ビットコイン価格の上昇の影響からハッシュレートが最高値を更新し、2018年11月の60.4EH/sを上回り72.5EH/sを記録した。
https://www.yahoo.co.jp、ハッシュレートチャート
ビットコイン価格の上昇はマイナーの収益を向上させるため、より多くのマイナーがPoWに参加することに繋がりハッシュレートが上昇する。ハッシュレートはマイナーが1秒間に行う演算作業量を数値化したものだ。
ハッシュレートの増加は、価格の上昇によりマイナーの演算を行うインセンティブが上昇したことに加え、マイニング機器自体の性能の向上も影響しているものと考えられる。
最新のASICは続々とリリースされ、日を追うごとに性能が向上している。Asicminervalue.comによると、8月にリリースされるMicroBTのWhatsminer M20Sは、世界で2番目に高性能のASICになる予定で、3360ワットの電力で70TH/sの演算作業を行うことができる。
マイニング事業の好調を表すように、イギリスでマイニングを行うArgo Blockchainは先週、6月の事業成績を公表し、収益が5月と比べて24%上昇したことを報告している。マイニング事業の好調を受けて、同社は第三四半期の終わりまでに2500台のASICを追加投入することを決めており、さらなる収益性の向上を見込んでいる。
ハッシュレートの上昇はビットコインのネットワークのセキュリティ強化に繋がる一方、ハッシュレートが上昇し続けるとマイナーの収益性は低下する。ビットコインのマイニングアルゴリズムは、ハッシュレートが増加するとマイニング難易度も上昇するように設計されているからだ。
マイニング難易度が上昇するとビットコインを掘るコストが上昇するため、マイナーの収益性が下がり、より多くのビットコインを現金化し運転資金に充てなくてはならなくなる。
https://www.yahoo.co.jp、マイニング難易度チャート
現在ハッシュレートの増加と共にマイング難易度も最高値を更新している。
https://www.yahoo.co.jp、マイニング収益性チャート
マイナーの収益性は価格との関連性が強く、高いハッシュレートはマイニング事業の競争激化を示し、マイナーのビットコイン売りを引き出すため価格の重しになる可能性もある。