ただ日常をダラダラと‥

抹香町 路傍   川崎長太郎

お上品な話より下品な話の方が面白い。
金持ちの話より貧乏人の話の方が面白い。
サラリーマンの話よりヤクザの話の方が面白い。
医者の話より土方のオヤジのエロ話の方が面白い。
とにかく、一段でも二段でも下の方にいる人の話は面白いものだ。
私小説も同じ事。
この本の作者の川崎長太郎は小田原の大店の魚屋の長男に生まれるが
文学にあこがれ家業を放り出して上京。
しかし、芽が出ずに這々の体で故郷に逃げ帰り
実家の近くの物置小屋に暮らし、夜はろうそくの光であまり売れない私小説を執筆。
数少ない女性読者が物置小屋を尋ねてくればヤッちゃったり、
金が入れば売春宿に出入り、はたまた金に困ったら、実家の中風で寝たきりの
母親の上に馬乗りになり口から金歯を奪い金にしたりと相当の因果者。(50歳を過ぎてもだぞ。)
晩年は60歳過ぎで30歳年下の×1の女性と結婚。(ヤッちゃった女性読者の一人だ。)
歯がほとんどなく咀嚼が出来ずに飲み込むので消化不良になり屁ばかり垂れていたそうだ。

そんなお方の私小説だからつまらないわけがない。

物置小屋での生活への焦りや不安、
男女のしがらみの中での自分の心理描写が何とも言えません。
同じ、やさぐれ者同志、共感を覚えてしまします。
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