2008/06/06
1兆ドルを超える高水準
外貨準備とは、自国通貨の外国為替相場が急激に下落したり、自国が経済危機に陥って対外債務の支払いに窮したりする場合に備えて、政府や中央銀行があらかじめ蓄えている外貨建て資産のことである。日本の財務省の発表によれば、財務省および日本銀行が保有する外貨準備高は、2008年2月末に初めて1兆ドルの大台を突破して過去最高水準を更新中であり、3月末時点では1兆155億ドルに達している。この金額は円換算すると約100兆円となり、日本のGDP(名目国内総生産)の2割に相当する巨額である。また、日本の外貨準備高は、06年に中国に抜かれるまで、13年間にわたって「世界一」の座を占めつづけるなど、国際的にみても高水準である(現在は、中国に次いで世界第2位)。
準備高削減こそが優先課題
なお、外貨準備を株式などに運用して積極的に利回りアップを目指すべきとの議論も一部でなされているようであるが、本末転倒であり、過大な外貨準備高をどうやって減らすのかという本来の課題にこそ真剣に取り組むべきであろう。