藤原鎌足が亡くなった後、その子である不比等は父の菩提を弔うために、奈良に興福寺を建立してその本尊として丈六の釈迦仏を安置しようとした。その時鎌足の妹は美人の誉れが高く、その噂は唐にまで聞こえ、唐の高宗皇帝の切なる願いにより、唐にわたって皇后となっていた。この妹が兄の寺院建築のことを聞いて、沢山の珍宝を送ってきた。その中に「不向背の珠」という天下無双の宝玉があった。これらの珍宝を積んだ船が、瀬戸内海の讃岐房前の浦(志度)にさしかかると、にわかに防風が吹き波は荒れ狂い、船は転覆しそうになった。そこで珠を守るため珠を入れた箱を海中に沈めようとしたところ、海底から爪が長く伸び毛に覆われた手が出てきて、その箱を奪い取ってしまった。唐の使いは都に着いてその仔細を不比等に報告すると、非常に残念に思った不比等は球が奪われた房前の浦までやって来た。・・続きは又明日、ブログ「瀬戸の島から」より。

庭に咲く花
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