
脳科学の知見に依拠した立論は信頼性が高く有益だ。その点、目の付けどころがよい。
事例の紹介、事件の時代的背景についての論述など、著者のサービス精神がひかる。読んでためになりかつなかなかおもしろい本だと思う。
“動機”の理解が難しいために、その質や量に比べて、少年非行・犯罪はしばしばセンセーショナルに取り上げられがちである。しかし、近年の脳科学の著しい発達はその不透明な部分を少しずつ解明し、犯罪を構成する要素の意外な姿が浮かび上がってきている。「対人関係」や「想像力」などに強い偏りを見せるアスペルガー障害と非行特性との関係を明らかにするなど、少年非行・犯罪の分野で新しい局面を切り開いてきた著者が、メディアや家族、性差、精神医学などの視点から自らの体験を再検討し、事態のより正確な把握を試みる。
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