杜牧の有名な詩の一句 「淡々として雲の如し」
相田みつおの書は非常に個性的ですが、全体のバランスが取れて
落ち着きがあり、その人柄を感じる書の詩です。 (木目が美しい銀杏の木の刻字です。)
相 田 み つ お 詩 に 「道」 を 添 え た 作 品 で す。
八 束 句 の 臨 刻 の 作 品 。
イプセンの名言に、「生きるということは航海のようなもの。誰もが
この舵をきる必要がある。」とあります。
かもめが舞う海を見るイプセンの像を見て、八束先生はその言葉を
思い浮かべたのでしょうか。
室生犀星の有名な詩の臨刻です。 ( 石飛博光書 )
ふるさとは遠くにありて思ふもの/ そして悲しくうたふもの
これと同じく、故郷の思いを謡った有名な漢詩の一つに、李白の「静夜思」があります。
犀星がこの漢詩に触れたかどうかは分かりませんが、参考に味わって下さい。
「 床前ヲ月光照ラス / 疑ウラクハ是地上ノ霜カト / 頭ヲ挙ゲテ山月ヲ望ム / 頭ヲ低レテ故郷ヲ思ウ 」
顔を挙げて山の端を見 掛かる月を仰ぐ / 顔伏せ遥か遠く 故郷への想いは深い
〔追記〕 私の拙句
まわり将棋/ して和む子や/ 昼炬燵 (毎日新聞投句)
寒い朝家の縁側には、家内が手入れしているシンビジュウムが、
寒さに負けじと凛々しく咲いています。
凛として、その香りを周りに飛ばしているかのように。
「蘭香を飛ばす」 ・・・ 力強い筆跡の書の臨刻作品です。
此方でも久しぶりに雪が降りました。 昨日の毎日新聞で、坪内稔典さんの選んだ句に
山頭火の「春の雪」が載っていました。私の一番好きな俳句です。
春の雪は解け易すく、それ故この句にはごく平凡な家庭の、暖かさや幸せが
謡われているように感じられます。
一生の殆んどを旅で過ごし、家族にも恵まれなかった山頭火の胸の中には、
この幸せな家庭への、強い憧れがあったのではないでしょうか。
俳句に浅い私の身勝手な解釈ですが。
此 の 道 し か 奈(な) い/ 春 野(の) 雪 降 留(る) (山頭火句)
( 私の拙句 手を離れ/ 歩み初(ふ)む子や/ 春一日 )
板村真民の言葉、「念に生きる」の臨刻作品です。
一昨日、四国にも歩くのが困難な程の強い、「春一番」が吹きました。
寒い日々では刻字も気の向くまま、ボチボチです。
春疾風/ 子の手掴みて/ 我が堪ふる (福永耕ニ句)
まだ寒い日が続きますが、早く春を迎えたいものです。
もう、明日が立春です。 刻字作品 ・・・ 「萬里春」
春立ちて/ まだ立春の/ 野山かな (蕪村句)
〔追記〕
先日、市音楽ホールでのアンサンブル神戸よるコンサートがあり、聴きに出掛けました。
ベートーヴンの「交響曲第七番イ長調」、映画「のだめカンタービレ」で多く知られている曲とか。
曲の良さは分からない乍ら、ただ無心の一時が気持ち良く過ごせた時間でした。