俺はこの作品を描くにあたって、3つのルールを徹底している。
それは「決して上手く描こうとしない」
そして「決して綺麗にまとめようとしない」
最後に「感情が高まった時以外、作品に手を加えない」というルールだ。
それは俺はこの作品を描くという創作作業ではなく、感情をぶつけ、刻む、衝動的行為の塊にしたかったからだ。
この表現方法が今回俺が伝えたかったテーマを体現するのに一番具合が良い。
そのテーマとは『業(カルマ)』
この作品を創るにあたってのルールに殉ずる為、感情を高める為に映像作品を非常にたくさん見ることになった。
映画は最低でも2日で一本は見て、ハマった海外ドラマはシーズン6まで見た。
その中で非常に作品を与えた
「海外ドラマ デクスター」
「映画 羊たちの沈黙」
「映画 エレファントマン」
その中でもエレファントマンは、まさに俺がこの作品で表現したかった事を、そして俺が叫びたい事を、非常に丁寧に分かりやすく説明してくれた映画だ。
1つの映画で2回泣かされたのは初めてだった。
俺はこの映画から、俺自身が伝えたかった3つの強い想いを感じ取った。
1つ
「美とは一体何なのか?」
2つ
「人間とは一体何なのか?」
3つ
「人間である為に背負うべき業は何なのか?」
俺はこの映画は具体的に俺の言いたい事を伝えている。
では、俺の絵は、丁寧に意味を翻訳したモノでなく、翻訳してない状態、グチャグチャになった苦しみ、葛藤を現したモノ。
つまり、絵で「エレファントマン」を具現化し、そして主人公である「ジョン・メリック」に捧げる作品である。