子供の頃、春になるとヨモギ摘みに連れて行ってもらった。
田んぼのあぜ道をてくてく歩いて、ツクシ・ノビル・セリ・レンゲ・ヨモギを見つけた。
そのヨモギをすり鉢ですり潰して作ってくれた草もち。
すりこぎを握る柔らかでふっくらした母の手。
辛い時には助けてくれて、
悩んでいる時は気付かせてくれて、
楽しい時は一緒に笑っていた。
ふと空を見上げると、青空一面を薄桃色に染めた花が風に揺れている。
はらはらと花びらが舞い降りてきた。
うろたえ、戸惑い、茫然とする。
ありがとうをどれだけ伝えればいいのかわからない。
あなたのあたたかさを大切に心に仕舞います。