沖縄の公認会計士佐藤晃史のブログ

沖縄で医療機関支援、事業承継、相続対策に強い会計事務所を経営している佐藤晃史のブログです

今後4年間の法人税率の違いを利用した節税策について

2012-03-10 11:45:25 | 法人税
法人税率の引下げと3年間限定の復興増税の2つの要因が重なり、今後4年間は毎年法人の実効税率が変化します。

3月決算法人の実効税率は平成24年3月期で40.69%ですが、平成25年3月期から平成27年3月期までは38.01%となり、平成28年3月期以降はは35.64%になります。

この実効税率の変化を利用した、節税策をご紹介します。

<基本的な考え方>
実効税率が高い時期は利益を抑え、税率が低い期間に利益を出すこと

<具体的な方法>
法人が今期決算前に50%又は100%損金タイプの生命保険(逓増定期等)に加入し、5年後以降に解約する

今期、年間保険料6,000万円の50%損金タイプの生命保険に加入した場合に、保険に加入したことより、本来払うべき法人税等を将来に繰り延べた金額は以下の通り。

24年3月期:3,000万円×40.69%=1,220.7万円
25年3月期:3,000万円×38.01%=1,140.3万円
26年3月期:3,000万円×38.01%=1,140.3万円
27年3月期:3,000万円×38.01%=1,140.3万円
28年3月期:3,000万円×35.64%=1,069.2万円
5年間の繰り延べ額合計     5,710.8万円①

仮に生命保険の5年後の解約返戻率を100%とすると、
5年後の解約時の解約返戻金は、6,000万円×5×100%=3億円となります。

解約時には、解約返戻金の50%の1億5千万円が収益となり、法人税等が課税されますが、
この時の法人の実効税率は35.64%であるため、解約返戻金受取時の法人税等は1億5千万円×35.64%=5,364万円②となります。

以上の計算から、本件では①5,710.8万円-②5,346万円=364.8万円の節税が可能になります。

通常、法人契約の生命保険(逓増定期など)は、生命保険加入時と解約時の実効税率が同じであれば、税金の支払時期を遅らせる効果しかありません。
それに対し、今回の場合のように、実効税率が変化する場合は、税率が高い時期に加入し、低くなったら解約するだけで、本当の意味での節税効果が得られます。

以上のような節税策は、どの生命保険を使っても得られるものではありません。
ぜひ、生命保険に詳しい当事務所にお問い合わせください。


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