ただ日常をダラダラと‥

生かさるる いのち尊し けさの春

生かさるる いのち尊し けさの春  中村久子

谷中のとある寺の壁の黒板には有名無名の人の言葉が定期的に書き変えられている。無名つーてもアタシが知らないだけで世間的には有名人なのかも知れぬが‥。
数年前には「寅さんはつらいよと言った事がありません。」つー言葉が書かれていたが、こん時は誰の言葉かは書かれていなかったな。いや、失念しただけか。
で、今書かれている。中村久子さんの言葉。

中村久子さんの名を知ってる人はアタシと同じ好事家で変なシト。
中村さんは幼少のみぎり壊疽のため四肢を切断し、「ダルマ娘」として大正から昭和にかけて見世物小屋で活躍した太夫(芸人)なのだよ。
「ダルマ娘」の芸は口を使っての針仕事、筆書き、大正琴の演奏などで、4度の結婚をして3女を設けたそうだ。見世物興業引退後は恵まれない子供にお金を送るなどの篤志家としても活動をし、あのヘレン・ケラー女史に「私よりも偉大な人」と言わしめたスゴイ人なのだ。
どうだ、勉強になっただろ?
アタシはおゲレツだけの男じゃないんだよ。
今の時代ではZ武君やホーキング青山氏などの同じような障害を持った人が各メディアで活躍しているが、人権意識が希薄だったあの時代で彼女が置かれた状況は我々の想像を絶する過酷さだっただろう。
だが、今現在の様に人権意識が高まっている時代、彼女の様な人たちの居場所が無くなっているのも事実である。
例えば先にも出た「見世物」。
そういう障害を持つ人達を見世物にしてはいかん!つーことで彼らから仕事を奪ってしまった。見世物小屋の障害を持つ太夫たちは自分は芸人であるというプライドを持って皆の前で自慢の芸を披露して生活の糧としていたのだよ。それをけしからん、可哀そうだというのは健常者から見た障害者に対する偏った傲りではないのだろうか。

余談だが、見世物小屋自体も絶滅の危機に瀕している。
生きてるヘビを食べるのはダメ!と動物愛護団体から、仮設のテントでは火を噴いちゃダメ!と消防署からクレームがつけられ、じゃあ何をすればイイの?と暗中模索で手探りの中、去年の靖国神社のみたま祭りで性質の悪いDQNが悪騒ぎをしたせいで今年からみたま祭りでの夜店の類の出店は禁止になってしまった。(もちろん、見世物小屋もお化け屋敷も。)アタシの年2回の内、1回の楽しみが無くなってしまった。とかく、現代は生きにくい。

コメント一覧

ヒデ
http://yaplog.jp/pinheadhero/
犬子ちゃん、
まったく、あの時代にスゴイ人がいたもんであります。
もっと、脚光を浴びてもおかしくは無いのですが、
知る人ぞ知る感じで、それも股素ん晴らしいところです。
犬子
久子さん、すごい人ですよね。
そして障害があるからと言って甘やかさなかった母親の教育も素晴らしかったと思いました。
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