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在職老齢年金(年金支給停止)制度

2014年09月24日 | 年金
在職老齢年金の導入の背景及び現在の状況について調べました。

なお、在職老齢年金(年金支給停止)制度は厚生年金加入者の厚生年金給付に適用されますが、国民年金の給付には適用されません。

在職老齢年金(年金支給停止)制度は理にかなっていないと思っています。

個人が、厚生年金給付開始年齢到達後、自らの能力によって収入を獲得しているにも拘わらず、その収入によって自らが過去支払ってきた厚生年金の保険料を基にした厚生年金受給権を一部又は全部放棄しなくてはならない制度は矛盾しています。

たとえ、厚生年金の繰り下げ受給を選択しても、停止された年金額は繰り下げ受給の年金額計算には反映されません。

従って、支給停止された年金額は戻ってきません。なお、アメリカ、イギリス、ドイツにおいては、在職していても年金額は減額されません。

私はFPとして個人事業主を選択しましたので、厚生年金への加入義務はなく、収入に関係なく60歳から厚生年金は満額受給しています。

さて、前置きが長くなりましたが、まず在職老齢年金(年金支給停止)制度の導入の背景について説明します。

1. 導入の背景:

厚生年金制度の老齢年金は、昭和29年にほぼ現在の姿になって以来支給開始年齢要件に加え、「退職」を支給要件としており、在職中は年金を支給しないことが原則でした。

2. その後の経緯

働いても年金が不利にならないようにすべき(就労を阻害しない観点)及び現役世代とのバランスから、一定の賃金を有する高齢者については給付を制限すべき(現役世代の負担に配慮する観点)との相反する要請の中で見直しが行われてきました。

3.現行の在職老齢年金制度の仕組み:

60歳台前半(60歳~64歳)の在職老齢年金

ー総報酬月額相当額と基本月額の合計が支給停止調整開始額(28万円)以下なら在職老齢年金は適用されない(年金は減額されない)

ー総報酬月額相当額と基本月額が28万円を超える場合、超えた額に2分の1が支給停止になる

ー総報酬月額相当額が支給停止調整額(46万円)を超えると、さらに年金の支給停止額が増え、全額支給停止になる場合もある

現在、60歳台前半の者に係る在職老齢年金制度について、調整を行う限度額(28万円)の引き上げを厚生労働省は検討課題にしていますが、今年から厚生年金支給開始年齢の引き上げが開始され、2025年度(女子は2030年度)には完全に65歳に引き上げられる事を鑑みますと、限度額の引き上げは見送られると予想しています。

60歳台後半(65歳~69歳)の在職老齢年金

ー総報酬月額相当額と基本月額の合計が支給停止調整開始額(46万円)以下なら在職老齢年金は適用されない(年金は減額されない)

ー総報酬月額相当額と基本月額が46万円を超える場合、超えた額に2分の1が支給停止になる

ー停止額が老齢厚生年金額を超えると、老齢厚生年金は全額支給停止になる

現在、60歳台後半の者に係る在職老齢年金制度について、調整を行う限度額(46万円)の引き上げについては議論されていません。

70歳以上の在職老齢年金

ー60歳台後半の在職老齢年金の制度が適用されます

ーただし、70歳以上の者は、原則として厚生年金保険の被保険者ではないため、保険料の負担は生じません

個人的には理にかなっていないと思っていますが、この在職老齢年金(年金支給停止)制度は今後も見直しされずに存続していくと予想され、いずれ60歳以降独立される方はこの制度の仕組みをよく理解しておく事が必要です。

厚生労働省の資料に「60歳台前半の者の在職老齢年金を廃止した場合には、約1兆円の給付増となる」とあり、すなわち過去支払った厚生年金保険料を基に計算された年金額約1兆円が放棄されている事になります。

厚生年金基金の解散

2014年08月28日 | 年金
今年も、厚生年金基金の解散が相次いでいて、これまでに加入する厚生年金基金の解散を発表した上場企業は39社と、既に昨年の年間発表社数(34社)を上回っています。

高齢化による給付増で財政状態が悪化、今年4月に解散を促す法改正がなされたのを機に決断する基金が増えました。

この厚生年金基金解散の際、非常に重要な注意点があります。

厚生年金基金は、本来、国が支給する”老齢厚生年金の一部代行部分”プラス厚生年金基金の”上乗せ部分”を、企業及び業界独自の厚生年金基金を通じて年金給付を行う制度です。

この”一部代行”が重要なポイントです。

厚生年金基金は解散になると、通常加入員は”上乗せ部分”を年金か一括受取を選択する事になります。この選択で年金受領は終了だと思って居る方が大変多いのが現状です。

しかし、”国の代行部分”は厚生年金の一部なのですぐには加入員に支払われずに、企業年金連合会に移換され、厚生年金の受取時期まで運用保管されます。

この様な方は、企業年金連合会に連絡先を報告していないと、まぼろしの厚生年金になってしまう可能性があります。

企業年金連合会も住所がわかる方には老齢厚生年金の受給権発生時に、年金請求書を郵送してくれますが、転居などで住所が変わった場合は、それができません。

心当たりのある方は、一度企業年金連合会のHP”企業年金記録確認サービス【照会】”で確認される事をお勧めします。

企業年金記録確認サービス(照会)のサイト

平成24年度末において、企業年金連合会への年金の請求忘れの方 は133万人、受給権者数に対する割合は16.1%に上ります

自分自身でまぼろしの年金にしてはいけません。



厚生年金基金の解散

2014年08月24日 | 年金
今年も、厚生年金基金の解散が相次いでいて、これまでに加入する厚生年金基金の解散を発表した上場企業は39社と、既に昨年の年間発表社数(34社)を上回っています。

高齢化による給付増で財政状態が悪化、今年4月に解散を促す法改正がなされたのを機に決断する基金が増えました。

この厚生年金基金解散の際、非常に重要な注意点があります。

厚生年金基金は、本来、国が支給する”老齢厚生年金の一部代行部分”プラス厚生年金基金の”上乗せ部分”を、企業及び業界独自の厚生年金基金を通じて年金給付を行う制度です。

この”一部代行”が重要なポイントです。

厚生年金基金は解散になると、通常加入員は”上乗せ部分”を年金か一括受取を選択する事になります。この選択で年金受領は終了だと思って居る方が大変多いのが現状です。

しかし、”国の代行部分”は厚生年金の一部なのですぐには加入員に支払われずに、企業年金連合会に移換され、厚生年金の受取時期まで運用保管されます。

この様な方は、一度ねんきん定期便をチェックして見て下さい。

厚生年金基金の加入期間は年金加入履歴に記載されていますが、受取る老齢厚生年金の額には、”企業年金連合会に保管されている年金額”は反映されていません。

従って、老齢厚生年金の額がすごく少ないと感じられている方も多いのではないでしょうか。

この様な方は、企業年金連合会に連絡先を報告していないと、まぼろしの厚生年金になってしまう可能性があります。

心当たりのある方は、一度下記の企業年金連合会のHP”企業年金記録確認サービス【照会】”で確認される事をお勧めします。

企業年金記録確認サービスのページ

自分自身でまぼろしの年金にしてはいけません

ねんきんネット

2014年08月17日 | 年金
日本年金機構から以下のメールが送付されてきました。

「ねんきんネットご利用者 様

日頃から、日本年金機構のねんきんネットをご利用いただき、ありがとうございます。

ねんきんネットは、おかげさまで平成26年6月にユーザID発行件数が300万件を突破しました。

今後も、便利で充実したサービスを提供できるよう努めてまいりますので、ご家族やお知り合いの方にも、ぜひねんきんネットをご紹介ください。

ご利用にあたっての登録手続きは、日本年金機構のホームページから、24時間いつでもお申込みいただけます。」

非常に便利なサービスですので登録をお勧めします

「ねんきんネット」についての情報及び申し込みは以下のサイトより。

日本年金機構ホームページ