昔から俺はやりたい事はやれてきた
でもやりたくない事もやらされてきた
親はとにかく勉強して良い高校、良い大学出て良い会社に就職しろ!と
当然俺もそれが良いのかと思っていた
中学1年生の時に、母方の祖父が亡くなった
祖父は昔、喉自慢コンテストに出るくらいの歌唱力を持っていて
夢は歌手だったそうな
しかし、家業を継げとの理由であえなく断念していたのだ
そんな祖父が亡くなってから、それまで全く興味のなかった音楽に対して目覚めたのだ
その次の学期の成績で、音楽の成績が大幅に上がっていたのだ
これは何かある!と思い、徐々に音楽に興味を持ち始めた
まずは中学3年生でギターを買う
独学では挫折に追いやられたものの、高校に入ってすぐにギター教室に通う事になった
2年生の時にはバンドを組み、ベースを担当
この時、一つの夢が頭の中をよぎった
ボーカルよりも俺の方が確実に歌が上手かった
音楽の専門学校に行きたくなったのだ
ギターもベースも弾けるようになり、歌に興味を持つ
勿論親に話したが、ダメだと
それはそうだ
金を出すのは親だから
しかしどうも納得はいかない
子の夢、やりたいことを今まで一度も応援したことがないんだ
中学入る時に小学校からやっていたサッカーを部活に入って続けたいと言った時も反対されていた
しかし本当に勉強は嫌いだった
塾や公文も通っていたので、成績は常に中段から上位にかけてはキープしていた
受験には困った事がないし、大学も推薦で行く事になった
しかし音楽への夢は諦められず
そんな時ハモネプに出会う
アカペラを通してまた音楽に触れ合えた
・・・そして挫折した
声質が悪いと遠回しに言われたのだ
ボーカルは向いてないと
ショックで声を出すのも嫌になった
1週間して、当時流行っていたSNSにて
大学の近くにあるボーカル教室を見つけた
月謝は6000円
バイトをしていたため、余裕で払える
迷わずコンタクトを取り、そして人生初のボーカル教室に通う事になった
もう親の敷いたレールの上をただ行くのは嫌だ
なので親には内緒で3年間通い続けた
この頃、鬱憤が溜まっていた大学生活に終止符が打たれた
やりたくもない勉強をずっとさせられていたため、ついに教授と喧嘩し
そのまま辞めることになったのだ
そして親にキレられ、人生で初めて親にキレ返した
お前は間違っている!!
と
それから1ヶ月ニート状態が続いた
バイト先も丁度閉店が決まってしまい、タイミング的にニートになっただけだが
その後は今でも交流のある先輩達がいたラーメン屋にてバイト
そしてバイトをしながら合格した事務所にて歌手デビューすることになった
勿論これも親には黙っていた
ただ、俺がボーカル教室卒業するって最後のライブの時に親を初めて誘ったのよ
そしたら結構嬉しそうな顔して聴いていたのを今思い出したな
ナンダカンダ、やる事は応援してくれるんだなと
そう言った経緯もあって今でも俺は歌手を続けている
音楽の会社を立ち上げたのも、きっとそういう経験がなかったらやっていなかっただろうな
めでたしめでたし