イタリア本土側から大運河を進み、リアルト橋を越えたあたりから、
「Palazzo パラッツォ 」 と呼ばれる
美しい建物がたくさん見えてきます。
(2月7日のブログ参照 )
「Palazzo パラッツォ 」 は、
日本語では 『宮殿 』 と訳される場合が多いですが、
私は、 (貴族の ) 『館 (やかた ) 』
とするのがふさわしいと思います。
Palazzo Bembo ベンボの館
行政官や聖職者を数多く輩出している
ベネチア貴族の名門 ベンボ家が14世紀末に建てた館です。
貿易商人でもあったベンボ家 ・・
船への積み出しや荷受の光景が想像できます。
ベネチアン ゴシック スタイルの典型ですが、
イスラム建築の影響も見受けられます。
これは、ベネチアの商人が、交易のために訪れた
中東のイスラム国から持ち帰った流行だといわれています。
Pietro Bembo
ピエトロ・ベンボ (1470年ー1547年 )
文学者であり、ローマ カトリック教会の
枢機卿 (すうききょう ) = ローマ法王の助言者でもあった
ピエトロ・ベンボはこの館で生まれました。
彼は、現代イタリア語の標準化に
多大な貢献を果たした文学者のひとりとして知られています。
現在、 『ベンボの館 』 は、
B & B (Bed and Breakfast ) スタイルのホテルとなっています。
(美術ギャラリーも兼ねている )
14世紀といえば、日本は鎌倉時代から室町時代 ・・
長い歴史が刻み込まれた 『ベンボの館 』 は、
ベネチアでも人気の高いホテルのひとつです。
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