今日は、私のお気に入りである、「クーゲルバーン」という木のおもちゃをご紹介します。おもちゃが入っているパッケージには、ドイツ語でクーゲルバーンと書かれていますが、日本ではシロフォン付玉の塔という名称で知られていることが多いです。ベックさんというおもちゃ作家が50年以上前に作った、ロングセラー商品です。
★クーゲルバーン(シロフォン付き玉の塔)★
木でできたスロープの上にある穴から、付属品の小さな玉を入れると、その玉がスロープを落ち、下にあるシロフォン(鉄琴)にあたり、ソファミレドという音が鳴る仕組みになっています。対象年齢は3歳以上で販売されています。
このおもちゃのすばらしいところは、小さな子どもが万が一、玉を口に入れてしまったとしても大丈夫なように作られていることです。人体に影響のない素材で作られています。舐めても安全な塗料、口に入れて安全な素材でできており、最後は排泄物と一緒に出てくるようになっています。そのため、ひとつひとつの玉を手作りしているので、玉の形がちょっといびつな丸になっていることも特徴のひとつです。もちろん、口にしないことが一番ですが、万が一の場合に備えた配慮がなされているという点において、良質なおもちゃだと思います。
このおもちゃのすばらしいところは、小さな子どもが万が一、玉を口に入れてしまったとしても大丈夫なように作られていることです。人体に影響のない素材で作られています。舐めても安全な塗料、口に入れて安全な素材でできており、最後は排泄物と一緒に出てくるようになっています。そのため、ひとつひとつの玉を手作りしているので、玉の形がちょっといびつな丸になっていることも特徴のひとつです。もちろん、口にしないことが一番ですが、万が一の場合に備えた配慮がなされているという点において、良質なおもちゃだと思います。
先日のブログで、「おもちゃの箱に書かれた対象年齢はあくまでも目安」とお話したのですが、おもちゃの種類によっては、細かいパーツでできているものなどは、何でも口に入れて確かめるといった発達段階の乳児に与えるかどうか、安全面に十分配慮して与えることが重要です。そう考えると、こうした乳幼児期の発達をよく理解したうえで、食べ物と遊ぶものの認識ができるであろう年齢の子どもを対象としている理由もよくわかります。
また、このおもちゃには、3歳以上の子どもを対象として考えられた理由がもうひとつあります。それは、何歳になっても同じおもちゃでたくさん遊んで欲しい、いろいろな遊び方を子ども自身が考えて欲しいといったベックさんの願いを理解出来るようになる年齢だということです。
実はこのおもちゃには、小さな玉に紛れて1つだけ赤くて大きな玉が入っています。おもちゃの広場でも、保護者の方から「間違って入ってしまったのですか?うちの子が他のおもちゃの部品を持ってきてしまったのかもしれません・・・。」などと言われ、心配されることがあるのですが・・・。
実は、赤い玉はあえて入っているのです!
この玉の使い方がわかるようになるであろう年齢が、3歳以上なのではないか?というおもちゃ作家の意図が込められています。
子どもは繰り返しが大好き。上の穴から入れた玉が、スロープを通ってシロフォンにあたり音がなる。この遊びを繰り返し、同じ場所に同じものが返ってくる安心感を感じることで、このおもちゃを好きになります。しかし、こうしたことを繰り返しているうちに、年齢を重ねるごとにただひとつひとつ玉を入れているだけでは遊びが物足りなくなってくるのです。
スピードをあげて次々に玉を入れてみる、音が途切れないように入れ続けるなど、袋に入っている玉をたくさん使い、いろいろな遊び方をするようになります。そしてある時、気づくのです。
「あれ?この赤い大きな玉は、穴に入らないな。」と。
あれこれ試行錯誤しながら大きな赤い玉をスロープの途中に置くと、そのあといくつかの玉を転がし、せき止められることに気づきます。そして、ある程度の玉が並んだところで、赤い玉をとると、複数の玉がシロフォンを一度に通り、綺麗な音が連続して流れることに気づきます。
こうした遊び方を、大人が教えるのではなく、子どもが自ら繰り返し遊ぶ中で気づいて欲しい。ベックさんにはそんな思いがありました。だから、あえて大きさの違う玉がひとつだけ入っているのです。
この話をおもちゃの広場ですると、大人が率先して実践されます。「ほら、こうやって遊ぶと楽しいみたいだよ!」と。おもちゃの広場では、おもちゃをいろいろな方法で遊ぶヒントを伝えるのが私の役割だと思うので、それでいいのだと思います。しかし、家庭で遊ぶ際はぜひ、子どもが自分で気がつくまで、いろいろな遊び方をするそのプロセスを温かく見守っていただきたいなと思います。
何でも大人が手出しをして教えることは簡単です。しかし、子どもが試行錯誤をしながら失敗も経験し、新しい遊びを作り出していくこと、それが今の幼児教育で言われている、「遊びは学び」ということなのです。遊びの中で試行錯誤しながら自分で新しい遊びを考え出すこと。そのプロセスこそが、長い目で考えると、クリエイティブな感性を育てていくことにつながっていくのだと思います。