すっかり水草に覆われた堀。
大和郡山城下 ・・・
近鉄電車郡山駅から古い商店街を
東へ10分程歩くと、
洞泉寺町(とうせんじちょう)という
約100m四方の小さな地区が現れます。
南の端には、第3代郡山城主
豊臣秀長 が建立した洞泉寺。
町名の由来となった名刹です。
洞泉寺町は一見普通の住宅地ですが、
かつてここには花街がありました。
これは歴史の忘れ形見 ・・・
遊郭だった建物です。
いまは一般家屋ですが、
幅の広い格子に
遊郭時代の面影を見ることができます。
(格子の幅については次回説明します)
「洞泉寺遊郭」 ・・・
明治時代後期から昭和初めの最盛期、
ここには17の遊郭がありました。
ところで、洞泉寺をはじめ
この界隈にはたくさんのお寺があります。
実は、霊的な場所と娯楽の相性は
決して悪くないようです。
たとえばハワイでは、ヘイアウ という
スピリチュアルな場所の跡地に、
ホテルやレストランを建てると繁盛する
といわれています。
さて、
ふたつのお寺の間 ・・・
3階建ての堂々たる建物。
「川本楼 」 ・・・
とても保存状態のよい遊郭建築です。
そして、
遊郭の様子を忠実にいまに伝える
全国的にも大変めずらしい遺構です。
The Animals
The House of the Rising Sun
邦題は ♪朝日のあたる家♪
『娼館』のことでしょうか。
JFK-World
ボブ・ディランのバージョンもいいですよね。
遊郭は、史実として興味深いところです。
丁度秀長のところを読んでいたので、きれいな町並みを拝見して心が傷みました。
町屋の天井の高さはドラマのセットでは味わえない空間で、時代小説の舞台として納得でき、中でも遊郭の端正なたたずまいにイメージが変わりました。
生きた資料、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。