今回は日本と関係のあるナゴルノ=カラバフ紛争についてまとめようと思います。
ナゴルノ=カラバフ紛争は、去年2ヶ月にわたって発生した武力紛争ですが、日本では大して取り上げられませんでしたね。
結論から言うと、この紛争は「自衛権」という観点で大きな問題を抱えています。
ここでは詳しい背景には触れず、簡単な背景の説明をします。
ナゴルノ=カラバフ紛争とはソ連が崩壊した1980年代後半〜90年代、アルメニアとアゼルバイジャンとの間で、
「ナゴルノ=カラバフ」の地位を巡って争った紛争です。
結果的に、ロシアが支援するアルメニアが大勝を収め、ナゴルノ=カラバフだけでなくその周囲を含め領土の20%をアルメニアが占領してこの領土紛争は停戦となりましま。
元々アゼルバイジャン領だった事や、ナゴルノ=カラバフ以外の地域をアルメニアが占領している事から、国連安全保障理事会は、アルメニア軍の「占領」を認め、撤退命令を決議しています。
ところが、アルメニアはこれに応じず、30年が経過して2020年、紛争が再燃し、今回はアゼルバイジャンがトルコとの繋がりもあって大勝を収め…と言う流れで今に至ります。
ここで問題になるのは、アゼルバイジャンの主張に立った場合、
占領された領土の奪還が理由であるなら、30年経ったとしても武力行使は許されるのか?という問題です。
日本もよく竹島や北方領土は問題になりますが、アゼルバイジャンの主張が正しいならば、これらの島の奪還に向けた武力行使は正しいと言う事になります。
一方で、正しくないとすれば、アルメニア領内で迫害されるアゼルバイジャン人はどうなるのか?と、中々簡単な問題ではありません。
国際法上、武力行使が許されるのは自衛権と、安保理決議に基づく強制措置のみです。
領土奪還は自衛権で解決できるのか?
まだ先の見えない問題です。