インテリア・家具 横浜元町[ダニエル] 家具店主 咲寿義輝のブログ

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修理するために・・・。

2012-06-19 | 家具修理関係
今日の家具修理依頼はダイニングチェアの『グラつき』を直していほしいと言うモノでした。

30数年使用されているデンマーク製のダイニングチェア。木部はとても希少価値のあるローズウッドの品物。

デザインがシンプルなので、飽きがこなく使いやすい。


今回はこのチェアがどうしてもぐらつくということで修理に取り掛かった。



まずは脚と座面がノックダウン(取り外しができる構造)のために、ノリが切れた隅木がボルトを締めると締めれば締めるだけ、脚が中に入り、座面を支えている木枠が「ハの字」に広がっていくことが原因と判明。

全てのパーツを分解して、定位置にあるはずの隅木の位置を特定。
ノリ付けする。

ここで、ダニエル職人の技と知恵が見られた。



隅木と座面の木部、脚の付け根のパーツを固定するに為に、この椅子のためだけの固定ジグを製作
このジグで締め付けをしてノリが乾くまで待つ。



この椅子を製作する工場であればこの椅子のためのジグや道具は揃っているが、『家具の病院』では他メーカー、国内外問わず、修理が必要な家具が入院してくるため、今回のように、飛び込みの椅子に対してその椅子だけのためにジグや道具を製作している。

このジグがなくても『ノリ(接着剤)が利けばいい』と思い仕事をする職人さんが多い(当たり前かもしれない)。しかし、そこで妥協すると、接着の位置や断面に対する接地面、接着力が完ぺきではない。

常に、完璧を追い求める『ダニエル職人の≪心≫』が、わざわざであろうとなかろうと、一つ一つの患者(製品)に対してジグや道具を作り、今までの経験と技で修理を手掛ける。

こうして修理された椅子は、また元の自宅に戻り、さらに家族とともに歳を重ねていく。

★★★ダニエル『家具の病院』オフィシャルホームページ』★★★



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