音楽家の苦悩

（映画 「ベニスに死す 」 より ）
映画の中で、
主人公の音楽家は何度も 『バランス 』 の大切さを口にします。
それは、 『秩序 』 といってもいいでしょう。
しかし、床屋の鏡を前に、主人公は老いていく自分の中で、
秩序が崩壊していくのを感じます。




（映画 「ベニスに死す 」 より ）
主人公は、床屋が提案した 『化粧　』 を受け入れます。


（映画 「ベニスに死す 」 より ）
笑みを浮かべる主人公 ・・

『孤独はまた倒錯したものを生み出す。
　均衡を欠いたものを、不条理で許されないものを生み出す。 』

小説 「ベニスに死す 』 の中にはこんな一節があります。


（映画 「ベニスに死す 」 より ）
時に、ベネチアには夏の訪れとともにコレラが蔓延し始めます。


（映画 「ベニスに死す 」 より ）
やがて、自らを襲う病 ・・



主人公は、ベネチアを彷徨います。



救いは何なのか ・・



マーラー 交響曲第5番 第4楽章 『アダージェット 』 の旋律が、
切なく響きます。



『愛する者は愛される者よりも神に近い ・・
　なぜなら、愛される者の中に神はいないが
　愛する者の中には神がいる ・・ 』




（映画 「ベニスに死す 」 より ）

そんな主人公の心の内を、
ビスコンティならではの美しい映像がなぞっていきます。
そして、映画はエンディングに ・・

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