ダンサーを巡っての乱闘か?と思いきや
会場整理のガードマン(ホームレス)同志のキャストから振る舞われた酒を巡ってのケンカだった。
この取材から数ヶ月後に「城北カラオケ同好会」は忽然と上野公園から姿を消した。
理由は上野公園に隣接する結婚式場「精養軒」からのクレーム。
厳かに結婚式を挙げている最中にカラオケが聞こえると迷惑なんだってさ。
野暮なこと言うなよ!
じゃあ、何かい?精養軒では披露宴ではカラオケ禁止なのかい!?
皆、シンガーやダンサー達は週1回の日曜に唄ったり踊ったりするのが楽しみだったんだよ。
オーディエンスとしてアタシも楽しんでいたんだよ!
テメエのところのカラオケは良くて外のカラオケがダメなら防音をちゃんとすればいいではないか。
この年からアタシは精養軒のビア・ガーデンに行くのを辞めました。
いつかどこかでまた「城北カラオケ同好会」の人達に出会えたらいいな。
でも、半分ぐらいの人はもう亡くなっているんだろうな‥。