DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

Welcome to FETISH PARTY!

#次の発表資料の下書きとして投稿します。一部不正確な部分もありますが、ご容赦のほどを。

○前書き
 クラブカルチャーの最先端として、最も刺激的な空間を提供してくれるフェティッシュパーティ。しかしその一方、基本的に参加者が“表の顔”を隠して参加するパーティであり、メディアや活字になることはほとんどない。文化記録が残らないのはもったいなく、かじっただけの素人だが、むしろ多少距離を置いた自分の方が語りやすいだろう、と考え、資料作成にトライすることにした。

○フェティッシュパーティとは
・「変態パーティ」と呼ぶのが正しい
 フェティッシュとは、後で述べるが、原義は“モノ(衣装素材)への偏愛”であり、現在では本来のフェティッシュはパーティの一要素に過ぎない、現在のフェティッシュパーティは様々な“変態”をイベント化したものであり、実質的には“変態パーティ”である。詳細については「フェティッシュの種類」の章で述べる。また、「変態」の定義についても、終章で問題提議する。
・クラブカルチャーとは似て非なるもの
 基本的にはクラブフロアで催されるパーティであり、クラブカルチャーとの関係は深い(もちろん、ほとんどのパーティではフロアではDJがハードテクノをかけている)。しかし、フェティッシュカルチャーはクラブカルチャーの下位分類ではない。と言うか、そもそもフェティッシュカルチャーは音楽カルチャーではない、上述の通り、変態文化全般である。
・ヨーロッパの文化に日本文化がブレンドされている
 フェティッシュカルチャーがクラブカルチャーの下位ではないことは、前述の通り“変態パーティ”である側面もあるが、それ以上に日本の変態文化を取り入れて、さらにクラブカルチャーとは異なる独自性を持って発展している点が大きい。詳細は後に述べるが、“緊縛”がその最たるものである。さらにオタク文化とのクロスオーバーも日本独自のフェティッシュカルチャーの発展に大きく影響。
・性的側面はあるが、LGBTとも異なる
 LGBTは(一部後天性の場合もあるが)基本的に先天的な性癖である。本人が望む望まないに関わらず、DNAレベルで同性を愛し、自身の生物性を否定する。一方、フェティッシュは完全に後天的なものであり、本人が自らの意思で選び取った性癖である。とはいえ、もちろん、フェティッシュパーティにはLGBTの方あるいはLGBTの人権養護運動に携わるアクティビストも少なからず参加している(と思われる)。

○フェティッシュな人々
・社会的地位の高い人が多い
 そもそもクラブカルチャーは、もともとは階級社会の産物であり、エスタブリッシュメントの集う場であった。それがビートニクなど60年代のサブカルチャー登場によって、労働者階級独自のクラブカルチャーが生まれた。
 フェティッシュパーティは、どちらかと言えばゴージャスな空間であり、むしろエスタブリッシュメントのクラブ色を強く残している。これもまた、クラブカルチャーとフェティッシュカルチャーの線引きの理由の1つ。
#これって、ネット炎上に加担するのはむしろ高学歴が多い、と言う調査結果と関係あるのでは?と邪推もするが、今回の本題からは外れるのでまた次の機会に。

・ドレスコード
 パーティと言うもの自体、昔からドレスコードはあった。つまり、結婚式にカジュアルウェアでの参加はご遠慮ください、と言うのと同じ。ディスコ時代にもGパンサンダルはダメとか、一定のドレスコードはあったし、クラブカルチャー時代でもパーティによって「赤い衣装が望ましい」などのドレスコードが敷かれることは珍しくない。しかしフェティッシュパーティでのドレスコードはそれらに比べ遥かに厳格である。ドアマンがパーティにふさわしいコスチュームかどうかを吟味し、雰囲気にあわない人は容赦なくお引き取り願う(私自身、当時5万くらいかけてコーディネートしたサイバーファッションをキメて向かって、ドアマンに断られた時は泣きました:-))。それは、パーティが出演者で作られるものではなく、観客が参加して初めて成り立つ空間だと言うこと。そこには「お客様vsサービス提供者」のような今日の経済至上主義へのアンチテーゼにもつながる。

○フェティッシュの種類
・フェティッシュ
 先ほど「モノへの偏愛」と簡単に書いたが、詳しく言えば「衣服の素材への偏愛」と言うべきもの。メジャーなものではラバーフェティッシュ、エナメルフェティッシュがあり、ラバースーツ、エナメルスーツは大人のおもちゃ系の通販などで購入可能。手軽なところでは全身ガーゼ包帯などからチャレンジしてみると良い。
・サイバー
 自分のパーティウェアはこの系統だが、なにげに説明は難しい。宇宙人ファッション、なんて言い方もあるが、少なくとも私は宇宙人コスプレをしている意識はないので、説明より実物で。サイケデリックとも似ているが、サイケの特徴である極彩色とも異なる。
・ユニセックス
 LGBT的なgender twistもあるが(男子がスカートをはいたり、V系のように男子が化粧したりなど)、現在では一般的認知も進んでいるので、実質的にサイバー系との区別は難しい。
・SM
 性愛としてのSMは風俗雑誌にもよく取り上げられるし、今日の日常会話にもよく現れる。むしろフェティッシュカルチャーでのSMは性的刺激もさることながら、階級転倒class twist的な意味合いが強い、女王様プレイはよくあるが、フェティッシュパーティでは奴隷のレベルではなく家畜のレベルまで自分をおとしめるファッションをコーディネートする。ほぼ全裸の女子を犬のコスプレをした男子が首輪を付けて散歩する光景など。
・ゴシック
 ゴシックもまたサイバー同様、ファッションとして進化してきたジャンル。日本ではV系ロックアーティストが好んで取り入れるので、ユニセックスと混同されることもあるが、ユニセックスがgender twistの表現であるのに対し、ゴシックはキリスト教の宗教的な表現である。つまり、天使と悪魔=善と悪の対立、が重要なモチベーションである。また、中世的なイメージもゴシックを特徴づける。
・人体改造
 タトゥーやピアッシングは、日本では不良文化、ヤンキー文化の一部と考えられているが、海外では宗教タトゥーもあるので一筋縄では語れない。また、人体改造には他にサイボーグ整形(豊胸手術で行われているようなシリコン注入を、腕や頭部などの他の身体部位にも入れて改造してしまう、あるいは、耳や舌以外の様々な身体部位にピアッシングを施すなど)もあり、ユニセックスよりさらにシリアスな表現とも言える。
・緊縛
 日本人には説明不要であろう。縄で身体を縛り付ける行為だが、西洋にもコルセットで激しく身体を締め付ける文化があるため、ヨーロッパのフェティッシュパーティにも古くから登場している。コルセットはある意味、女性のやせ信仰が生み出した究極の形とも読めるが、フランス革命以前から存在するファッション文化である以上、首長族のように民族文化と見なすべきであろう。
・人形愛
 これもオタク文化と親和性が高い分野だろう。もちろん性的欲求解消のためのラブドールは昔からあるが、フェティッシュではむしろフィギュアコレクションの延長としてのドールと考えた方が良い。ある意味、最もフェティッシュ(物神崇拝)の元義に近いとも言える。ラブドールに関しては、以前ちきりんさんのビジネスブログからも引用した通り、日本は非常に技術が発達しており、見映え、肌の質感ともにリアルな人間の女の子と大差なくなりつつあり、今や人形っぽい違和感がほとんど薄らいでいる。さらに3Dプリンターのような技術が進めば、素人が簡単に人気アイドルそっくりのラブドールを作れる時代もそう遠くはなく、未来の婚姻率にも大きく影響する可能性がある。さらに言えば、コスプレ的感覚として「自分が人形に成りきる」と言うアプローチも存在する。これは人体改造同様の「自分以外の誰かに成りきる」コンセプトである。
・ボディサスペンション
 視覚的に、フェティッシュパーティでも最も刺激的なパフォーマンス。背中や肩などの身体部位に直接フックを刺し、宙吊り状態で行われるパフォーマンス(他のもそうだが、本当に“良い子はマネしちゃダメ”の世界である。パフォーマーも医師と相談の上、OKをもらえる体調下でしか行わない)。究極の“見る痛み”が強烈。

○フェティッシュパーティの楽しみ方
・No Spectators
 ドレスコードの章でも述べたが、フェティッシュパーティでは“参加者全員がパフォーマー”であることを求められる。階級社会が地位の違いを否定し、偽りのない自分を解放することが本意だが、いずれにせよ、「選りすぐりの変態ども」が集う場に、気安くノーマル人が立ち入ってはならない。そこは神聖にして神秘の間なのである。
・大人のファンタジー
 どんな人にも、天国に行きたい願望はある。俗っぽく言えば、南の島のバカンスだったり。高望みしない人には家族の団らんが最も大事。それらに当てはまらない、ねじれた時空間に生きる人々への、第三の天国。そこにはアリスが住むワンダーランドが待っている。テレビでもインターネットでもなく、現実に存在する究極の非日常。
○グッズ
 後ほど写真を付けるが、大した視覚的インパクトはない。肌に触れ、五感で感じるグッズばかりである。
・ラバースーツ、サイバーウェア
 ラバーはシンプルに全身タイツ型のスーツがおすすめ。今の日本の蒸し暑さではおすすめしかねるが、コットンともシルクとも違う、強烈な肌へのフィット感が第一。隠れ家で楽しむファッションなのだから、先ずはフィット感だ。サイバーは逆に、デザイナーのクールなウェアも良い。
・緊縛道具
・手作り

○世界のフェティッシュパーティ
・Torture Garden
 フェティッシュパーティの本場イギリスの中でもさらにその最高峰。最強のドレスコードが敷かれる一方、世界最高峰のフェティッシュパフォーマーが登場する。
・Department-H
 日本最大のフェティッシュパーティ。変態への間口の広さでは世界一と言えるかもしれない。西洋的な変態と日本的な変態が入り交じるカオス状態を楽しむべし。

○あらためて「変態」の定義
・人類の中での「生物多様性」である
 性愛の多様性と言うのは、まだ歴史が浅い。セックスがリクリエーションになったのは19世紀に入ってからである。いまだにフェティッシュが好奇の目で見られるのはやはり歴史の浅さに負うところが大きい。逆に言えば、フェティッシュカルチャーの歴史は始まったばかりであり、今後何世紀もかけて進化する文化になると考える。すなわち、人類の中での“生物多様性”こそがフェティッシュ、変態である。
・サブカルチャーはどこへ行くのか
 階級闘争の中でサブカルチャーが生まれ、その下位カテゴリーの1つのクラブカルチャーと変態文化が出会ってフェティッシュカルチャーが誕生した。階級社会から格差社会に変わった現在、新たな文化闘争の現場にフェティッシュカルチャーは中心的ポジションを獲得していくだろう。
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