DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

21世紀の民主主義を考える

・ネットから始まった反知性主義
 ネットが始まったばかりの頃は、あるゆる人々の対話が進み、これまでの米ソ冷戦のような対立は解消するだろう、と希望的予測をしていたが、フタを開けてみれば、初期こそベルリンの壁がなくなり、アラブの春も経験したが、宗教対立は悪化したし、板門店(朝鮮半島)の壁も、中国と台湾の壁も解決の見通しはむしろ遠ざかっている。
 何より、ネットは反知性主義の台頭をもたらし、21世紀の民主主義の危機を目にすることになった。ネットに情報が溢れる中で、フェイク(しかもどれがトゥルースでどれかフェイクか容易には分からない)ニュースもまた溢れかえっている。
 日本は表向き戦争がないとはいえ、メンタルをやられた人物によるテロがあり、ネットいじめを始めとした突出した自殺者数は十分に戦死者に等しい犠牲者である。

・独裁国家が民主主義を超える可能性が見える時代
 中国の台頭は何を意味するのだろうか。人間の創造性の基礎となる思想の自由のない国が世界の先頭に立とうとするとは誰が想像しただろうか。しかし考えてみれば、資本主義と呼ばれる私たちの社会もまた、産業革命の時代からずっと格差問題があり、自由は高度成長時代のような一部の時代を除けば決して自由とは言えない。もちろん、行き詰まりが訪れるのは目に見えてるし、中国はこれから超高齢化社会が待っているので、経済戦争もリアルな戦争も厳しくなる。

・環境とウイルス
 地球温暖化とか、ウイルス蔓延とか、人類の敵はついに自然現象になった。思想的な革命より、科学技術の根本的な見直しに迫られている。冷戦時代の脅威だった核兵器も、なくなったわけではなく、ソ連消滅でなんとか理性的に戦争で使わないルールが守られているだけで、後先を考えない独裁国家の首長が核を持てば、核戦争の危機は今でも十分にある。

・今はもはやこれまでの遺産の食い潰し
 石油石炭は、CO2問題を抜きにしても、そもそも採掘量に限界がある。数千年前の化石からなる燃料であるから、井戸水のように雨が降ったら補給されるようなことはない。

 これはもしかして、20世紀前半とそっくりなのではなかろうか?ワイマール憲法で理想的な民主主義を具現化したと思っていたドイツが、突然ナチス一色になったり、スペイン風邪が大流行、第一次大戦の犠牲者の4割ほどがスペイン風邪の犠牲者だったとも言われる。
 中国にしても、東洋が世界を支配したモンゴル帝国はどのくらい意識しているのだろうか。チンギス・ハンが一代で築き1代で崩壊した帝国に学んでいないはずはない。
 つまり、あの時も人類は万能だと思っていた人類の知性を見直すことを余儀なくされたし、今もまさにその作業に取り掛からなくてはならない。
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