DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

アムネスティ・死刑廃止入門セミナー

 1か月振りのアムネスティのオンラインセミナー。ミクシィの自己紹介では触れているが、死刑廃止は自分の政治的主張の骨格をなすとも言えるテーマ。アムネスティのセミナーには案内を見てすぐに参加応募。
 今回はzoomと言うことでいちおう部屋着は避けたが、ビデオオンにする必要はなかったw。
 それはともかく、本題。アムネスティの調査による世界の死刑制度、および死刑存置国の死刑執行状況についての解説をいただいた。世界で今も死刑制度が残り、かつ執行事例もあるのはたった20カ国。世界198カ国ある中でそこに日本が含まれていると言う現実。
 また、冤罪事件もたくさん紹介された。免田事件の無罪獲得までの気の遠くなるような時間。
 アムネスティは世界的な人権擁護団体であるが、もちろん国連にも人権機関があり、また様々な人権擁護のNPOとも連携している。
 個人的に最も関心があったのは、そもそも私は国家権力が国民を殺す権利を持っていること自体を問題視しているのに、一般的な議論で犯罪抑止力や被害者感情を理由に死刑存続を訴える主張が多数で議論に大きなギャップを感じており、有識者(今回はアムネスティの方)がどのようにお考えなのか伺いたかった。答えとしては、日本では政治犯の死刑は戦前までで、近年は専ら殺人などの一般的な刑事事件をベースとして議論されているからではないか、と言うものだった(注意:アムネスティは各国政府ヘの働きかけ、各地の死刑状況の客観的注視を中心に活動しており、世論動向を調査することが専門ではないので、あくまでも登壇者の経験に照らし合わせた見解レベルの回答)。
 また、被害者感情に対して死刑以外でどう報いるか、と言う質問も。これもまた、アムネスティが直接扱う論点ではないのだが、フランスでは人権についての議論が高校の授業としてあり、教育で人権を考える場がないことも参加者から指摘があった。
 犯罪抑止力と言う観点も。基本的にアムネスティの持っているデータでは死刑制度が犯罪抑止力になっている傾向は見られない、と言う見解。また、死刑執行官の精神的サポートを、と言う興味深い論点も挙げられた。
 個人的印象としては、やはり日本では議論の論点が狭いように感じる。議論はこういう機関だけでなくきちんと市民レベルでもしっかり行われなければならないし、人権擁護機関のアムネスティとしては、過度に世論に左右されることなく死刑制度廃止を進めるよう日本にも通告してきた(死刑廃止国にも世論は存続派多数でも廃止に踏み切った例はたくさんある)。今日の、人間の存在価値を「生産性」で語るような風潮を変え、人権について真正面から語れる国にする必要を強く感じた。
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