以下はAsahi.comの記事 原文掲載
http://www.asahi.com/national/update/1019/TKY200910190215.html
(時間が経つと記事が消されてしまう為、掲載しますが暫くしたら削除します)
法的な規制に触れるおそれがある点について、同社は「法的に制限されているのは予報に限られ、上陸地の公表は予報ではなく実況」という立場だが、気象庁は「台風の進路は災害に備えるための防災情報。異なる情報が複数出ると混乱が生じる」と問題視する姿勢を崩していない。
同庁の桜井邦雄長官は15日の定例会見で「防災情報は統一的である方が望ましいことはウェザーニューズに理解してもらいつつあると思う」と語った。29日には民間事業者向けに台風情報に関する講習会を開き、理解を求める考えだ。
だが、今後、気象庁の方が上陸地点を修正する可能性もある。同庁はこれまでも台風の消滅後1カ月~1カ月半かけて詳細に台風の経路を分析し、「確定値」として明らかにしている。当初発表した進路が変わることは珍しくなく、これまでも神奈川県小田原市付近に上陸したと発表した07年9月の台風9号が、後に伊豆半島上陸に修正されたこともあった。(宋光祐)
◇
日本列島を縦断した台風18号の上陸地点をめぐって、気象庁と民間の気象情報会社「ウェザーニューズ」の間で論争が繰り広げられている。防災上の混乱を避けたいと台風の進路情報の一元化を迫る気象庁と、分析に自信をみせ、譲る気配のない同社のバトルは収まりそうにない。
18号は今月8日、強い勢力を保ったまま約2年ぶりに上陸し、東海や関東、東北を縦断した。36都道府県で住宅が壊れたり浸水したりして、127人がけがをし、5人が死亡した。
気象庁は8日午前5時過ぎ「愛知県知多半島付近に上陸」と発表したが、ウェザーニューズはその約20分前、「同4時ごろ、三重県志摩半島に上陸」と同社が運営する一般向けのインターネットサイトに掲載。この日、サイトの閲覧数は4千万回にのぼった。
この食い違いを気象庁は見逃さなかった。民間事業者が予報する場合には、気象業務法に基づいて「台風の進路等に関する情報は、気象庁の情報の解説の範囲にとどめる」と条件をつけていることを盾に、さっそく9日付で同社に再発防止を指導した。
これを受けて、同社は14日夜、インターネットで特別番組を流し、真っ向から反論した。気象庁の発表した18号の進路が、志摩半島を迂回(うかい)したように見えることを「奇跡のカーブ」と皮肉ったうえで、「三重県に上陸したと考える方が自然」などと主張した。同社の気象予報士や森田清輝取締役らも交代で出演し、番組は2時間に及んだ。
両者とも、気圧や風向きの変化などのデータをもとにして進路を解析している点に変わりはないが、同社がこだわる背景には、昨年から活用している「サポーター」と呼ばれる有料会員からの情報の存在が大きい。現地から天候の情報をメールで寄せてもらい、解析に役立てる。18号でも8日午前4時前後には、「急に風が弱まった」「台風の目に入ったようだ」などの情報が相次いで現地から届き、「志摩半島上陸」と判断したという。
ウェザーニューズ 86年設立の業界最大手の気象情報会社。資本金17億600万円。東京都港区に本社があり、アジアや欧米など世界15カ国・地域に展開している。独自の予測モデルを使った気象情報が売りで、各地の天気予報やゲリラ豪雨などの情報を携帯電話やインターネットで個人向けに配信しているほか、航空や鉄道、流通事業者などの法人にも提供している。有料会員は約160万人。06年にはゴールデンウイーク前に出した9日間の天気予報をめぐって許認可の範囲を超えているとして気象庁に改善を求められた。07年8月にも新潟県中越沖地震の被災者向けにがけ崩れに注意を呼びかけるメールを配信したことが「気象」の予報ではないとして同庁から業務改善命令を受けた。
以上、http://www.asahi.com/ より転載・・
ちなみに
フィリピンでは台風16・17号の死者858人に上っているそうです
http://www.asahi.com/national/update/1019/TKY200910190215.html
(時間が経つと記事が消されてしまう為、掲載しますが暫くしたら削除します)
法的な規制に触れるおそれがある点について、同社は「法的に制限されているのは予報に限られ、上陸地の公表は予報ではなく実況」という立場だが、気象庁は「台風の進路は災害に備えるための防災情報。異なる情報が複数出ると混乱が生じる」と問題視する姿勢を崩していない。
同庁の桜井邦雄長官は15日の定例会見で「防災情報は統一的である方が望ましいことはウェザーニューズに理解してもらいつつあると思う」と語った。29日には民間事業者向けに台風情報に関する講習会を開き、理解を求める考えだ。
だが、今後、気象庁の方が上陸地点を修正する可能性もある。同庁はこれまでも台風の消滅後1カ月~1カ月半かけて詳細に台風の経路を分析し、「確定値」として明らかにしている。当初発表した進路が変わることは珍しくなく、これまでも神奈川県小田原市付近に上陸したと発表した07年9月の台風9号が、後に伊豆半島上陸に修正されたこともあった。(宋光祐)
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日本列島を縦断した台風18号の上陸地点をめぐって、気象庁と民間の気象情報会社「ウェザーニューズ」の間で論争が繰り広げられている。防災上の混乱を避けたいと台風の進路情報の一元化を迫る気象庁と、分析に自信をみせ、譲る気配のない同社のバトルは収まりそうにない。
18号は今月8日、強い勢力を保ったまま約2年ぶりに上陸し、東海や関東、東北を縦断した。36都道府県で住宅が壊れたり浸水したりして、127人がけがをし、5人が死亡した。
気象庁は8日午前5時過ぎ「愛知県知多半島付近に上陸」と発表したが、ウェザーニューズはその約20分前、「同4時ごろ、三重県志摩半島に上陸」と同社が運営する一般向けのインターネットサイトに掲載。この日、サイトの閲覧数は4千万回にのぼった。
この食い違いを気象庁は見逃さなかった。民間事業者が予報する場合には、気象業務法に基づいて「台風の進路等に関する情報は、気象庁の情報の解説の範囲にとどめる」と条件をつけていることを盾に、さっそく9日付で同社に再発防止を指導した。
これを受けて、同社は14日夜、インターネットで特別番組を流し、真っ向から反論した。気象庁の発表した18号の進路が、志摩半島を迂回(うかい)したように見えることを「奇跡のカーブ」と皮肉ったうえで、「三重県に上陸したと考える方が自然」などと主張した。同社の気象予報士や森田清輝取締役らも交代で出演し、番組は2時間に及んだ。
両者とも、気圧や風向きの変化などのデータをもとにして進路を解析している点に変わりはないが、同社がこだわる背景には、昨年から活用している「サポーター」と呼ばれる有料会員からの情報の存在が大きい。現地から天候の情報をメールで寄せてもらい、解析に役立てる。18号でも8日午前4時前後には、「急に風が弱まった」「台風の目に入ったようだ」などの情報が相次いで現地から届き、「志摩半島上陸」と判断したという。
ウェザーニューズ 86年設立の業界最大手の気象情報会社。資本金17億600万円。東京都港区に本社があり、アジアや欧米など世界15カ国・地域に展開している。独自の予測モデルを使った気象情報が売りで、各地の天気予報やゲリラ豪雨などの情報を携帯電話やインターネットで個人向けに配信しているほか、航空や鉄道、流通事業者などの法人にも提供している。有料会員は約160万人。06年にはゴールデンウイーク前に出した9日間の天気予報をめぐって許認可の範囲を超えているとして気象庁に改善を求められた。07年8月にも新潟県中越沖地震の被災者向けにがけ崩れに注意を呼びかけるメールを配信したことが「気象」の予報ではないとして同庁から業務改善命令を受けた。
以上、http://www.asahi.com/ より転載・・
ちなみに
フィリピンでは台風16・17号の死者858人に上っているそうです