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幸福実現党
江夏正敏の闘魂メルマガ vol.24
2014年09月16日発行
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江夏正敏 幸福実現党
政務調査会長のオフィシャルブログ
http://enatsu-masatoshi.com/
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1、江夏正敏の「闘魂一喝!」
「本当に幸福な医療とは(2)薬がたくさんで幸せ!?(前編)」
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医療の2回目です。今回は「薬」についてです。少し長くなりそうなので前編と後編に分けて配信します。
病院に行くとたくさんの薬を処方してもらいます。安心な気持ちになる人が多いとは思いますが、本当にこれでよいのでしょうか。
●薬漬け!?
結論から申し上げます。
「現在の医療は、過度の薬漬けに陥っている。薬が増える一方で、減りはしない。
病院には患者を増やしたがる傾向があり、薬が切れたら病院に来なくなるので、切らさないように薬を出し続けている状況がある」ということです。
もちろん、良心的な医師が多数いらっしゃり、医療の現場で、一生懸命に患者を治療されていることは重々承知の上での意見です。
さらに、このような意見もあります。
「一生、治療を続けて薬を飲ませ、あまり良くなる見込みのない治療を施しても、
国民からお金をいただけるし、国家から税金にも似たお金を取り続けることができる」という辛辣な意見です。
一面の真理を鋭く突いています。
これは、今の医療制度の中には“天国”ではなく、一つの“地獄”が潜んでいるということです。
医師個人の資質というよりも、医療制度の中に、このような傾向が現れてしまう仕組みがあるということなのです。
●本来の薬の処方とは。
薬も増えるばかりで、「減らす」ことは病院にはできないようです。
「もう薬はいりません」「放っておけば治ります」などとは、なかなか言えないのです。
食べ過ぎや運動不足などの不摂生だけではなく、ストレスの調整などの心のあり方も、病気の半分以上を占めています。
「心のマネジメント」によって治せる病気はたくさんあるのです。
医師から「一生、この薬を飲み続けなければならない」と言われても、額面通りに受け止めてはならないこともあるのです。
先日も、あるご婦人から「10年前に医師から『あなたは○○病ですから、一生治りません。ずっとこの薬を飲んでください』と言われて愕然としました。
しかし、ある時から考え方を変えたら、治りました。医師の言葉の力から逃れるのにどれだけ大変だったか。今は健康で幸せです」との話を聞かせていただきました。
もし、その医師の言うままだったならば、病気のまま薬を飲み続けていた可能性が高いと思われます。
実は、医療界が検査や薬を必要以上に勧めて「病人を増やしている」という現状があるのです。
●医療の進歩をどう考える。
誤解があるといけないので確認しておきますが、医療の進歩に関しては肯定しています。とても素晴らしいことだと考えています。
着実な進歩を成し遂げているところは称讃していますが、人間に本来備わっている自然治癒能力を阻害し、
必要以上に新たな病名を見つけて病人宣告をするような面に関しては、医療の進歩とは言えない部分もあるのではないかということです。
例えば、血圧やコレステロールの正常値基準を上下するだけで、患者が増えてしまいます。メタボの基準もそうでした。
医療が進歩していると言われながら、患者が増えている現状を見れば、何かがおかしいと感じられるでしょう。昔の人の方が健康で達者だったようにも思えます。
●具体的な薬の医療行政問題。
以上、薬の処方に関する全般的で本質的な問題を論じました。
もう少し具体的に、医療行政に関する問題を掘り下げていきます。
医薬品に関しての根本問題は、長年にわたり強力な国家統制のもとにあったことです。
●「新薬の許認可」と「薬価の公定価格」。
具体的には「許認可」と「価格設定」という、医薬品産業にとって経営の重要な部分を国の管理下に置かれていたところに問題があります。
その結果「許認可」統制によってのドラッグ・ラグ(新薬の承認遅延)は先進国中最悪の状態。
薬価については、公定価格という市場原理が全く働かない非効率な政策が行われているのです。
●日本の薬価はどうやって決まる?
さて、まずは薬価についてです。現状はどうなっているのでしょうか。
公的医療保険が適用される処方薬の「薬価」は、2年に1度、厚生労働大臣の諮問機関である「中央社会保険医療協議会(中医協)」というところで決定されます。
国が品目ごとに一つ一つ価格を定め、2年ごとに改訂する制度で、先進国では例を見ません。市場原理が働かないはずです。
●薬漬けの原因となる「薬価制度」。
公的医療保険のもとでの出来高払い制は、「薬漬け」の原因ともなりました。
処方した薬に対して、全額、医療保険の支払いが行われるので、投薬量の大小が利益に直結します。
となると、薬の大量処方の風潮が蔓延し、「薬漬け」を招くこととなったのです。
●歪んだ営業合戦の誘発
薬価が公定価格となって差別化ができなくなり、価格競争がなくなると、それ以外のところで勝負が始まります。
それで歪んだ営業合戦が誘発されるのです。過去においては、製薬会社のMR(医療情報担当者)が医師を接待漬けにしていた話は有名です。
現在は、規制が強化されたので、大学への研究補助や、医師への講演謝礼などとなっているようです。
しかし、本来なら、どの薬を使うかは、薬の効き具合やコストパフォーマンスなどで、総合的に判断すべきでしょう。
ところが、歪んだ営業で決定されたのなら、患者不在と言われても仕方ありません。
●「薬価制度」による薬価の高騰
当局は「薬価制度」によって、できるだけ価格を下げようと目論みます。なぜなら、薬価が高ければ公的医療保険からの支払が増えるからです。
しかし、日本の薬価を国際比較すると、日本でよく売れている薬剤77品目の平均薬価は、イギリス、フランスの約2倍、ドイツの約1.5倍になります。
欧米諸国ではジェネリック医薬品(特許が切れた医薬品を他社が作成した後発医薬品)の価格は「先発薬の7~9%」ですが、
日本では中医協が「先発薬の70%」と、不当なほど高く設定されていたことに原因があります。
欧米では薬価を製薬会社が自由に決める部分があり、市場原理が働くため、ジェネリックが登場すると、薬価は暴落します。
しかし、日本ではジェネリック医薬品は「公定価格」で高止まりするのです。
●日本の製薬会社の開発能力の低下
さらに、日本の製薬会社は、新薬開発能力を失い、既存の薬を売ることしかできないような状況になってしまいました。
例えば、日本国内で承認される新薬の75%は外国で開発されたものなのです。
本来の製薬会社のモデルは「長い時間をかけて新薬を開発。特許で保護されている間に、独占的に販売して開発費を回収し、高い収益を得る」というもの。
特許が切れるとジェネリックが出回って価格が暴落するため、製薬会社はさらなる新薬開発に励まなければ、淘汰されてしまいます。
このような緊張感の中で海外の製薬会社は、しのぎを削って開発競争を行っているのですが、日本では新薬を開発しなくても生き残れる「ぬるま湯」に浸っているのです。
というのは、中医協が薬価を「一物一価」で一方的に決定し、特許の切れたジェネリック医薬品でも、高い価格(先発薬の70%)が維持されるので、
製薬会社が新薬を開発する意欲が低くなるからです。
まだまだ、長くなるので今回はここで終わります。
次回は薬価制度の問題点の残りと、新薬許認可の統制問題、医薬品産業の行末、そして、改革の方向性についてまとめます。
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2、編集後記
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今回は薬についてでした。医療問題は調べれば調べるほど、問題点が多岐に渡り複雑です。
また、医療関係者に知り合いも多いのですが、立派な人がほとんどです。
一生懸命に治療されている医療関係者が、もっと力が発揮できるような政策が実現できりれば、こんな幸せはありません。
そのためには、言いにくいことも言っていかねばならないと感じています。
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◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール
1967年10月20日生まれ。
福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。
広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、
HS政経塾・塾長等を歴任。
幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。
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◆ 発行元 ◆
江夏正敏(幸福実現党・政務調査会長)
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