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タダほど高いものものはない!

2024-11-02 11:24:45 | 日記
この若者たちは、これからどんな人生を送るのだろうか。緊縛事件の犯人たちだ。彼らのことを心配しているのではない。長い年月、自分なりに努力して穏やかに暮らす年配者へ暴力をふるい、財産を奪うような罪を犯す若者が更生や改心することはあるのだろうかという問い掛けだ。警視庁と首都圏3県警が合同捜査本部を設置したから事件そのものは収束に向かうだろう。犯人たちは人生で最も輝く時期を服役と償いに充てるが、本当の意味で被害者が人生で最も輝く時期を強制的に奪われたことを理解できるのだろうか。

この連中の行動を闇バイトと呼ぶらしい。そこには指示役、実行役が存在するそうだが、両者に罪の軽重はない。この数日の報道をみると、実行役をまるで被害者のように扱うようなバイアスの掛った論調もあるが、そもそも数行の募集広告の怪しさに気付かない、低い知識レベルが問題だろう。3問の広告サンプルで怪しいものを見分けるテストでは高校生の全正解率が23%だという。この絶望的な統計の理由には、思い当たる社会現象がある。タダの横行である。

拡張機能を求めなければ無料で使えるスマホのアプリ、制約はあるのだろうが無料で読める漫画などのことで、単に消費者が無料で使える仕組みに過ぎないが、悲しいかな訴求の仕方が悪い。「むりょ〜」や、「タダタダ、タダタダ」を有名人が連呼するCMが、「タダほど高いものはない」という伝統的な価値観への罪悪感を無くしている。カネを払わずサービスが利用できることは本来、疑ってかかるべきだろう。物を運ぶだけの軽作業で日給5万円貰えるなら、なぜ多くのヒトは苦労して仕事を続けているのか。なぜ、風邪気味でも二日酔いでも座ることすらできない通勤電車に長時間揺られ、意味不明な理由で上司に叱られることに耐え、昼食代を節約してコンビニで缶ビールを買って飲むのだろう。ひとりの年長者として、犯人たちに言いたい。生きていくことを舐めてはいけない。


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