物には思い出が貼り付いています。
この本を買った時のこと、この部分を読んだ時のこと、
このおもちゃで子供が遊んだ時のこと。
もうこれいらないなと思って処分しようとしても
思い出を振り切るのにエネルギーがいります。
仕事で物を片付けるのとは違います。
こっちは思い出がくっついていないので。
物の片付けは物についた記憶との戦いだったんですね。
こんまりメソッドではときめきが感じられないものは
処分ってことだったと思いますが、ときめきは感じられなくても、思い出が追いかけてきます。
中国の昔の王様は自分の御屋敷の庭に来て
美しい声で鳴くナイチンゲールにとても癒やされていました。
でも見た目は茶色っぽくて地味な鳥でした。
ある時からナイチンゲールと同じ鳴き声が出せる金色の作り物の鳥が
用意され、歌を歌うようになりました。
見た目もきれいなので、王様もこちらに夢中になり本物のことなどわすれてしまいました。
でもある時その作り物が壊れて、そして王様も元気をなくしていたところ
本物のナイチンゲールがやってきて歌を歌って王様を元気づけてくれたというおはなし。
バイオハザードでアリスの複製がいっぱい出てきても
オリジナルには敵わないって場面で思い出しました。
本物は超えられないって信じたいんだよね、きっと。