落葉焚けば おもしろ
櫟(くぬぎ)の葉は ふすふす
萱(かや)の葉は ちょろちょろ
松の葉は ぱちぱち
「 壺 中 天 」 と ( 人 生 一 楽 )
「壺中天」は、テレビの「美の壺」でも知られている言葉です。
人生の楽しみは、ほんの少しの余世。多くのことを望まず、一つの
小さな楽しみを求めるだけででも良いのではと、今は感じます。
☆瓢箪(壷)の中の酔いの天国、人生一つのささいな楽しみを求めては
如何なものでしょう。
偽りの/ なき世なりせば/ いかばかり/ 人の言の葉/ うれしからまし
(よみ人しらず)
そろそろ 紅葉、落葉の季節です・・・・・
北原白秋の詩 ・・・ 「落葉」
落 葉 焚 け ば お も しろ
櫟 の 葉 は ふ す ふ す
萱 の 葉 は ち ょ ろ ち ょ ろ
松 の 葉 は ぱ ち ぱ ち
よろこべば/ しきりに落つる/ このみかな (富生句)
早くも霜を感じるような、寒い朝でした。
李白三十一歳のとき、「絶句」と共に有名な詩です。
「 霜かと見まごうばかりの、冴え冴えとした月の光。
どこから差し込むのかと見上げれば、山の端にかかる
満月が見える。さすらいの身の李白にとってこの山上
の月は、山国の故郷への慕情をかきたてる。」
床前月光照らす/ 疑うらくは 是地上の霜かと
頭を挙げて照月を望む/ 頭を低げて故郷を思う
李白の詩「聴蜀僧溶弾琴」の末尾二句
覚えず 碧山の暮れ /秋雲 暗きこと幾重
(気が付かないうちに緑の山が暮れ、秋の雲が幾重にも立ち込めている)
・・・僧侶の弾く琴の音に、一時俗世を忘れると云う。
秋風や/ 白木の弓に/ 弦張らむ
白髪三千丈/縁愁似個/不知明鏡裏/何処得秋霜 ・・・ ( 漢詩)「秋浦詩」
「 訳 」
( 私の白髪は三千丈。愁いゆえにこんなに長くなってしまった。鏡に映る自分の姿に、
この様に霜を受けたように、何処で成ったのだろうと思いを依せる。)
座 花 / 酔 月 ( 吾亦紅の絵添え )
初秋山野に咲いて、地味で目立たない紅がどこか心ひかれると云う、吾亦紅の
絵を添えた作品です。
吾亦紅/ うらわかければ/ まだ青し (飴山実句)
夕方、とんぼの見られる季節になりました。茜トンボが見られるのは
秋の終わり。山の方から降りてきて、群がって美しい茜色で飛ぶとか。
【吉 田 一 穂 の 詩】
野 の 花 々 謡 ふ 童 女(わらべ) は 孤(ひと) り 茜