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家族 中産階級の模範として

2015-05-08 10:28:11 | 日記
ヴィクトリアとアルバートは側近フォン・シュトックマー男爵の忠告で、離婚・愛人・私生児などの不行跡で国民からの人気が皆無だったジョージ3世の息子らのようにならぬよう自らを律していた。イギリスでは王が道徳的に高潔な時にのみ国民から支持が得られるからである。
ヴィクトリアとアルバートは生涯仲睦まじい夫婦であり続け、多くの子供を儲けた。アルバート存命期のヴィクトリアの絵画や写真はほとんどの場合アルバートや子供たちと一緒に映った物である。ヴィクトリア自らがこうした「幸せな王室一家」の構図を描くよう指示したという。
こうした家族団欒の光景は、資本主義の発展で貴族に代わって台頭した中産階級の道徳・価値観に沿うものであり、王室は中産階級の賛美の対象となっていった。ヴィクトリア朝の中産階級では、女性が働くことは下層民への転落の証として忌避され、結婚して家庭に専念することが女性の理想像とされていたのである。
こうしたヴィクトリア朝中産階級の価値観に照らし合わせれば、アルバートを失った後のヴィクトリアの長い喪服も当時の未亡人の理想像といえるものであり、喪服によって王室に親近感を持つ国民も少なくはなかったのである。
子女
夫アルバートとの間に4男5女の9子を儲けた。娘達をドイツを中心とした各国に嫁がせ、40人の孫、37人の曾孫が誕生した。晩年には「ヨーロッパの祖母」と呼ばれるに至る。
第1子(長女) ヴィクトリア(愛称ヴィッキー)(1840年 - 1901年) - ドイツ皇帝フリードリヒ3世皇后。
第2子(長男) アルバート・エドワード(愛称バーティ)(1841年 - 1910年) - サクス=コバーグ=ゴータ朝初代英国王エドワード7世
第3子(次女) アリス(1843年 - 1878年) - トゴ ピンク×シルバー金具 ヘッセン大公ルートヴィヒ4世大公妃
第4子(次男) アルフレッド(1844年 - 1900年) - ザクセン=コーブルク=ゴータ公・エディンバラ公爵
第5子(三女) ヘレナ(1846年 - 1922年) - シュレースヴィヒ=ホルシュタイン公子クリスティアン夫人
第6子(四女) ルイーズ(1848年 - 1939年) - アーガイル公爵ジョン・ダグラス・サザーランド・キャンベル夫人
第7子(三男) アーサー(1850年 - 1942年) - コノート公爵
第8子(四男) レオポルド(1853年 - 1884年) - オールバニ公爵
第9子(五女) ベアトリス(1857年-1944年) - バッテンベルク公ハインリヒ・モーリッツ公妃


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