夕暮れ薄暗い頃
おかあさんはひとりで
駐車場の空いている場所
誰も止めないその
土塊と枯葉と虫までいる場所で
赤ちゃんつまり
流産した私を守るように
最期の力を使いきり
その誰も座ろうとしない場所で
赤ちゃんと
暴力団から逃げてきた
そのあとは
おかあさんの友達知人と警察で
保護されたらしい
パパは急いで病院へ行って
赤ちゃんを殺す説明を
医者から受けた
パパは表情を変えず
看護婦と出て行った医者を見送ると
「最後に赤ちゃんを見せてください」
と
抱っこしたお包みの
赤ちゃんの私を
抱きしめて
病院の出口へ
看護婦たちの叫び声をあとに
走って病院を出た
ゆうか♡