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物価連動国債

2014年09月13日 | 投資・運用
インフレが進み償還時に利益がでた場合、これも利子所得とみなされ、本来は債券の保有期間に応じて按分して課税する必要がありますが、投資家毎に課税期間を把握するのは現実には困難なので、個人も購入できるようになるには税制の改正が必要と言われていますが、未だ改正の発表はありません。

来年1月から個人も物価連動国債の購入が可能になりますが、財務省は現在機関投資家が取引しているのと同じ商品の保有を認め、個人に販売を特化した新しい商品は出さない方針です。

従って、7月入札の第18回物価連動国債の例では、募入最低価格は111円20銭、すなわち個人が購入する価格、で利回りはマイナス0.952%(償還時のCPIにより償還価格は決まりますが、償還時保証されている額面価格100円で計算)になります。

すなわち、償還時のCPIが発行時より11.2%以上上昇していれば、償還益(償還元本の計算は額面価格:100円:で計算され発行価格:111円20銭:では計算されないはずです)が可能で、途中の利息も(上昇したCPIー発行時CPI)×額面価格:100円:で計算され、×発行価格では計算されないはずです。

物価連動国債利回り、長期国債利回り及び予想インフレ率(BEI)の関係

BEI=長期国債利回り-物価連動国債利回り

長期国債利回り=BEI+物価連動国債利回り

物価連動国債利回り=長期国債利回り-BEI

従って、物価連動国債の利回りは、長期国債利回りとBEIの変化に影響されます。

1.長期国債利回りの変化幅>BEIの変化幅の場合:

物価連動国債利回り上昇による価格下落

2.
長期国債利回りの変化幅=BEIの変化幅の場合:

物価連動国債利回り及び価格変化なし

3.
長期国債利回りの変化幅<BEIの変化幅の場合:

物価連動国債利回り下降による価格上昇

上記のメカニズムにより、物価連動国債を単純に保有しても必ずしもインフレヘッジやインフレの収益化を実現できない点及び一般的な金利上昇リスクのヘッジとして機能しない可能性があることに注意が必要です

物価連動国債の国内市場規模は欧米などに比べて小さく流動性に不安があり、取引も少なく、市場関係者からは正確に期待インフレを反映しているのか疑問の声がありますー指標性が少ない。

個人向け10年国債は変動利付債で金利ヘッジになり且つ2回の利払いを戻せば100円で国が買い取ってくれるので素晴らしい運用商品だと思いますが、物価連動国債の満期は10年のみなので、売却のタイミングの判断が難しいかも分かりません。(満期まで待って満期10年後のCPI上昇率に賭けるのもリスクでしょうし)

いずれ証券会社が説明会を開催するでしょうから上記の問題点を尋ねるべく参加したいと思っています。

しかし、後4か月で解禁のわりには、税制にしろ証券会社の対応にしろ、あまり盛りあがっていないのが気掛かりです。(NISAと大違い)

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