JFK-World 世界の撮影・取材地トピック

Freelance Film Director
TV-CMおよびTVドキュメンタリー番組のディレクター & カメラマン

Murano ムラーノ島

2013年03月18日 | ヨーロッパ

ベネチアン グラスの島として知られる 「ムラーノ島 」



ベネチア本島からバポレットでおよそ15分 ・・
(2月3日のブログ参照 )



島の中を流れる運河の両側には、
ベネチアン グラス ショップが立ち並びます。



火を使うガラス工芸は火災の危険を伴います。
そのため、ベネチア本島のガラス工房は、
13世紀末にすべてムラーノ島に移されました。
また、
独自の技術が国外に流出することを防ぐという理由もありました。



技術を守るために、卓抜したガラス職人 = マエストロは、
ムラーノ島から出ることを禁止されました。
反面、マエストロは、
貴族の娘との結婚が許されるなど、
特権が与えられていたそうです。



ムラーノ島に閉じこもるようにして
マエストロたちが磨き上げた技術は、
やがて世界が認めるようになりました。
ベルサイユ宮殿 (17世紀建設 ) の鏡の間には、
鏡をはじめシャンデリアなど、
多くのベネチアン グラスが使われています。


(ベネチアン グラス工房 Ferro & Lazzarini )

現在、およそ20人といわれるムラーノ島のマエストロ ・・
それぞれの工房では、
その熟練した技術を目の当たりにすることが出来ます。



世界中どこでも、職人、達人と呼ばれる人は寡黙です。



飴細工のように変化していくガラス ・・



まるで魔法を見ているようです。



ベネチアだけの技術が封印された島 ・・



しかし、18世紀になるとヨーロッパでは、
ガラスの表面を彫刻する技法が流行します。
(ボヘミアン グラスなどが代表的 2009年5月30日のブログ参照 )
薄手のベネチアン グラスは表面彫刻に不向きで、
ベネチアのガラス工芸は徐々に衰退していきました。
それは、奇しくも、ベネチア共和国の終焉と時を同じくします。

注: イタリア政府の助成などにより、
   現在ベネチアン グラスは盛り返している。

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