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例によって、三菱総研と組んで行われたウェブ調査の単純集計、クロス集計データが、延々と紹介されている。
10年の間での、階層帰属意識の変化と、上流、中流、下流階層それぞれの、政治意識、メディア接触、消費意識のありようとそれらの比較には、なるほどと思わされるところがいくつかあった。
ちょうど、ジェームス・K・ガルブレイスの『不平等──誰もが知っておくべきこと』と並行して読んだのだが、『不平等』が厳密な統計データの精査により書かれているのに対し、三浦さんの分析は雑ではある。しかし、方法が厳密なだけであまり発見のない階層分析よりも三浦さんのそれの方がはるかにおもしろい。
下流43%。昭和35年並みになった日本。上流は自民党、下流は無投票。選挙権年齢引き下げは自民党の策略か?下流はテレビすら見なくなった!公務員は現代のお代官様。タイムマシンで行きたい時代は「バブル時代」!衝撃のベストセラー『下流社会』から10年―日本は新しい「身分社会」に突入していた!
目次
第1章 階層格差の実態―持てる者は富み、富める者同士が結びつく
第2章 格差固定の実態―落ちるのは簡単だが、上がるのは難しい
第3章 職業別分析―公務員が上流という新封建社会
第4章 政治と政策―自民党に投票したのは夫婦のみ世帯という不快な結果
第5章 メディア―インターネットが政治を「保守化」させた
第6章 消費意識―下流は精一杯 上流は欲しいものがない
第7章 コミュニティとコミュニケーション―若い世代はソーシャル系と文化的オムニボア、シニアはUBRCに注目
第8章 将来展望―行きたい時代はバブル時代。学生、非正規雇用、無職は江戸時代も多い
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