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こんにちは、佐々木まり子です。私は会社で部署のリーダーを務めていますが、先日会社の部下の女性が愛する猫を亡くしてペットロスになり、会社を数日間休みました。
私も愛犬をなくし、ペットロスになったので、辛い気持ちはよくわかりました。
そこで今回は愛猫がなくなった苦しみは解決できるのだろうか?という点について語りたいと思います。
まず結論からいうと、愛猫がなくなった苦しみは解決できます。ただこちらの論文で指摘があるように、時間はかかるし、特効薬はないものと思っていたほうがいいでしょう。
悲しみを克服したきっかけとして最も多く得られた回答は「時間の経過」「自然と」「特にない」であった。同様の結果は川島らの調査結果(37)でも報告されている。悲しみが癒えていく過程は人それぞれだが,どんな対処法を用いてもペットロスの悲しみや苦しみを魔法のように一夜にして消える方法は存在しない。ペットロスの強弱はそれぞれであり,悲嘆がペットの死後数日で終わる人もいるし,数週から数ヶ月に及ぶ人もいる(38H40)。またこの「時間の経過」の解決方法は,援助が得られにくいことの裏返しとも解釈できる。ペットロスが重篤化しないためのケア対策は今後の課題でもある
得丸定子; 佐藤英恵; 郷堀ヨゼフ. 人生観によるペットロス, ペット葬の関係について. 上越教育大学研究紀要, 2010, 29: p257-268.
この論文に指摘されているのは
・時間の経過で癒された
・一夜にしてペットロスの苦しみが解決するような方法はない。
・人によって悲嘆状態の長さが変わる
ということです。
また重要だと思ったのが『またこの「時間の経過」の解決方法は,援助が得られにくいことの裏返しとも解釈できる』というところです。
私もペットロス中この援助が得られにくいという現象にぶつかりました。
私が思う一番大切な援助というのは、悲しみの共有です。たとえば、自分の悲しみに全て同意してくれたり、同じように苦しんでくれれば、私一人ではないんだと、苦しみから少し解放されます。
これはかなりムズカシイことに驚きました。
ペットというのは、辛い時に、そばにきて、なめてくれたり。寄り添ってくれたりします。
ある意味では最大の理解者ともいえるでしょう。
ペットを失うというのは、その最大の理解者を失うような感じで、心にぽっかり穴が空いたような心境になってしまいます。
この苦しみが解決するのは、まず自分だけが苦しい想いをしているという孤独感から抜け出すことが最重要だと思います。
自分だけが苦しい想いをしていると思うと、孤独を感じ、それがまた苦しめます。しかし同じように感じている人がいるんだと思えば、なんとなく安心できます。
そこで私がやったのは、愛犬を亡くした人の体験談を多量に読むことでした。はじめは辛い気持ちになりましたが、そこしずつみんな同じなんだなという意識になり、つながってる感がつき、孤独感も少なくなりました。
たとえばこんな体験談があります。
私が小学校1年生から高校3年生までの12年間飼っていた猫は腹水で苦しんで亡くなりました。
我が家に来た時、私の両親はとても仲が悪くて家庭は荒んでいたんです。
母親が家出をして帰ってこない時もあり、そんな時にオレンジ色のかわいい子猫を「飼ってくれないか」と親戚からもらったのがきっかけでお迎えをしました。
家の中はぐちゃぐちゃで、学校に行ってもいじめられて本当に生きることが辛かったあの時、私の心の支えは猫のミルクだけでした。
ミルクは猫なのに本当に人の気持ちが分かる子で、私が泣いている時は膝にのってペロペロとなめて慰めてくれたり、寝る時は必ず布団の中に入ってきて一緒に寝ていました。
食べ物を2人でわけあって食べたこともあったし、寒い冬は帰ってこないお母さんを待ってストーブのない部屋で暖めあったこともありました。
本当に思い入れが強く、ペットは家族だというと今よりも笑われて馬鹿にされていた時代だったので亡くなった時は理解してもらえず辛く苦しくご飯も食べれなくなってしまいました。
家の中がぐちゃぐちゃだったのでミルクも安心して過ごせなかったのだと思います。
ある時お腹が膨れてきているのに気づき、病院に連れて行くと末期で腹水があり、もって数日だといわれました。
亡くなる1日前に一度瞳孔が開き、このまま。。。
と思っていたのですがその後2日間手足を動かし散歩をするかのようにして息を引き取っていきました。
小さな命で私を一生懸命支えてくれたミルクを今でも思い返します。
私はその後10年ペットは飼いませんでした。
しかし最近気持ちも落ち着いてきてペットを飼いたいとも思います。
とても複雑な気持ちです。
私の読んだのは犬版でしたが、これは猫版です。リンク先にかなりの数の体験談があるので読んでみるといいでしょう。
おわりに
今回は愛猫がなくなった苦しみは解決できるのだろうか?という事について語りました。
まず論文を引用し
・時間の経過で癒された
・一夜にしてペットロスの苦しみが解決するような方法はない。
・人によって悲嘆状態の長さが変わる
ということを紹介しました。
そしてペットロスの苦しみには、悲しみの共有が大事だと指摘しました。
ただ悲しみの共有は『またこの「時間の経過」の解決方法は,援助が得られにくいことの裏返しとも解釈できる』とあるように、なかなか上手くはいきません。
たとえば家族であっても、ペットの死に対して温度差がかなりあります。この温度差があるゆえ、援助は得にくいのでしょう。
こういった背景と私の経験則から、猫が亡くなってペットロスになった体験談を読んでみる事をすすめました。
体験談を書いているひとは、多少の観点の違いもありますが、同じような気持ちを持った方々たちです。同じような気持ちの方がいると知ることができれば、気持ちが安らぎます。実際私も同じ方法で癒されました。
また、同じような現象でも人によって受取方が異なるということにも気が付きました。
自分よりヒドイ状態の人がいて、それを見て救われた気持ちになったこともありました。
これを繰り返すことで、しだいに認知行動療法でいう認知の歪みが修正されていったという面もあるのだと思います。
すこし特殊な方法かもしれませんが、以上参考になれば幸いです。
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