「ダイイングアイ」 東野圭吾

「今度の東野圭吾は悪いぞ！」が合い言葉の東野氏のホラーミステリーかな？
ある部分の記憶を喪失してしまった主人公だが、そのとき交通死亡事故をおこしていたことを知らされる。記憶が少しづつ戻りはじめるとともに、自分の周辺の人々の怪しい行動にも気づき始める・・・。そして得意のトリックでクライマックス・・・という流れだが、嫌いではないのだがどうもインパクトに欠ける。
改めて言うが、こういった記憶をさかのぼっていく謎解きは好きな方で、流石東野作品だけあって面白いのだが、今回は「怨念」「霊」「瞳」「ロボット」「心理？催眠？」等がキーワードになってくるのだが、どうも中途半端というかしっくりこない。単純に〆が予想できてしまったからかもしれない。前半～中盤の緊迫感はぐーっと読ませるだけに実に惜しい。できれば「美しい凶器」のようにどこまでも追ってくるような迫力ある方向にもっていっても良かったような・・・？とりあえず超常現象的な流れで上手く締めようとしたのが良くなかったのかなぁ～？東野氏のプチホラーは好きなのでぜひまた挑んでもらいたいものだ。