2の階乗のn進法は、パソコンが発達してからポピュラーになったもので、歴史が浅い。しかし古くからあるn進法は歴史があって、言語にも足跡があって面白い。
最初は60進法。1分=60秒、1時間=60分のように、時間の概念で頻繁に現れるが、フランス語にその足跡が残っている。50=cinquante、60=soixanteとn×10な表現だが、70=soixante-dixのように60+10という表現になる。60で一周して、70になると2周目に入る感じ。
続いて12進法。英語で11=eleven、12=twelve、と来て、13からthirteen、すなわち10+3と言う表現になる。英語か10進法ではなく12進法をベースにしていることが分かる。ちなみに、フランス語で10台の数字は16進法である。15=quinze、16=seizeとなり、17からdix-sept、すなわち10+7の表現になる。
ちなみに、欧米言語(正しくはインド・ヨーロッパ語族)の多くは単数形と複数形と言う概念もある(さらには双数と言う概念もあるし、さらにロシア語では2から4は単数は生格形、5から複数形とか、とんでもなく複雑なものもある)。
だが、これを持って、欧米言語は数に対してセンシティブ、日本語は大ざっぱか、と言うと、必ずしもそうではない。日本語のすごさは単位にある。フランス語ではun homme、un poissonでも、日本語は1「人」の人間、1「匹」の魚、のように、打って変わって豊かな表現になる。
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