山手線で言えば日暮里から外回りだと有楽町、内回りだと池袋まで。何故だがその先には足があまり進まない。
しかし、この3連休は新宿に2回も行っちゃった。1回目は件の東京銭湯ナイトで2回目の今日はギリヤーク尼ヶ崎青空公演。
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ギリヤーク尼ヶ崎氏をこのブログを見てる人で知っている人はどれだけいるのであろう?
ギリヤーク尼ヶ崎氏は舞踏家で大道芸人なのよ。
よく路上パフォーマンスを足掛かりにメジャーを目指す人は多いのだけど、彼は違う。
元々は俳優を目指していたそうだが「なまり」が強くて断念。舞踏家として活動。そして30代で大道芸に転向。
現在、79歳のご高齢だが今まで俗に言う「おひねり(投げ銭)」のみで生活をしてきた正真正銘の大道芸人なのである。実際、「おひねり」だけで生活できるようになったのは60歳を過ぎてからだそうだが…。
その芸風は津軽三味線の旅芸人をモチーフとした独自の「鬼の踊り」
確か、十数年前に読んだ本では母親と二人暮らしだったのだが、年老いた母を「おひねり」だけで養うとはそんじょそこらの芸ではないだろう。映像では彼の舞踏は何回も見ているのだが、生で見るのは初めて。
通年、この時期に新宿で青空公演をやっているのは新聞等で読み知ってはいたのだが、何せ結界が…。
てな、訳ですがエイッ!ヤアッ!トウッ!で行って参りました。
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2時の開演時間から15分ほど遅れて尼ヶ崎氏が登場。観衆の前で衣裳の準備を始める。
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オープニングは「じょんがら一代」
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赤褌一丁で踊る「念力」 下に散らばっているのはゴミじゃないよ、「おひねり」だよ。
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観客を巻き込んで舞う「よされ節」
珍しくコミカルな舞でした。踊っている人達も楽しそう。
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そして、クライマックスは代表作の「念仏じょんがら」
凄い迫力!会場内を走り回り冷水を浴び、身をよじらせての大熱演。
人間の持つドロドロとした情念、怨念、土着性、そして因果…その他諸々がカオスになった様な舞いだ。(…のような気がした。)思わず目頭が熱くなりました。
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公演後、多くの観客が彼の元に集まり労いの言葉を掛けていました。
それに応え、「あと9年、88歳の芸歴50年まで踊り続ける!」彼はそう言ってくれました。
路上に生きる大道芸人、その本物だけが持つ「魂」を垣間見た気がしました。
どの世界でも「本物」はスゲエや!